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スマイラフ(ペフィシチニブ)の作用機序・類薬との違い【関節リウマチ】

更新日:

2019年2月22日、厚労省の薬食審・医薬品第二部会は「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品のスマイラフ錠50mg、同錠100mg(一般名:ペフィシチニブ臭化水素酸塩)の承認を了承しました!

現時点では未承認のためご注意ください。

基本情報

製品名スマイラフ錠
一般名ペフィシチニブ臭化水素酸塩
製品名の由来
製造販売アステラス製薬(株)
効能・効果既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
用法・用量ペフィシチニブとして150mgを1日1回食後に経口投与する。
なお、患者の状態に応じて100mgを1日1回投与できる。
収載時の薬価薬価未収載

 

スマイラフはJAK阻害薬に分類されていますが、関節リウマチに使用するJAK阻害薬としては以下に次いで3製品目となりますね。

 

本日は関節リウマチとスマイラフ(ペフィシチニブ)の作用機序とエビデンス、そして上記2製品との違いや比較についてご紹介します☆

 

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関節リウマチとは

一般に、骨や関節、筋肉などが全身的な炎症を伴って侵される病気を総称して「リウマチ性疾患」といいます。

 

このうち、関節に炎症が続いて、関節が徐々に破壊され、やがて機能障害を起こす疾患のことを「関節リウマチ」と呼んでいます。

 

関節リウマチの特徴的な症状は「関節の腫れ」で、最も発現しやすい部位は、手首手足の指の関節です。

また、関節リウマチの症状は「対称性」といって、左右両側の関節に発現することが多いのが特徴です。

 

関節リウマチの原因

関節リウマチの明確な発症原因は不明確ですが、

  • 遺伝的素因
  • 環境要因(ストレス、食生活、肥満等)

などによって、免疫機能が異常になることで発症すると考えられています。

 

免疫系が異常に活動する結果として、関節滑膜組織にリンパ球、マクロファージなどの白血球がでてきます。

このリンパ球やマクロファージが産生するサイトカイン(TNFα、IL-6など)と呼ばれる物質の作用により関節内に炎症反応が引き起こされると考えられています。

 

特に、IL-6は関節リウマチ患者の血清中および滑液中に最も多く認められるサイトカインで、IL-6のレベルは疾患活動性および関節破壊と相関すると言われています。

 

関節リウマチの治療

治療には通常、痛みを抑えるNSAIDsや炎症を抑えるステロイド抗リウマチ薬(DMARD:“ディーマード”と読みます)が使用されます。

これらの薬剤を使用しても進行が抑えられない場合、生物化学的製剤や今回ご紹介するスマイラフが使用されます。

 

生物学的製剤は細胞の外で作用するのに対し、スマイラフは細胞の中(細胞内)で作用する薬剤です。

 

生物学的製剤についてはまとめ記事をご参考ください。

 

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スマイラフ(一般名:ペフィシチニブ)の作用機序

炎症性サイトカインであるTNFαやIL-6、IL-2等が炎症を引き起こす際、それらが各受容体に結合して刺激が核に伝えられます。

各受容体には「ヤヌスキナーゼ(JAK:“ジャック”)」と呼ばれるタンパク質が付随していて、JAKを介してシグナルが核へと届けられます。

核内に刺激が到達すると、炎症反応が引き起こされ、関節リウマチが進行してしまいます。

 

スマイラフは各受容体の細胞内に存在しているJAKを選択的に阻害する薬剤です。

JAKを阻害することで、TNFαやIL-6による刺激が核に伝わるのを遮断して炎症を抑え、関節リウマチの進行を抑制すると考えられています。

スマイラフ(ペフィシチニブ)の作用機序

 

エビデンス紹介:国内第Ⅲ相試験のRAJ3試験とRAJ4試験

根拠となった臨床試験には国内の2つの第Ⅲ相臨床試験があります。1)

  • RAJ3試験:DMARDsで効果不十分な関節リウマチ患者さんに対するスマイラフとプラセボの比較試験(DMARDs併用もしくは非併用)
  • RAJ4試験:メトトレキサート(MTX)で効果不十分な関節リウマチ患者さんに対するスマイラフとプラセボの比較試験(いずれもMTX併用)

 

しかし現時点では学会・論文未発表情報です。

 

メーカーのニュースリリースでは両試験共に主要評価項目が達成されたと掲載されていました。

 

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用法・用量

ペフィシチニブとして150mgを1日1回食後に経口投与します。なお、患者さんの状態に応じて100mgを1日1回投与と減量することが可能です。

 

副作用

後日更新予定です。

 

JAK阻害薬の代表的な副作用として、上気道感染、帯状疱疹、LDLコレステロール上昇などが報告されています。

特に結核、肺炎、敗血症、ウイルス感染などの重篤な感染症が発現する可能性もあるため、特に注意が必要です。

 

スマイラフとゼルヤンツ/オルミエントとの違い・比較

JAKが関与する代表的なサイトカインの受容体としては以下が知られています。2)

サイトカイン関与するJAK
IL-2、IL-4、IL-7、
IL-9、IL-15
JAK1、JAK3
IL-6JAK1、JAK2
IFN-αJAK1
IFN-γJAK1、JAK2
G-SCFJAK1、JAK2

 

各JAKへの選択性として、

を選択的に阻害することが知られています。3-4)

 

新薬情報
作用機序の違いが有効性や安全性にどう影響するのかは明らかではありませんので、今後の検討が必要かと考えます。

 

その他、効能・効果や用法・用量にも少し違いがありますので、以下に比較表としてまとめてみました☆

製品名
(一般名)
ゼルヤンツ
(トファシチニブ)
オルミエント
(バリシチニブ)
スマイラフ
(ペフィシチニブ)
販売開始年2013年2017年2019年予定
効能・効果(略)関節リウマチ
潰瘍性大腸炎
関節リウマチ関節リウマチ
用法・用量
(関節リウマチの場合)
1日2回経口投与1日1回経口投与1日1回経口投与
作用機序JAK1とJAK3を阻害JAK1とJAK2を阻害JAK1とJAK3を阻害
臓器機能に関する禁忌項目重度の肝機能障害重度の腎機能障害不明
併用注意薬CYP3A4阻害剤、
CYP3A4誘導剤、
フルコナゾール
プロベネシド不明

 

新薬情報
スマイラフが正式承認されましたら、もう少し詳しく考察してみたいと思います。

 

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薬価

現時点では未承認かつ薬価未収載です。

 

まとめ

スマイラフはこんな薬

  • JAK1とJAK3を選択的に阻害するJAK阻害薬
  • 1日1回の経口投与
  • 類薬にはゼルヤンツとオルミエントがある
  • 重篤な感染症には注意が必要

 

DMARDsで効果不十分な関節リウマチではこれらJAK阻害薬もしくは生物学的製剤の使用が検討されますが、優先順位等は明確に定められていません。

オルミエントでは生物学的製剤のヒュミラ(一般名:アダリムマブ)と直接比較した第Ⅲ相臨床試験5)(以下の記事で紹介しています)も報告されていますので、今後同様の検討が進めば興味深いと感じますね。

 

以上、今回は関節リウマチに使用する新規のJAK阻害薬のスマイラフ(ペフィシチニブ)と類薬の違い・比較についてご紹介しました!

 

生物学的製剤のまとも記事も是非ご覧ください。

 

参考になったらシェアいただけると嬉しいです!








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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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