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ジェミーナ配合錠(レボノルゲストレル/エチニルエストラジオール)の作用機序と副作用【月経困難症】

更新日:

月経困難症」を効能・効果とする新医療用配合剤のジェミーナ配合錠(一般名:レボノルゲストレル/エチニルエストラジオール)2018年7月2日に承認されました。

製薬会社

  • 製造販売元:ノーベルファーマ(株)
  • 販売提携:あすか製薬(株)

 

レボノルゲストレルを配合した月経困難症治療薬は初めての登場です。

今回は月経困難症とジェミーナ配合錠の作用機序についてご紹介します。

 


月経困難症と症状

月経とは、いわゆる“生理”のことをいいます。

 

月経の際には通常、

  • 下腹痛
  • 腰痛
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 下痢
  • 食欲不振
  • お腹の張り
  • うつ状態
  • イライラ感

等が症状として現れますが、この症状が日常生活に支障をきたすほど酷くなった状態を「月経困難症」と呼んでいます。

 

月経困難症は原因によって以下の二種類に分類されています。

  1. 機能性月経困難症:思春期の若年女性に多く、原因疾患が存在しないにも関わらず症状が出る
  2. 器質性月経困難症:直接的な原因疾患が存在する(例:子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症など)

 

国内では約800万人以上の月経困難症患者さんがいらっしゃると推定されていますが、医療機関を受診している割合は約10%程と言われています。

子宮内膜症等が原因で引き起こされている場合もあるため、我慢せずに早めの受診が望ましいと思います。

 

ホルモンと月経困難症の原因

月経は子宮の内側の膜(子宮内膜)が剥がれ落ちて、それに伴って出血が起こる現象です。

月経は通常1か月の周期で起こり、この周期のことを「月経周期」と呼んでいます。

月経周期は複数のホルモンが複雑に作用することで調節されています。

 

以下に簡単なホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の体内濃度の変動を掲載しています。

 

排卵の少し前から受精に備え、プロゲステロン濃度が徐々に上昇し、子宮内膜が厚くなっていきます。

受精しない場合、エストロゲンとプロゲステロン濃度が急激に下がり、これをきっかけに子宮内膜が剥がれ落ちて月経となります。

 

さらに月経期間中にはプロスタグランジンと呼ばれる炎症物質が生成され、子宮を収縮させています。

月経困難症ではプロスタグランジンの過剰生成によって子宮が過度に収縮し、非常に強い痛みを伴います。

 

このように月経困難症は、体内ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)のバランス、そしてプロスタグランジンによって引き起こされると考えられています。

 

月経困難症の治療

治療の基本は薬物治療です。

  • 鎮痛薬:NSAIDs等によってプロスタグランジンの働きを抑制させる。
  • 漢方薬
  • 経口ホルモン製剤:卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を配合した薬剤

今回ご紹介するジェミーナ配合錠は経口ホルモン製剤に分類されています。

 

ジェミーナ配合錠の作用機序

ジェミーナ配合錠は、

  • 合成黄体ホルモンのレボノルゲストレル
  • 合成卵胞ホルモンのエチニルエストラジオール

を配合した経口ホルモン製剤です。

 

ジェミーナを投与することで、体内の黄体/卵胞ホルモン濃度が一定に保たれます。

その結果、ホルモン変動が抑制され、排卵も月経も起こりにくくなり、子宮内膜の増殖を抑制します。

 

また、ホルモン変動が抑制されることで、子宮収縮や痛みの原因物質であったプロスタグランジンの生成が抑制されます。

その結果、子宮収縮の緩和・痛みの緩和作用も得られると考えられます。

 

ジェミーナ配合錠の用法・用量

月経周期の1周期を28日間とするか、84日間とするか、患者さんの生活様式などに応じて選択できるようになっています。

 

  • 28日間を1周期とする場合
    1日1錠を毎日一定の時刻に21日連続経口投与し、その後7日間休薬します。
    出血が終わっているか続いているかに関わらず、29日目から次の周期を開始し、以後同様に繰り返します。

 

  • 84日間を1周期とする場合
    1日1錠を毎日一定の時刻に77日連続経口投与し、その後7日間休薬します。
    出血が終わっているか続いているかに関わらず、85日目から次の周期を開始し、以後同様に繰り返します。

 

ジェミーナ配合錠の副作用

不正子宮出血、希発月経、月経過多、下腹部痛、悪心、頭痛などが報告されています。

 

稀ではありますが、血栓症が発現する可能性もあるため、特に注意が必要です。

 

ジェミーナ配合錠の薬価

薬価収載時点(2018年8月29日)の薬価は以下の通りです。

  • ジェミーナ配合錠:314.10円(1日薬価:235.60円)

 

算定方式等は以下の記事をご覧ください。

>>【新薬:薬価収載】9製品(2018年8月29日)と用法用量変化再算定

 

類薬とあとがき

同様に月経困難症に適応を有する経口ホルモン製剤としては、

  • ルナベル配合錠(一般名:ノルエチステロン/エチニルエストラジオール)
  • ヤーズ配合錠(一般名:ドロスピレノン/エチニルエストラジオール)
  • ヤーズフレックス配合錠(一般名:ドロスピレノン/エチニルエストラジオール)

等があります。

 

ジェミーナに含まれているレボノルゲストレルを配合した月経困難症治療薬は初です。

これらの薬剤は全て同じ位置づけですが、今後使い分け等が検討されれば興味深いと感じます。

 

以上、今回は月経困難症とジェミーナ配合錠の作用機序についてご紹介しました。

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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