病態・薬治

病態・薬治:医薬品の情報源(10問)

問1 研究者の研究内容を活字にしたもので、加工度は最も低くオリジナルな研究に基づく情報源をさすものを次の中から1つ選べ。

① 一次資料

② 二次資料

③ 三次資料

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正解は①でした!

【解説】

①正。 問題文の通り。一般的には雑誌論文や文献をさす。

②誤。 二次資料とは一次資料を効率的に探し出すことができるように加工したものである。情報を電子化し、データベースとして簡単に検索できるようになった。PubMedなどのデータベースが有名である。

③語。 収集した一次資料を用いて、特定の観点でまとめたもの。最も加工度は高い。医薬品の添付文書は三次資料に当たる。

 

問2 厚生労働省から発行される情報を次の中から1つ選べ。

① 緊急安全性情報

② ブルーレター

③ 医薬品・医療機器等安全性情報

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正解は③でした!

【解説】

①誤。 緊急安全性情報(ドクターレター、イエローレター)は製薬企業から発行される。厚生労働省は諮問機関である薬事・食品衛生審議会の検討内容に基づき作成の指示を製薬企業に出す。特に緊急の情報伝達が必要な場合に作成され、MRが医療機関に直接配布する。

②誤。 ブルーレターは製薬企業から発行される。厚生労働省は諮問機関である薬事・食品衛生審議会の検討内容に基づき作成の指示を製薬企業に出す。緊急性は比較的低いが重要な添付文書の改訂であり、迅速に医療従事者に注意喚起を行う必要がある場合に出される。

③正。 厚生労働省が薬事・食品衛生審議会で評価された医薬品副作用症例の紹介を中心に特に重要な副作用情報などを発行する。

 

問3 医薬品添付文書に記載しなければならないものではないものを1つ選べ。

① 薬効薬理

② 動物における臨床試験結果

③ 承認条件

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正解は②でした!

【解説】

①誤。 効果効能を裏付ける薬理作用および作用機序を記載する必要がある。

②正。 ヒトにおける臨床成績は記載する必要があるが、動物における試験の成績は記載する必要はない。

③誤。 承認に当たって、市販後調査などで試験の実施などの条件がある場合はその内容を記載しなければならない。

 

問4 医薬品添付文書の記載方法について、赤枠内に赤字で記載が義務付けられているものを1つ選べ。

① 警告

② 禁忌

③ 重篤な副作用

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正解は①でした!

【解説】

①正。 「警告」は、致死的または極めて重篤かつ非可逆的な副作用が発現する場合に赤枠内赤字で記載される。また、添付文書の右上の部分に赤色の帯が印刷される。

②誤。 「禁忌」は、医薬品を投与すべきでない患者を赤枠内黒字で記載する。

③誤。 「重大な副作用」は、通常の黒字で記載される。

 

問5 医薬品添付文書とインタビューフォームとで両方に当てはまるものではないものを1つ選べ。

① 製薬企業が作成する

② 改訂される

③ 法的規制を受ける

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正解は③でした!

【解説】

①誤。 医薬品添付文書もインタビューフォームもどちらも製薬企業が作成する。

②誤。 新たな知見が見出されることはあるため情報として改訂されないということはあり得ない。

③正。 医薬品添付文書は薬機法により規定されているが、インタビューフォームは法的規制を受けない。添付文書のように厳密ではないものの、記載要領は日本病院薬剤師会が策定している。

 

問6 下記の情報を調べる際、用いる情報源として正しい組み合わせを1つ選べ。

 用法用量配合変化一包化(分包)の可否
添付文書インタビューフォーム添付文書
添付文書添付文書インタビューフォーム
インタビューフォーム添付文書インタビューフォーム

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正解は①でした!

【解説】

用法用量は基本的には添付文書で確認するが、インタビューフォームでも確認できる場合が多い。

配合変化に関しては、添付文書にない情報であり、インタビューフォームの他剤との配合変化の項目を参照する必要がある。

一包化の可否については、添付文書に記載がある。特に製剤の性質上一包化してはならない場合は添付文書に記載がある。

分包したことで製剤同士の相互作用などが生じる場合(着色など)についてはインタビューフォームの製剤に関する項目で確認する必要がある。

 

問7 次の医薬品の文献の中で最も信頼性の高いものを1つ選べ。

① インターネットホームページ

② 商業誌

③ 学会誌

▽解答はこちら▽

正解は③でした!

【解説】

①誤。 インターネットホームページは手軽な検索方法ではあるが、専門家でない個人が作成することが多く信頼性は低い。

②誤。 商業誌は専門家に依頼して作成されているが、内容の審査がされているわけではないため信頼性はやや下がる。

③正。 学会が発行する雑誌であり、第三者による審査があるため信頼性はかなり高くなる。

 

問8 世界最大の医学分野(医学、薬学、歯学など)の文献のデータベースを1つ選べ。

① MEDLINE

② コクランライブラリー

③ Biological Abstracts

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正解は①でした!

【解説】

①正。 問題文の通り。文献情報ほか、論文要旨もデータ化されている。

②誤。 無作為比較試験を中心に、世界中の臨床試験のシステマティック・レビューを行い、その結果を提供している。

③誤。 生命科学分野での世界最大のデータベースである。医学分野ではMEDLINEの方が大きい。

 

問9 2007年3月に緊急安全性情報が配布されたが、その対象薬剤を1つ選べ。

① ラミクタール

② タミフル

③ プラザキサ

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正解は②でした!

【解説】

①誤。 ラミクタールは2015年2月に重篤な皮膚障害の報告に対するブルーレターが発行された。2014年9月〜2014年12月までの約4ヵ月の間に、重篤な皮膚障害から死亡に至った症例が4例報告された。これら4例はいずれも用法・用量が守られていない症例であった。これを機に「使用上の注意」の「警告」が改訂されることになった。

②正。 タミフル服用後の異常行動について、緊急安全性情報が発行された。これを機に10歳以上の未成年の患者に対してタミフルは実質投与禁忌となっていた。タミフルを投与していない場合でも異常行動の報告が見られたため2018年8月に異常行動についての警告が解除された。

③誤。 プラザキサは重篤な出血性の副作用の報告が相次ぎ、2011年8月にブルーレターが発行された。発売の2011年3月14日から2011年8月11日までの間に、重篤な出血性の副作用が81例報告された。そのうち、死亡例が5例報告された。これを機に、使用上の注意に「警告」を加えて注意喚起することになった。

 

問10 以下の問いに答えよ。

年齢28歳 授乳中 副鼻腔炎で耳鼻科を受診した女性に対してクラリスロマイシンが処方された。

患者は授乳を希望しており医師にも授乳していることを伝えていた。クラリスロマイシンは添付文書上では「ヒト母乳中に移行することが報告されているため授乳を避けさせること」と記載がある。

そのため薬剤師は医師に疑義照会を行い、授乳と薬物療法の両立の可否を確認した。医師からは授乳と薬物療法の両立を可とすると回答を得た。

薬剤師がこの患者に対して行うべき服薬指導の内容として適切でないものを1つ選べ。

① 添付文書上では授乳回避となっているため授乳を避けるよう指導した。

② 母乳に移行する割合、移行する量を調べて患者に伝えた。

③ 専門書やデータベースから授乳と薬物療法の両立は可能であると情報を得て患者にその旨を伝えた。

▽解答はこちら▽

正解は①でした!

【解説】

添付文書上で授乳回避となっているがゆえに画一的に授乳を避けることと服薬指導してしまうことは良くない。母乳育児のメリットを理解せず、闇雲に授乳を中断の指示をすることは母子ともに悪影響を及ぼす恐れがある。添付文書にはない情報をいかに探し、患者のために活用するかが問われている。

今回の場合について

クラリスロマイシンは確かに母乳に移行するがどれほど移行するかを確認する必要がある。

母乳移行割合を示す値としてM/P比が用いられる。この値が1を超えると母乳中に薬物が濃縮されることを意味する。また母乳を介して乳児が摂取する薬物量を表す指標にRIDがある。この値は概ね10未満であれば一般的に安全とみなされる。

Hale TW, Rowe HE. Medications and Mothers’ Milk. 17th edition 2017によるとクラリスロマイシンのM/P比は「>1」、RIDは「2.1」と記載がある。このデータからは母乳に濃縮されるが、乳児が母乳を介して摂取する量は極めて少なく、安全性は高いと言える。また、同書のクラリスロマイシンの評価としては5段階中最も安全である「L1」の評価がなされている。

また、別の書籍で、Briggs GG. Drugs in Pregnancy and Lactation, A Refarence Guide to Fetal and Neotatal Risk. 11th edition.2017でも、授乳と薬物療法の両立は可と評価されている。

国内の書籍でも検索は可能である。伊藤真也, 村島温子 編集 『薬物治療コンサルテーション 妊娠と授乳』や杉本充弘 編著 『妊婦・授乳婦の薬』などが参考になる。これらの書籍でもクラリスロマイシンに関して、授乳と薬物療法の両立は可能と評価されている。

これらの情報をもとに薬剤師として総合的に判断・評価し、クラリスロマイシンが母乳に移行するものの、その量は微量であり乳児に悪影響を及ぼすとは考えにくいこと、授乳と薬物療法の両立は可能であること、を伝えるとよい。

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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