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イレッサ(ゲフィチニブ)の作用機序と副作用【肺がん】

今回は非小細胞肺がんとイレッサ(一般名:ゲフィチニブ)の作用機序についてご紹介します☆

肺がんではよく用いられる分子標的治療薬です。

 

非小細胞肺がんと治療について

肺がんは性質や薬の効き方によって“小細胞肺がん”と“非小細胞肺がん”に分類されています。

早期に発見できた場合、手術の適応になりますが、発見時に他の臓器に転移がある場合(StageⅣ)や再発してしまった場合、化学療法(抗がん剤や分子標的薬)の治療が中心となります。

 

非小細胞肺がん初回化学療法(一次化学療法)は、がんの遺伝子状況によって以下の優先順位で使用する薬剤が細かく使い分けられています。

 

 

 

 

 

 

  • 上記遺伝子等がすべて陰性の場合:抗がん剤(シスプラチン、ゲムシタビン、パクリタキセル、ペメトレキセドなど)とアバスチンなどの分子標的薬を組み合わせた治療、もしくはこれらに免疫チェックポイント阻害薬(キイトルーダもしくはテセントリク)を併用

 

 

上記のうち、最も頻度が高いのがEGFR遺伝子変異陽性で、約半数を占めています。

 

EGFR遺伝子変異陽性の肺がん

がん細胞が増殖するメカニズムは様々な仕組みが存在していますが、がん細胞はしばしば「EGFR」と呼ばれるタンパク質を発現していることあります。

因子であるEGFが、がん細胞のEGFRに結合すると、その刺激が細胞内を伝達(シグナル伝達)し、核内に刺激が届けられます。

核内まで刺激が伝達すると、増殖・活性化が促進され、がん細胞の増殖に繋がります。

ただし、因子であるEGFが存在しない場合、刺激が核に伝達しないため、がん細胞は増殖しません。

 

非小細胞肺がんの約半数の患者さんではEGFRの遺伝子に変異のあることが知られています。

これを「EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん」と呼んでいます。

EGFR遺伝子変異陽性の場合、因子であるEGFが存在しないにも関わらず、恒常的にシグナル伝達が核へと伝達されています。

そのため、常にがん細胞は増殖が活性化されている状態です。

イレッサ(一般名:ゲフィチニブ)の作用機序

イレッサは、EGFR遺伝子変異のあるEGFRを特異的に阻害する薬剤です!

EGFRを阻害することでシグナル伝達を阻害させ、がん細胞の増殖を抑制するといった作用機序を有しています。

EGFRはヒトの正常の細胞にも存在していますが、イレッサはがんの変異したEGFRを特異的に阻害するため、正常細胞には影響を及ぼしにくいといった特徴があります。

 

あとがき

肺がん領域でイレッサが登場した時には非常に高い有効性から「夢のような薬だ」と話題になった記憶があります。

ただし、重篤な副作用である間質性肺炎の発現も認めることから注意が必要です。

 

また、最近ではイレッサ治療を行った際に、その耐性機序としてがん細胞が「T790M」と呼ばれる遺伝子変異を獲得することが分かってきました。

このような遺伝子変異にも効果が期待される薬剤としてタグリッソ(一般名:オシメルチニブ)も登場してきています。

 

肺がん領域は薬の開発スピードが速く、どんどん新しい治療が登場してきていますので、今後も注目していきたいと思います。

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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