衛生

衛生:化学物質による発がん(18問)

問1 発がん性物質のうち、エポキシドとなって発がん性を示すものはどれか。

①ジメチルニトロソアミン

②塩化ビニルモノマー

③Trp-P-2

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正解は②でした!

【解説】

塩化ビニルモノマーはシトクロムP450によってエポキシ化され、アルキル化剤として発がん性を示す。

ジメチルニトロソアミンはシトクロムP450によって水酸化されたあと脱メチル化され、メチルカチオンを生じて発がん性を示す。

Trp-P-2はシトクロムP450によってN-水酸化を受け、生成したヒドロキシルアミンがさらにエステル化され、それが活性本体となり発がん性を示す。

 

問2 シトクロムP450に関する記述のうち正しいものはどれか。

①シトクロムP450は代表的な加水分解酵素である。

②シトクロムP450はミクロソーム画分のみならず、ミトコンドリアにも存在している。

③シトクロムP450による酸化で生成した代謝物は、一般に元の化合物より極性が低い。

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正解は②でした!

【解説】

①誤。シトクロムP450は酸化反応や還元反応を行っている。

②正。

③誤。一般に酸素原子を添加することで極性を高くしている。

 

問3 抱合反応に関する記述のうち正しいものはどれか。

①アミノ酸抱合とアセチル化では、抱合を受ける異物の官能基が多くの場合共通している。

②イソニアジドはNAT2によってアセチル化される。

③グルタチオン抱合体は、加水分解されてグリシン抱合体を生成する。

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正解は②でした!

【解説】

①誤。アセチル抱合は主にアミノ基を抱合し、アミノ酸抱合は主にカルボキシ基を抱合する。

②正。NAT2は遺伝子多型があることに注意が必要である。

③誤。グルタチオン抱合体は加水分解されて、システイン抱合体を生成する。

 

問4 塩化ビニルがシトクロムP450による活性化を受ける際の反応はどれか。

①エポキシ化

②N-水酸化

③脱アルキル化

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正解は①でした!

【解説】

塩化ビニルやスチレンは主にCYP2E1によってエポキシ化を受けて活性化する。

 

問5 エポキシドヒドロラーゼが発がん性物質の代謝的活性化に関与するものはどれか。

①ベンゾ〔α〕ピレン

②アフラトキシンB1

③ニトロピレン

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正解は①でした!

【解説】

通常エポキシドヒドロラーゼは、エポキシドの解毒に関与するが、例外的にベンゾ〔α〕ピレンの代謝的活性化に関与する。

ベンゾ〔α〕ピレンは食品中の焦げなどに含まれる。

アフラトキシンB1はシトクロムP450によってエポキシ化される。

エポキシ化されたアフラトキシンB1 2,3-エポキシドはエポキシドヒドロラーゼによって解毒される。

 

問6 硝酸と第二級アミンからのニトロソアミンの生成が起こりやすいpHはどれか。

①pH1付近

②pH3付近

③pH7付近

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正解は②でした!

【解説】

亜硝酸と第二級アミンからのニトロソアミンの生成は、pHが3付近で最も起こりやすい。

通常胃のpHは1-2であるが、加齢に伴い胃酸の分泌は低下する。

それによって胃内pHが上昇することでニトロソアミンからのメチルカチオン生成が起こりやすくなり、胃がんリスクが上昇する。

 

問7 変異原性試験のうち遺伝子突然変異を調べるために行われるin vitro試験はどれか。

①Ames試験

②小核試験

③recアッセイ

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正解は①でした!

【解説】

Ames試験はネズミチフス菌株を用いてヒスチジン要求性株(his-)のヒスチジン非要求性株(his)への復帰突然変異(reverse mutation)での変異原性の有無及びその強さを調べる。

小核試験は変異原性試験のうち染色体異常を調べるためのもので哺乳類培養細胞を用いるものや、げっ歯類を用いるものがある。

recアッセイは細菌を用いてDNA修復を指標とする試験である。

 

問8 ネズミチフス菌株のうちフレームシフト型の菌株はどれか。

①TA98

②TA100

②TA102

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正解は①でした!

【解説】

TA98はフレームシフト型の菌株であり、TA100やTA102は塩基対置換型の菌株である。

よく問われるのはTA98とTA100なのでどちらか片方を覚えておこう。

 

問9 動物個体を用いる試験で、標的を赤血球系の細胞とし、染色体異常誘発性を検出する試験法はどれか。

①小核試験

②Ames試験

③コメットアッセイ

▽解答はこちら▽

正解は①でした!

【解説】

細胞分裂の前段階で赤芽球の核内で染色体異常が誘発され、染色体の切断が生じると、生じた断片は紡錘体に引き寄せられずに赤道面に取り残される。

その後、これらの断片も娘核と同様に核膜が形成され、小核となる。

赤血球を用いた試験では、分裂が完了した2つの赤芽球は脱核を経て赤血球になるが、主核と異なり小核は脱核しない。

 

問10 DNA修復を指標とする試験で大腸菌を用いた試験はどれか。

①recアッセイ

②polアッセイ

③コメットアッセイ

▽解答はこちら▽

正解は②でした!

【解説】

recアッセイは古草菌のDNA修復酵素欠損株(rec-)を用いて被験化学物質の致死感受性を調べ、DNA障害性を判定する。

polアッセイは大腸菌を用いて行う。

コメットアッセイは細胞をアガロースゲルに埋め込んで電気泳動を行ったときのDNA傷害性を評価する。

 

問11 DNAに不可逆的な損傷が起こり、複製にミスが起きることをなんというか。

①イニシエーション

②プロモーション

③ハイブリダイゼーション

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正解は①でした!

【解説】

DNAに不可逆的な損傷が起こり、複製にミスが起きることをイニシエーションといい、それを誘発するものを発がんイニシエーターという。

変異を受けた細胞が増殖し前がん細胞になる段階をプロモーションという。

ハイブリダイゼーションとは核酸の分子が相補的に複合体を形成することをいう。

 

問12 12-O-テトラデカノイルホルボール 13-アセテートの発がん部位として最も適切なものはどれか。

①皮膚

②胃

③大腸

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正解は①でした!

【解説】

クロトン油成分のホルボールエステルは、代表的な発がんプロモーターである。

胃の発がんプロモーターとして有名なものには食塩、大腸の発がんプロモーターとしては胆汁酸が知られている。

 

問13 フェノバルビタールがプロモーターとして働く際の発がん部位はどこか。

①皮膚

②肝

③大腸

▽解答はこちら▽

正解は②でした!

【解説】

フェバルビタールは肝臓の発がんプロモーターとして働く。

オカダ酸やホルボールエステルは皮膚の発がんプロモーターとして働き、胆汁酸は大腸の発がんプロモーターとして働く。

 

問14 主に膀胱がんを引き起こす発がん物質はどれか。

①アスベスト

②ベンジジン

③ビス(クロロメチル)エーテル

▽解答はこちら▽

正解は②でした!

【解説】

アスベストは肺がんや胸膜中皮腫を引き起こす。ビス(クロロメチル)エーテルも肺がんを引き起こす。

ベンジジンは膀胱がんを引き起こし、主に染料や顔料の製造に使用されている。

 

問15 次のうちがん抑制遺伝子はどれか。

①sis

②src

③BRCA1

▽解答はこちら▽

正解は③でした!

【解説】

がん遺伝子やがん抑制遺伝子は数多くの種類があるが、ほとんどの場合小文字表記されているものはがん遺伝子、大文字表記されているものはがん抑制遺伝子なので個々に覚える必要がないことを知っておこう。

 

問16 強力な発がんプロモーターとして知られている化学物質はどれか。

①アフラトキシンB1

②ジメチルニトロソアミン

③オカダ酸

▽解答はこちら▽

正解は③でした!

【解説】

アフラトキシンB1とジメチルニトロソアミンはDNAに作用することで発がんイニシエーターとして働く。

下痢性貝毒であるオカダ酸はプロテインホスファターゼを阻害し、細胞内情報伝達系で機能するリン酸化されたタンパク質の異常蓄積をもたらし、強力な発がんプロモーターとして作用する。

 

問17 次の発がん物質のうち、エポキシドとなって発がん性を発揮するのはどれか。

①塩化ビニルモノマー

②ジメチルニトロソアミン

③2-ナフチルアミン

▽解答はこちら▽

正解は①でした!

【解説】

塩化ビニルモノマーは、シトクロムP450によりエポキシ化を受け、アルキル化剤として核酸塩基を修飾し、肝血管肉腫を誘発する。

ジメチルニトロソアミンはシトクロムP450によりN-メチル基が水酸化され、脱アルキル化反応によりメチルアルデヒドを経てメチルカチオンを生じることで発がん性を示す。

2-ナフチルアミンは、シトクロムP450によるN-水酸化を受け生成したヒドロキシルアミンがさらにエステル化されたものが活性本体となり発がん性を示す。

 

問18 遺伝性乳がんの発症に関わる遺伝子はどれか。

①APC

②BRCA1

③VHL

▽解答はこちら▽

正解は②でした!

【解説】

BRCA1やBRCA2は遺伝性乳がん・卵巣がんに関わるがん抑制遺伝子である。これらの遺伝子に変異や組み換えが生じるとこのタンパク質が産生できなかったり正常な機能が失われたりすることで、DNAの損傷の修復がうまくいかなくなり発がんに至る。

詳しい解説やこれに関与する薬剤については以下の記事をご参照。

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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