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オレンシア(アバタセプト)の作用機序【若年性特発性関節炎】

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厚労省は2018年2月23日、「既存治療で効果不十分な多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品のオレンシア点滴静注用250mg(一般名:アバタセプト(遺伝子組換え))を承認したと発表がありました。

 

オレンシアには「皮下注製剤」と「点滴静注製剤」があり、共に「関節リウマチ(既存治療で効果不十分な場合に限る)」の効能・効果を有していましたが、今回、「点滴静注製剤」にのみ適応が追加されました。

 

今回は若年性特発性関節炎オレンシア(アバタセプト)の作用機序についてご紹介します。

 

若年性特発性関節炎とは

若年性特発性関節炎(JIA:juvenile idiopathic arthritis)とは、
16歳未満(→若年性)に発症し、原因不明(→特発性)関節炎症状が6週間以上続く疾患です。

一般に、骨や関節、筋肉などが全身的な炎症を伴って侵される病気を総称して「リウマチ性疾患」といいますが、子供のリウマチ性疾患の中で最も多く見られるのが若年性特発性関節炎です。

昔は「若年性関節リウマチ」と呼ばれていました。

 

若年性特発性関節炎の症状とタイプ

特徴的な症状は「関節の腫れ」で、発現しやすい部位は、手首手足の指の関節です。

また、関節の腫れに加え、発熱を繰り返したり、皮疹が発現したりすることもあります。

 

若年性特発性関節炎は症状によって、

  • 全身型:最も多く、発熱や皮疹を呈する
  • 少関節炎型:膝などの大きい関節に発現する
  • 多関節炎型:手首や手足の指の関節に発現する

に分類されています。

 

発症メカニズム

発症メカニズムは明確には不明ですが、免疫系の異常が考えられています。

免疫系が異常に活動する結果として、関節滑膜組織にT細胞などのリンパ球、マクロファージなどが集まってきます。

このT細胞やマクロファージが産生するサイトカイン(TNFα、IL-2、IL-6など)と呼ばれる物質の作用により関節内に炎症反応が引き起こされると考えられています。

 

通常、抗原提示細胞の「CD80/86」がT細胞の「CTLA-4」に結合することで、T細胞の活性が抑制されています。

 

しかし、免疫反応が活発になると、抗原提示細胞の「CD80/86」がT細胞の「CD28」に結合し、T細胞を活性化します。

活性化したT細胞はTNFαやIL-2を産生し、マクロファージの活性化も促すため、炎症反応が引き起こされます。

 

若年性特発性関節炎の治療

治療には通常、
痛みを抑えるNSAIDsや、メトトレキサートに炎症を抑えるステロイドを併用した治療が行われます。

これらの薬剤を使用しても進行が抑えられない場合、今回ご紹介するオレンシアなどの生物化学的製剤が使用されます。

 

オレンシア(一般名:アバタセプト)の作用機序

オレンシアは、「ヒトCTLA-4受容体部分」とヒトIgG抗体の「Fc領域(定常領域)」を組み合わせたタンパク製剤です。

 

オレンシアは抗原提示細胞の「CD80/86」に結合することで、T細胞の「CD28」との結合を解除させ、活性化したT細胞の働きを抑制することができます。

 

CD80/86への結合力は、「CTLA-4」が「CD28」と比較して10倍以上強いことから、競合的にCD28への結合を阻害することができます。

 

上記、作用機序によって、T細胞の活性が抑制され、炎症反応を抑えると考えられます。

 

類薬

若年性特発性関節炎に適応を有する類薬としては、

などがあります。

 

あとがき

オレンシアには「皮下注製剤」と「点滴静注製剤」がありますが、今回の適応追加は「点滴静注製剤」のみですのでご注意ください。

 

既にいくつかの生物学的製剤が販売されていますので、今後はオレンシアとの使い分け等が検討されれば興味深いと感じました。

治療選択肢が増えたことは朗報ではないでしょうか。

 

以上、今回は若年性特発性関節炎とオレンシア(アバタセプト)の作用機序についてご紹介しました。

 

<2018年4月10日追記>
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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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