10.皮膚・骨格筋

リティンパ耳科用(トラフェルミン)の作用機序【鼓膜穿孔】

更新日:

リティンパ耳科用(トラフェルミン)とは、「鼓膜穿孔」を対象疾患とする初の医薬品で、2019年8月1日の厚労省薬食審・医薬品第一部会にて承認が了承されました!

現時点では未承認のためご注意ください。

基本情報

製品名リティンパ耳科用250μgセット
一般名トラフェルミン(遺伝子組換え)
製品名の由来不明
製造販売ノーベルファーマ(株)
効能・効果鼓膜穿孔(予定)
用法・用量記事内参照
収載時の薬価未承認・薬価未収載

 

有効成分のトラフェルミンはヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor:bFGF)で、既に以下の医薬品が承認・販売されています。

  • リグロス歯科用液キット:歯周炎による歯槽骨の欠損
  • フィブラストスプレー:褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)

 

これまで鼓膜穿孔に有効な治療薬はなく、経過観察もしくは手術が一般的でした。

 

木元 貴祥
リティンパは溶剤を浸したゼラチンスポンジを耳に詰めることで鼓膜再生までの期間を短縮できると考えられていますね。

 

今回は鼓膜穿孔とリティンパの作用機序についてご紹介します。

 


音の認識と鼓膜の役割

耳の構造は大きく分けて

  • 外耳(がいじ)
  • 中耳(ちゅうじ)
  • 内耳(ないじ)

の3つの部位から成り立っています。

 

鼓膜は外耳道の奥の中耳との境にある半透明の薄い膜状の器官で、空気中の音を捉える役割をしています。音を捉えた鼓膜が振動することで、音を振動として中耳に伝達していきます。

 

その後、振動は中耳⇒内耳⇒蝸牛(かぎゅう)へと伝達され、最終的には感覚細胞によって電気信号に変換された後に大脳へと伝わります。

 

木元 貴祥
大脳へ電気信号が到達して初めて我々は「音」を認識することができるわけですね。

 

このように最初に音を振動として捉えることのできる鼓膜は音の認識に非常に重要な器官というわけです。

 

鼓膜穿孔の症状・治療

鼓膜穿孔とは、その名の通り、鼓膜に穴が開いてしまった状態です。

原因としては怪我が最も多く、次いで中耳炎などの感染症だと言われています。1)

 

木元 貴祥
怪我で鼓膜が破れた・・・小学生の頃によく聞いたことがありますねよ。。今はあまりないかもしれませんが・・

 

綿棒を突っ込み過ぎた、耳に平手打ちされた、気圧の変化、ボールが耳に当たった、等々、怪我の原因は様々です。

穴が開いてしまうと急に痛みが生じ、出血・難聴・耳鳴りを呈することもあります。

 

通常、鼓膜は自然に治ります(1~2カ月程)。しかし穴が大きすぎる場合や2カ月経過しても自然に治らない場合、手術による修復が必要となることもあります。

 

感染症に起因する場合や膿が溜まっている場合には抗菌薬等が投与されることもあります。

 

リティンパ(トラフェルミン)の作用機序

リティンパはヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor:bFGF)製剤で、鼓膜穿孔に対する初の医薬品です!

読み方:bFGF=ビーエフジーエフ

 

bFGFは通常の生体内にも存在していて、細胞の修復活性や血管修復(血管新生)作用等を担う因子です。

 

木元 貴祥
創傷治癒を促すのがbFGFという認識ですね!

 

リティンパは製品に添付されているゼラチンスポンジに、トラフェルミン(bFGF)の薬液を浸して鼓膜に詰めて使用します。

リティンパ耳科用(トラフェルミン)の作用機序:bFGFによる鼓膜再生・修復

ゼラチンスポンジの大きさや個数等は不明のため私の想像

 

bFGFの作用により穴の開いた鼓膜の再生・修復が促され、通常よりも早く鼓膜が回復すると期待されています。

 

エビデンス紹介

後日更新予定です。

 

用法・用量

鼓膜用ゼラチンスポンジに100μg/mLトラフェルミン(遺伝子組換え)溶液全量を浸潤させて成形し、鼓膜穿孔縁の新鮮創化後、鼓膜穿孔部を隙間なく塞ぐように留置します。

 

副作用

後日更新予定です。

 

薬価

現時点では未承認かつ薬価未収載です。

 

まとめ・あとがき

リティンパはこんな薬

  • ヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor:bFGF)製剤
  • ゼラチンスポンジをbFGFの薬液に浸して鼓膜に詰める
  • bFGFの細胞修復・血管新生作用等により鼓膜の再生が促される

 

鼓膜穿孔に対する治療法としては自然経過か手術しかありませんでしたが、リティンパは初の治療薬として登場する見込みです。

 

木元 貴祥
今後は鼓膜穿孔の程度に合わせて自然経過かリティンパか手術か、等の検討が進めば興味深いと感じますね。

 

以上、今回は鼓膜穿孔とリティンパ(トラフェルミン)の作用機序について解説しました。

 

引用論文・資料等

  1. MSDマニュアル家庭版|鼓膜穿孔

薬剤師副業解禁!実体験してみたおすすめの働き方4選を解説

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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