8.感染症

ラスビック(ラスクフロキサシン)の作用機序・特徴【細菌感染】

投稿日:

2019年8月23日、厚労省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会にて新規ニューキノロン系抗菌薬のラスビック錠(ラスクフロキサシン)の承認可否が審議される予定です!

現時点では未承認のためご注意ください。

基本情報

製品名ラスビック錠75mg
一般名ラスクフロキサシン塩酸塩
製品名の由来
製造販売杏林製薬(株)
効能・効果未定
用法・用量未定:1日1回経口投与?
収載時の薬価薬価未収載

 

木元 貴祥
ニューキノロン系経口抗菌薬の新薬は、2007年発売のジェニナック錠(ガレノキサシン)、2008年発売のグレースビット錠(シタフロキサシン)以来でしょうか・・・10年以上ぶり・・・。

 

今回は細菌とラスビック(ラスクフロキサシン)の作用機序についてご紹介します。

 


細菌の構造と分類(グラム染色)

細菌はヒトを含む真核生物と比較して非常に単純な構造から成り立っています。

主には、鞭毛、莢膜、細胞壁、細胞膜、細胞質などから構成されており、DNAは核膜に覆われていません。(真核生物のDNAは核膜に覆われている)

 

特に細胞壁の合成では「ペニシリン結合タンパク質(PBP)」が関与しており、細菌の細胞壁内に存在していますが、これはヒトには存在していません。

 

また、細菌を分類する手法としてグラム染色が知られており、以下に大別されます。

  • グラム陽性菌(例:黄色ブドウ球菌、MRSA
  • グラム陰性菌(例:大腸菌)

 

木元 貴祥
これは細胞壁の厚さや性質による分類法です。

 

グラム陽性菌では細胞壁が厚いため色素が抜けずに染色されたままになります。

一方、グラム陰性菌は細胞壁が薄いため、染色しても色素が抜けてしまいます。

 

臨床的にもグラム陽性か陰性かによって薬剤の感受性や耐性機序等が異なるため、重要な分類法となります。

ちなみに、PBPに関与する抗菌剤としてはセフェム系がありますね。ご興味があれば以下の記事をご覧ください。

ザバクサ配合点滴静注(セフトロザン/タゾバクタム)の作用機序と副作用【細菌感染】

「膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍」を適応症とするザバクサ配合点滴静注用(一般名:セフトロザン硫酸塩/タゾバクタムナトリウム)が2019年1月8日に承認されました! 基本情報 製品 ...

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細菌の増殖:DNAの複製

細菌は細胞分裂によって増殖していきますが、その準備段階として自身のDNAを2倍量に増やします。この過程を「複製」と呼んでいます。

 

通常、細菌のDNAは二本鎖の二重らせん構造をとっていますが、複製過程においてはヘリカーゼと呼ばれるタンパク質によって一本鎖に分離されます。

解かれた一本鎖DNAに「DNAポリメラーゼ」が作用することで二本鎖DNAが新たに合成され、DNAの複製が完了するといった流れですね。

 

しかし二本鎖を解いていく時に、元の二本鎖DNAには過剰なねじれ(超らせん構造)が生じてしまいます。

 

木元 貴祥
そこで働くのがⅡ型トポイソメラーゼと呼ばれるタンパク質です。

 

Ⅱ型トポイソメラーゼには細菌の種類によって

  • DNAジャイレース
  • トポイソメラーゼⅤ

の二種類がありますが、作用としては同じで、DNAの二本鎖を切断することで超らせん構造を解消していきます。

DNA複製におけるⅡ型トポイソメラーゼ(ジャイレース、トポイソメラーゼⅤ)の働き:超らせん構造の解消

 

このように様々なタンパク質が関与してDNAの複製が行われていきますが、ラスビックの作用に関与しているのはⅡ型トポイソメラーゼ(DNAジャイレース、トポイソメラーゼⅤ)ですね!

 

ラスビック(ラスクフロキサシン)の作用機序と特徴

ラスビックはDNA複製の際の超らせん構造を解消するⅡ型トポイソメラーゼを選択的に阻害する薬剤で、ニューキノロン系(フルオロキノロン系)抗菌薬に分類されています。

 

DNAジャイレースやトポイソメラーゼⅤが阻害されることで、細菌のDNA複製が途中でストップしてしまい、殺菌的に作用すると考えられています。

ラスビック(ラスクフロキサシン)の作用機序:ニューキノロン系抗菌薬

 

また、ラスビックは肺への移行性が高い1)とされているため、呼吸器系の細菌感染症に期待されているといった特徴があります!

 

エビデンス紹介

現時点では臨床試験データが開示されていませんので、後日更新予定です。

 

副作用

後日更新予定です。

 

用法・用量

後日更新予定です。

国内の臨床試験においては75mgの1日1回経口投与として治療が行われていました。

 

薬価

現時点では未承認・薬価未収載です。

 

まとめ・あとがき

ラスビックはこんな薬

  • ニューキノロン系抗菌薬に分類されている
  • DNAジャイレースやトポイソメラーゼⅤを阻害することで超らせん構造の解消を阻害し、殺菌的に作用する
  • 肺組織への移行性が高い

 

これまでのニューキノロン系抗菌薬との違いや安全性・有効性の差異等、色々気になることはあります。

 

木元 貴祥
正式承認後にはもう少し詳しくデータを見てみたいと思います!

 

以上、今回は細菌感染症とラスビック(ラスクフロキサシン)の作用機序についてご紹介しました!

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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