5.内分泌・骨・代謝系 疾患・作用機序まとめ ☆治験募集

【変形性関節症(OA)】NSAIDs・ヒアルロン酸の作用機序と治験の募集

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今回の記事では高齢者に多い「変形性関節症(OA:osteoarthritis)」の病態や症状、治療法について解説いたします。

 

また、使用されることの多いNSAIDsヒアルロン酸製剤の作用機序や薬剤の一覧、新規の薬剤候補の治験の募集についてもご紹介しています☆

 

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変形性関節症(OA)の病態

変形性関節症は加齢とともに発症しやすくなり、様々な関節に痛みを生じます。

場合によってはQOLが大きく低下するため、早期の発見・治療が重要です。

 

通常、関節の骨と骨の間には「軟骨」と呼ばれる組織があり、クッションの役割を担っています。

関節の骨に力が加わっても、軟骨によって力が分散され、関節の滑らかな動きを可能にしてくれています。(潤滑性)

 

しかし、加齢や外傷・関節炎、肥満等によって軟骨がすり減ったり、十分な機能を果たせなくなったりすると、関節が滑らかに動かなくなってしまいます。

そのため、関節の骨と骨の間に大きな摩擦が生じ、炎症を誘発し、痛みが発生します。

 

変形性関節症が悪化していくと、関節の骨自体も変形し、動かせる範囲が狭くなってしまいます。

変形性関節症(OA)の分類としては以下の2種類がありますが、多くは「一次性OA」です。

  • 一次性OA:原疾患が明らかではないもの
  • 二次性OA:原疾患が明らかなもの(例:関節リウマチ、外傷、内分泌疾患等が原因で発症したもの)

 

特に一次性OAは女性に多いとされていますが、これは男性と比べて女性は筋肉量が少なく、関節への負担が多いことが原因であると考えられます。

 

変形性関節症(OA)の症状と部位

変形性関節症の症状としては、

  • 関節の疼痛
  • こわばり感(引っかかり感)
  • 可動域が狭くなる
  • 関節の違和感

などがあります。

 

進行してしまうと、関節運動が高度に制限された「強直」を生じてしまうこともあるため、早めの診断・治療が重要です。

 

部位としては全身の関節に発症しますが、特に体重の負荷がある「膝」、「股」、「腰」が好発部位です。 仕事や生活上、肩や肘を多く使う方では肩関節肘関節に発症することもあります。

 

変形性関節症(OA)の治療

治療の基本としては、

  • 生活指導・運動療法
  • 薬物療法

などが挙げられます。

 

生活指導では、肥満の改善や関節に負担のかけない動作の指導などが行われます。

運動療法では関節に負担をかけすぎない簡単なストレッチやウォーキングを行うことで筋肉量を増やし、関節の動作性向上を図ります。

 

これらと並行して以下のような薬物療法が行われることもあります。

  • NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の処方
  • ヒアルロン酸製剤の関節内投与
  • ステロイド薬の関節内投与

 

患者さんの症状や希望に応じて、上記の薬物治療が併用される場合もあります。

これらを行なっても改善しない場合、手術が行われることもあります。

 

ここではNSAIDsとヒアルロン酸製剤の作用機序を紹介します^^

 

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NSAIDsの作用機序と一覧表

NSAIDs(“エヌセイズ”と読みます)は、疼痛抑制と関節の炎症抑制の目的で使用されます。

 

炎症や疼痛を引き起こす物質として「プロスタグランジン(PG)」がありますが、これはアラキドン酸から「シクロオキシゲナーゼ(COX(“コックス”と読みます))」によって合成されます。

 

COXにはCOX-1とCOX-2があり、それぞれで合成されるPGの働きは異なっています。

  • COX-1:胃粘膜保護、腎機能維持といった生理機能維持のPGの合成
  • COX-2:炎症・疼痛を引き起こすPGの合成

 

NSAIDsはCOXを阻害することで炎症・疼痛に関わるPGの合成を抑制し、炎症・疼痛を抑制させるといった作用機序を有しています。

 

またNSAIDsには下表のように、COX非選択的(COX-1とCOX-2を共に阻害)な薬剤と、COX-2選択的な薬剤があります。(下表が全てではありません)

選択性分類主な薬剤例(一般名)
COX-2選択性オキシカム系メロキシカム
アリール酢酸系エトドラク
コキシブ系セレコキシブ
COX非選択性プロピオン酸系ロキソプロフェン
ナプロキセン
フルルビプロフェン
イブプロフェン
ザルトプロフェン
オキシカム系メロキシカム
ロルノキシカム
ピロキシカム
アリール酢酸系ジクロフェナク
アンフェナク
ナブメトン
スリンダク
アセメタシン
インドメタシン
フェナム酸系メフェナム酸
フルフェナム酸

 

NSAIDsは長期に使用するとCOX-1の阻害による副作用(消化管障害)発生の可能性が高くなることが考えられますので、副作用を避けるために、COX-2選択的NSAIDsが使われることもあります。

 

ヒアルロン酸製剤の作用機序

ヒアルロン酸は軟骨の保護や潤滑作用、保湿作用などを有する物質で、生体内にも多く存在しています。

最近では、化粧品にも保湿成分として含まれていますよね。

 

変形性関節症では軟骨のヒアルロン酸が減ってしまっており、それによって関節の摩擦が生じています。

関節内に投与されたヒアルロン酸は、

  • 軟骨表面の被覆、保護
  • 潤滑性能の向上

などの効果を持つことが確認されています。

 

また、ヒアルロン酸製剤は「膝関節」や「肩関節」には使用できますが、「肘関節」や「股関節」には使用することができませんのでご注意ください。

 

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変形性関節症の治験のご紹介

今回は新規の薬剤候補の治験をご紹介しています。

 

この治験は、 変形性関節症の疑いがあり、日常生活の中で

  • 肩の関節
  • 肘(ひじ)の関節
  • 股(足の付け根)の関節

のいずれかに痛みがある方に参加をお願いしています。

※肩の関節に関しては現在、募集を一時停止しております。

 

本治験の主な目的は、 治験薬の変形性関節症に対する効果や安全性を調べることです。

 

これまでに、変形性関節症の診断がない方も、既に治療中の方もご応募頂けます。

治験参加期間は約13週間、来院回数は9~10回を予定しております。

 

もしご参加希望の方がいらっしゃれば下記の応募フォーマットから必要事項をご記入の上、ご応募ください。

治験応募フォーマット

 

※治験への参加について

  • 負担軽減を目的として、1通院あたり7,000~10,000円程度を受け取ることができます。
  • 治験薬についての医療費負担はございません(治験薬以外の保険診療部分への医療費負担はございます)。
  • 応募後、同意の撤回も可能です。
  • 全国の指定された医療機関にて治験をスタートして頂きます。
  • 治験実施医療機関で変形性関節症と診断されなかった場合や、その他医師の判断によりご参加いただけない場合もありますので、予めご了承ください。

 

あとがき

変形性関節症は加齢とともに生じ、QOLを低下させてしまう可能性がある疾患です。

 

初期には痛みなどが軽度なことから、病院を受診される方は少なく、発見が遅れることもしばしばあります。

 

もし関節に違和感や痛み等がありましたら早めに受診し、早期発見・早期治療を行うことをおススメします。

初期からしっかりと治療を行えばQOLを損なうことなく日常生活を送ることも可能です。

 

以上、今回は変形性関節症とNSAIDsとヒアルロン酸製剤の作用機序等についてご紹介しました☆

治験応募フォーマット

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

大阪薬科大学 卒。外資系製薬メーカー(MR)、薬剤師国家試験予備校講師、調剤薬局薬剤師を経て現在に至る。今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師です。薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。FP資格あり。

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