5.内分泌・骨・代謝系

カナリア(テネリグリプチン/カナグリフロジン)の作用機序【糖尿病】

厚労省は2017年7月3日、「2型糖尿病(ただし、テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物及びカナグリフロジン水和物の併用による治療が適切と判断される場合に限る)」を効能・効果とする新医療用配合剤であるカナリア配合錠(一般名:テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物/カナグリフロジン水和物)を承認したと発表がありました!

 

カナリア配合錠は、SGLT2阻害薬の「カナグル」DPP-4阻害薬の「テネリアを配合した薬剤です。

二つの製品名の頭と、お尻の2文字「カナ」と「リア」を合わせて「カナリア」でしょうか。

覚えやすいですね☆

この組み合わせの薬剤は、国内初の配合剤となります!

カナリア配合錠は2017年8月30日に薬価収載されています。

 

今回は、DPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬の作用機序についてご紹介いたします^^

 

DPP-4阻害薬:テネリア(一般名:テネリグリプチン)の作用機序

血糖値を降下させる生体内ホルモンとしてインスリンがありますが、これは食事を取ること(血糖値が上がると体が感じた時)が合図となって分泌されます。

そしてこの時、インスリン分泌には消化管で産生されるインクレチンというホルモンが大きく寄与しています。

食事を取ることでインクレチンが分泌され、その働きによって膵臓からインスリン分泌が促進されます。

ただし、インクレチンはすぐに生体内の「DPP-4(“ディーピーピーフォー”と読みます)」という酵素で分解されてしまいます。

 

DPP-4阻害薬はこのインクレチンを分解するDPP-4を阻害することで、インクレチンの働きを維持させ、その結果、インスリン分泌が促進されて血糖値が降下する、といった作用機序を有しています。

 

SGLT2阻害薬:カナグル(一般名:カナグリフロジン)の作用機序

通常、血中のブドウ糖は尿中に排泄されません。

その理由として、腎臓の糸球体でろ過された原尿には、血漿と同じ濃度のブドウ糖が含まれていますが、近位尿細管で実に99%以上のブドウ糖が再吸収されます。

 

ようするに、一旦はブドウ糖は糸球体で原尿へ濾過されるももの、そのほとんどが再吸収されて体内(血中)に戻ってきてしまいます。

この原尿中のブドウ糖再吸収を行うトランスポーターは「SGLT2(Sodium-Glucose Transporter 2)」と呼ばれています。

 

SGLT2阻害薬はブドウ糖再吸収に関与するトランスポーターのSGLT2を阻害することで、ブドウ糖の再吸収を抑制する薬剤です。

 

つまり、SGLT2阻害剤は糖の再吸収を抑える(=糖の排泄を促進する)ことで血糖を低下させるといった作用機序を有しています。

 

このようにSGLT2阻害薬はインスリン作用を介さないため、低血糖や体重増加・肥満といった副作用が発現しにくいといわれています。

 

カナリア配合錠(一般名:テネリグリプチン/カナグリフロジン)の作用機序と特徴

カナリア配合錠は上記のような作用機序の異なるDPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬を配合した国内初の配合剤です。

DPP-4阻害による「インスリン分泌促進」と、SGLT2阻害による「ブドウ糖の排泄促進」によって、血糖値を下げるといった作用機序です!

 

通常、1日1回1錠を朝食前または朝食後に服用します。

 

日常臨床では、DPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬を併用するケースもあると思いますが、患者さんにとっては1錠にまとまりますので、コンプライアンスの向上に寄与できるかと考えます♪

 

カナリア配合錠(一般名:テネリグリプチン/カナグリフロジン)の薬価

収載時(2017年8月30日時点)の薬価は以下の通りです。

  • 1錠:300.30円

 

以上、本日は国内初のDPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬の配合剤であるカナリア配合錠についてご紹介いたしました☆

 

2018年2月追記:
DPP-4阻害薬の一覧をまとめました。

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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