病態・薬治

病態・薬治:EBM(11問)

問1 EBM (evidence based medicine)の3つの要素として誤っているものを次の中から1つ選べ。

① 科学的根拠

② 専門家の価値観

③ 臨床的専門技能

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正解は②でした!

【解説】

①正。 研究結果、臨床試験成績など再現性のある根拠をもって医療を行うべきである

②誤。 患者の価値観である。治療にあたっては当然患者が主体となるべきであり患者(集団)の考え方が尊重されなければならない。

③正。 臨床経験のことである。臨床経験から、起こっている事象や得られた結果が妥当と判断できない場合もある。

 

問2 EBM実践のプロセスについて、「患者の問題の定式化」を表す用語として正しいものを次の中から1つ選べ。

① POS

② SOAP

③ PECO

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正解は③でした!

【解説】

①誤。 POS:problem oriented system は問題思考型システムのことであり、患者の問題点に焦点を合わせて、患者中心のケアを医師・薬剤師・看護師が一体化し、他の医療従事者とともに患者とその家族の問題点を見つけて解決するために行動していくことを表す考え方である。

②誤。 SOAP:薬歴の記載に関する考え方の1つ。主観的情報、客観的情報をもとに薬剤師の評価を行い次の計画を立て、継続的に患者をフォローするといった考え方である。薬剤服用歴の記録は必ずしもSOAPで記録する必要はないが、SOAPの考え方を基にして記載されることが多い。

③正。 PECOとは患者の問題点の定式化を表す語句である。

P:Patient どのような患者であるか?年齢、性別、病状など背景的な情報

E:Exposure どのような介入を受けているか?具体的にはどんな薬を用いて治療がなされているか。

C:Comparison 何と比較しているか?比べる対象も明確にする必要がある。

O:Outcome どのような結果が得られたか?患者がどのようになったのか

上記の頭文字をとってPECOと呼ばれる。

 

問3 次の図はある研究の概念を図式化したものである。この図が表しているものとして適切なものを次の中から1つ選べ。

① ランダム化比較試験

② コホート研究

③ 症例対照研究

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正解は①でした!

【解説】

①正。 図では対象患者を試験群と対照群に分けて研究を行なっている。時間の経過からも前向き試験でありランダム化比較試験と言える。

②誤。 コホート研究では注目する因子への暴露の有無を研究開始時に調べ、対象疾病の発生の有無を時間的に前向きに調査していく。図にあるように実験群と対照群に分かれる訳ではない。

③誤。 症例対照研究は対照群と症例群に関して、過去の因子への暴露の有無を調査するもの。後ろ向き研究であり時間の経過が図とは一致しない。

 

問4 EBMにおいて、エビデンスレベルが最も高いものを次の中から1つ選べ。

① メタアナリシス

② コホート研究

③ 症例対照研究

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正解は①でした!

【解説】

エビデンスレベルが高いものから順に

メタアナリシス(システマティックレビュー)、ランダム化比較試験、コホート研究、症例対照研究、症例報告

となる。

 

問5 コホート研究について正しい記述を次の中から1つ選べ。

① 無作為に割り付けられる。

② バイアスの影響は比較的大きくなる。

③ 対象疾病が稀である場合は時間と労力がかかる。

▽解答はこちら▽

正解は③でした!

【解説】

①誤。 コホート研究では注目する因子への暴露の有無を研究開始時に調べ暴露群と非暴露群に割り付ける。無作為に割り付けるわけではない。

②誤。 コホート研究は前向きの研究であり、後ろ向きの研究と比較するとバイアスの影響を小さくすることができるため、一般に後ろ向き研究よりもエビデンスレベルが高い。

③正。 大規模なコホートを長期間追跡する必要があるため時間と労力がかかる。

 

問6 症例対照研究について、誤っている記述を次の中から1つ選べ。

① 稀な疾病の発症原因を研究するのに適している。

② 時間と労力が比較的少なくて済む。

③ 疾病の発症率が推定できる。

▽解答はこちら▽

正解は③でした!

【解説】

①誤。 正しい記述である。

②誤。 正しい記述である。カルテなどを基に過去に何があったか調べるだけであり時間も労力も比較的少なくて済む。

③正。 症例対照研究は、すでに疾病は発症していることが前提であり、過去に注目する因子に暴露されているか否かを調査する方法である。発症率を推定するという考え方がそもそも当てはまらない。

 

問7 高血圧患者に関する研究において「真のエンドポイント」としてふさわしいものを次の中から1つ選べ。

① 血圧値

② 心血管イベントの発生

③ 降圧薬の種類

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正解は②でした!

【解説】

真のエンドポイントとは、臨床において本質的な変化を検出できるものである必要がある。

高血圧を治療する目的は、心血管イベントや脳血管イベントなどを予防することにある。

ただし、これらのイベントが短期間で発生し観察評価をするということは現実的ではなく、短期間で評価できる暫定的なものをエンドポイントにして研究をすることが多い。

暫定的に設定されたエンドポイントが代用エンドポイントであり、血圧値などの客観的数値が採用される。

 

問8 臨床研究において、ある因子によって誤った結論が導かれることがある。その因子の中で「系統的な誤差」を表す用語を次の中から1つ選べ。

① バラツキ

② バイアス

③ 交絡

▽解答はこちら▽

正解は②でした!

【解説】

①誤。 「バラツキ」とは正式な用語とは言えないが、単なる偶然を表す語句として使われる。適切な統計学的手法をとることにより偶然による誤差は小さくすることができる。

②正。 バイアスとは、系統誤差や偏りと表現されることがある。不適切な研究方法に基づく誤差で、例えば「高齢男性ばかりが選ばれている」などといったことが挙げられる。

③誤。 因果関係が第3の要因によって歪められることを意味する。例えば喫煙という原因に対して肺がん発症という結果があるが、特異的な遺伝子発現により肺がん発症のリスクが高まる可能性がある。遺伝子発現という隠された因子が結果に影響することをさす。

 

問9 臨床試験において、誤った結論へ導かれないための工夫として誤っているものを次の中から1つ選べ。

① ランダム化

② 盲検化

③ システム化

▽解答はこちら▽

正解は③でした!

【解説】

①正。 ランダム化とは、比較試験において被験者が特定の治療群に割り付けられる可能性を均一に持たせるために行われる。これによりバイアスを除去することができる。

②正。 盲検化は臨床試験の実施時および評価時の意識的または非意識的なバイアスの発生を小さくするために行われる。

③誤。 システム化は臨床試験を効率よく行うための手段であって、誤った結論へ導かれないための工夫ではない。

 

問10 症例対照研究において下の表に示すデータを得た。この結果から得られるオッズ比として正しいものを次の中から1つ選べ。

 心筋梗塞
ありなし
喫煙あり4030
なし1545
5575

① 0.73

② 1

③ 4

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正解は③でした!

【解説】

オッズとは各群でのイベントの発生者の比である。

オッズ比とは暴露群のオッズと非暴露群のオッズの比である。

まずはそれぞれのオッズを求める。

  • 「喫煙あり」の群でのオッズは 40 / 30
  • 「喫煙なし」の群でのオッズは 15 / 45

したがってオッズ比は (40 / 30)÷(15 / 45)= 4 となる。

一般にオッズ比が1より大きくなると注目した因子によるイベント発生の影響が考えられると結論づけられる。

 

問11 以下の問いに答えよ。

患者より薬についての問合せがあった。問合せの内容は以下の通りである。

「自分の服用している薬Aが肺がんのリスクを2倍にするという記事を新聞で読んだ。心配になったので確認したい。」

 

問合せを受けた薬剤師は新聞記事を確認し、記事の根拠となる論文をデータベースから検索した。該当論文には「コホート研究を行なった結果、薬Aで肺がんのリスク比:2.0(1.56 - 2.21)(かっこは95%信頼区間)であった。」と示されていた。

 

この患者への問合せの回答として最も適切なものを次の中から1つ選べ。

① 記事の通りであり、薬Aを中止した方が良いと指導した。

② 現段階では何もわからないと回答した。

③ 記事は誤りであり、薬Aは中止せずに続けるよう指導した。

▽解答はこちら▽

正解は②でした!

【解説】

情報に対しては常に批判的吟味を行う必要がる。

今回取り上げられている論文は研究報告の1例である。コホート研究であり一般的にはエビデンスレベルは比較的高いものに位置付けられるが研究デザイン、統計手法によってはエビデンスとしては不十分であることもある。

今回のような研究結果が多数報告されるようであればエビデンスとして確固たるものになる可能性はあるが、現段階では薬Aによって肺がんのリスクが高まると結論づける事は難しい。

新聞記事の内容に関しては報告された論文の内容を伝えており、誤っていると断定することはできない。

患者に回答・説明する際は不安を煽らないように工夫が必要である。

薬Aを中止するか否かは、医師にまずは相談する必要がある。患者の価値観も治療には重要であり、医師ときちんと相談し、納得した上で治療を行うべきである。

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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