1.中枢神経系

レルパックス(エレトリプタン)の作用機序と副作用【片頭痛】

今回は片頭痛治療薬として使用されるレルパックス(一般名:エレトリプタン)をご紹介します。

レルパックスはトリプタン製剤に分類されています。

 

片頭痛の発症メカニズムやレルパックス(エレトリプタン)の作用機序と副作用・特徴について紹介しています。

 

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片頭痛とは

片頭痛は日本人の約10%(約1000万人)に認められる疾患です。

年代としては20歳~40歳代、性別は女性に多いとされています(男:女=1:4)。

もしかしたら今ご覧の方々でも経験されたことがあるかもしれません。

 

症状としては

  • ズキズキと脈打つような痛み
  • 頭の片側に急に起こる
  • 一度発症すると4~72時間くらい持続する

が特徴的です。

その他にも吐き気や嘔吐を伴うこともあります。

 

人によっては前兆症状として

  • 目のちらつき(キラキラした感じ)
  • 視野が狭くなる
  • しびれ
  • 言語障害

といった症状が現れることもあります。

 

片頭痛を発症しやすい要因として、

  • ストレス
  • 睡眠不足
  • 高血圧
  • ホルモンバランスの乱れ

などが知られています。

 

片頭痛の原因:三叉神経血管説

片頭痛の原因は、明確には解明されていませんが、

  • 血管説(セロトニン説)
  • 神経説
  • 三叉神経血管説

などが提唱されています。

 

最近では、最も有力なのは「三叉神経血管説」と言われています。

三叉(さんさ)神経は顔面周辺に存在している、脳神経の中でも最も大きい神経です。

 

何らかの原因で三叉神経が刺激されると、「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」などの血管作動性物質が分泌されることが知られています。

CGRPは血管の拡張作用を有しているため、血管の過度な拡張によって周囲の神経が圧迫されて痛みを生じます。

その他にもCGRPは炎症反応を増強させたり、痛みを増強させる作用もあるため、このような作用によって片頭痛が引き起こされます。

 

このように血管の過度な拡張と炎症反応によって片頭痛が生じると考えられています。

 

片頭痛の治療

片頭痛の治療薬には、

  • 急性期治療薬(片頭痛の治療目的)
  • 予防薬(片頭痛の予防目的)

があります。

 

急性期治療薬 (片頭痛の治療目的)

今起こっている片頭痛を速やかに消失させる目的の薬です。

重症度に応じて、

  • 軽度~中等度:NSAIDsなど
  • 中等度~重度:トリプタン製剤

の使用が推奨されています。

ただし、軽度~中等度の頭痛でも、NSAIDsの効果が無い場合、トリプタン製剤に変更することもあります。

 

吐き気や嘔吐を併発している場合、制吐薬(プリンペランやナウゼリン等)を併用します。

 

予防薬 (片頭痛の予防目的)

症状が無い時に、原則、毎日服用することで発症を予防する薬です。

主に以下が用いられます。

  • カルシウム拮抗薬
  • 抗てんかん薬
  • β遮断薬
  • 抗うつ薬
  • 漢方薬

 

レルパックス(一般名:エレトリプタン)の作用機序

レルパックスはトリプタン製剤に分類されており、

  • セロトニン5HT1D受容体作用(刺激):三叉神経終末
  • セロトニン5HT1B受容体作用(刺激):血管内皮細胞

を有する薬剤です。

 

三叉神経終末にはセロトニン5HT1D受容体が存在していて、これが刺激されることでCGRPの分泌が抑制されることが知られています。

トリプタン製剤は三叉神経終末のセロトニン5HT1D受容体を刺激することでCGRPの分泌を抑制し、血管の過度な拡張や炎症・痛みを抑えると考えらえています。

 

また、トリプタン製剤が血管内皮細胞に存在するセロトニンHT1B受容体を刺激すると、「血管収縮」が引き起こされます。

この作用によって血管の過度な拡張が抑制され、片頭痛の痛みを抑制すると考えられています。

 

レルパックス(一般名:エレトリプタン)の副作用と注意事項

主な副作用として、

  • のどや胸の圧迫感、締め付け感
  • 息苦しさ
  • 悪心・嘔吐
  • めまい

などがあります。

特に圧迫感や息苦しさは服用後30分程で起こりやすいと言われています。

 

トリプタン製剤を含む片頭痛薬の使用が過多になってしまうと、薬を飲んでいるのに頭痛がするといった「薬物乱用頭痛」が発現する可能性があります。

従って、トリプタン製剤も使用頻度が多くならない(10回以内/月を目安)ように注意する必要があります。

 

レルパックス(一般名:エレトリプタン)の特徴

レルパックスの剤型は「錠剤」のみです。

レルパックス自体は効き目がほどほどに早く持続性もほどほどあるといった特徴があります。

 

その他、レルパックスはCYPで代謝される薬剤のため、同じくCYPで代謝されるHIVプロテアーゼ阻害薬との併用が禁忌です。

 

類薬とあとがき

2018年7月時点でのトリプタン製剤は5製品が販売されています。

以下に記事に特徴をまとめた表を作成ていますのでご参照ください。

 

以上、今回は片頭痛治療薬のトリプタン製剤であるレルパックス(一般名:エレトリプタン)の作用機序と特徴についてご紹介しました。

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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