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【肺がん】ザーコリカプセル

2018/02/22

 

厚労省は2017年5月18日、「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とするザーコリカプセル200mg、同250mg(一般名:クリゾチニブ)の効能効果追加を承認したと発表がありました!

 

ザーコリは既に「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に適応を有していましたが、今回ROS1遺伝子陽性も追加されました!

 

本日は肺がんとザーコリの作用機序についてご紹介いたします☆

 

肺がんは組織型によって“小細胞肺がん”と“非小細胞肺がん”に分類されています。

また、肺がんの国内罹患数10万人弱のうち非小細胞肺がんは約8割といわれています。

がんの診断時に転移のある患者さんでは、基本的には手術ができず(切除不能)、薬物療法の適応となります。

そして、切除不能な非小細胞肺がんではEGFR(イージーエフアールと読みます)遺伝子の変異や、ALK(アルク、もしくはエーエルケーと読みます)遺伝子変異ROS1(ロスワンと読みます)遺伝子変異が認められることがあります。

 

割合としてはEGFR遺伝子変異が最も多く、約40%~50%を占めています。

その場合、「イレッサ(一般名:ゲフェチニブ)」や「タルセバ(一般名:エルロチニブ)」といった分子標的治療薬が適応となり、優れた治療効果が認められています。

 

一方、ALK遺伝子の変異陽性率は2~5%ROS1遺伝子の変異陽性率は1%と言われています。

遺伝子に変異があるかどうかの検査の優先順位は、EGFR → ALK → ROS1 の順です。

全てに変異がない場合には抗がん剤が適応となります。

 

ALK遺伝子やROS1遺伝子の変異が生じると、各遺伝子の機能が正常に働かず、がん細胞の成長を促進する可能性があります。

 

本日ご紹介するザーコリは、変異したALKやROS1に特異的に結合し、その働きを抑制することで、がん細胞の増殖を抑制する、といった作用機序を有している分子標的治療薬です。

 

ALK遺伝子変異に使用できる薬剤としては既にアレセンサカプセル(一般名:アレクチニブ塩酸塩)があり、ザーコリよりも優れた治療効果が認められていますが、アレセンサはROS1遺伝子変異には使用できません。

 

以上のように、肺がんでは、患者さんの個別の遺伝子変異によって、患者さんに最適な様々な薬剤が使い分けられています。

このような個別医療のことを“プレシジョンメディシン”と呼び、今後、他の癌腫や他疾患にも広がっていくものと予想されます。

 

以上、本日はザーコリと肺がん、そしてプレシジョンメディシンについてご紹介いたしました♪

 
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