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アイクルシグ(ポナチニブ)の作用機序【CML】

厚労省は2016年9月28日、「前治療薬に抵抗性または不耐容の慢性骨髄性白血病」および「再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病」に対するアイクルシグ錠15mg(一般名:ポナチニブ塩酸塩)を承認したと発表がありました!

アイクルシグはこれまでのBCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬で抵抗を示した患者さんに対しても効果が期待されています。

 

今回は慢性骨髄性白血病とアイクルシグ(ポナチニブ)の作用機序についてご紹介します☆

 

慢性骨髄性白血病とは

白血病は「血液のがん」です。

血液細胞には、白血球(好中球、好酸球、好塩基球)、赤血球、リンパ球等がありますが、これら血液細胞の異常化(腫瘍化=がん化)によって引き起こされる病気が白血病です。

慢性骨髄性白血病は、白血球の中でも「好中球」が腫瘍化する疾患です。

この腫瘍化した好中球を「白血病細胞」と呼びます。

初期症状は無症状であることが多く、健康診断等で発見されることがあります。

進行すると、発熱や体重減少、骨痛等を認めることがあります。

 

また、慢性骨髄性白血病は、通常の細胞には存在しない“フィラデルフィア(Ph)染色体”が何らかの原因で産生されることによって生じることが知られています。

このPh染色体から産生されるBCR-ABL(ビーシーアール エイブル)チロシンキナーゼと呼ばれるタンパク質にATPが結合すると活性化し、好中球の腫瘍化と増殖活性が引き起こされます。

 

慢性骨髄性白血病の治療と耐性

慢性骨髄性白血病では、原因となっているBCR-ABLチロシンキナーゼを阻害する以下の「BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)」によって治療を行います。

 

チロシンキナーゼの活性を抑制することで、白血病細胞の活性抑制・増殖抑制によって、抗腫瘍効果を発揮します!

 

TKIの登場によって慢性骨髄性白血病の治療成績は劇的に改善しました。

しかし、一部の患者さんではTKIに抵抗性(耐性)が生じることが知られています。

最も多い耐性機序としては、BCR-ABLチロシンキナーゼに「T315I」と呼ばれる変異が生じ、TKIが結合できなくなってしまいます。

そうすることで再び白血病細胞が再活性化し、増殖が促進されてしまいます。

この場合、治療選択肢が限られてしまい、予後は不良でした。

アイクルシグ(一般名:ポナチニブ)の作用機序

アイクルシグはT315I変異が生じたBCR-ABLチロシンキナーゼを特異的に阻害する薬剤です。

 

再びBCR-ABLチロシンキナーゼを阻害できるため、白血病細胞の活性抑制・増殖抑制が可能となります。

 

あとがき

これまで、BCR-ABLチロシンキナーゼが変異して耐性が生じた患者さんに対して効果的な薬剤はありませんでした。

アイクルシグによって、耐性が生じた患者さんにも効果が期待できる薬剤が登場したことは朗報ではないでしょうか。

 

以上、今回は慢性骨髄性白血病とアイクルシグ(ポナチニブ)の作用機序についてご紹介しました。

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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