12.悪性腫瘍 疾患・作用機序まとめ

【乳がん】アロマターゼ阻害薬の作用機序・副作用と薬剤一覧の紹介

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今回は「乳がん」とその治療薬の一つであるアロマターゼ阻害薬(アロマターゼインヒビター:AI)の作用機序、そして薬剤一覧をご紹介します!

アロマターゼ阻害薬は「ホルモン療法」に分類されています。

 

乳がんの概要

2011年の女性乳がんの罹患数は、約72,500人と、女性のがんの中では最も多く、約20%を占めると言われています。

最近では、北斗晶さんや、小林麻央さんが記憶に新しいと思います。

手術で取り切れるような早期の乳がんでは、5年生存率は80%を超えます(StageⅠ~Ⅱでは90%を超える)ので、治癒することが可能な比較的予後の良いがんとして知られています。

 

ただし、発見時に手術ができない(手術不能)の乳がんや、再発した乳がんでは5年生存率は30%と、治癒を見込むのは難しくなってしまいます(基本的には延命)。

 

従って、日頃の観察やがん検診(マンモグラフィや超音波検査)によって、できるだけ早期に発見することが非常に重要です!!!

また、乳がんの発生には女性ホルモンのエストロゲンが深く関わっていることが知られており、がん細胞のエストロゲン受容体にエストロゲンが結合することで増殖が活性化されます。

 

エストロゲンの合成経路・分泌

エストロゲンの合成経路は、閉経前と閉経後で変化します。

閉経前には、主に卵巣でエストロゲンが合成され、分泌されています。

 

一方、閉経後では、卵巣のエストロゲン合成能が低下し、エストロゲン量は低下しています。

代わりに、副腎から少量分泌されている男性ホルモン(アンドロゲン)が脂肪細胞の「アロマターゼ」によってエストロゲンに変換されることが知られています。

即ち、閉経後ではアロマターゼによって、少量のエストロゲンが体内に保たれている状態です。

このように、閉経前後でエストロゲンの合成経路は異なりますが、乳がん細胞はこのエストロゲンを用いて増殖・活性化しています。

 

早期の乳がんの治療

早期の乳がんは基本的には手術によって完全に取り除くことが可能です。

場合によっては、術後にホルモン療法や抗がん剤によって再発を抑える治療が行われることもあります。

 

転移のある乳がんの治療(手術不能)

しかし、発見時に転移がある乳がんの場合、手術はできませんので、薬物療法(ホルモン療法、抗がん剤、分子標的薬)が基本となります。

乳がんは、がん細胞の性質によって、薬物療法が異なります。

  1. ホルモン陽性の乳がん:ホルモン療法
  2. HER2陽性の乳がん:ハーセプチン(一般名:トラスツズマブ)±パージェタ(一般名:ペルツズマブ)±抗がん剤
  3. ホルモンもHER2も陰性の乳がん:抗がん剤

最も多いとされるのが、「ホルモン陽性」の乳がんで、この場合はホルモン療法が基本です。

 

今回ご紹介するアロマターゼ阻害薬は閉経後ホルモン陽性の乳がん(早期乳がんや転移のある場合)に対して使用できるホルモン療法薬です!

 

アロマターゼ阻害薬の作用機序

アロマターゼ阻害薬は、脂肪組織に存在しているアロマターゼを選択的に阻害する薬剤です。

閉経後の乳がんでは、アロマターゼによってエストロゲン量が保たれています。

アロマターゼ阻害薬によってこれを阻害すると、がん細胞の増殖の材料であったエストロゲン合成が阻害され、結果、がん細胞の増殖が抑制できます。

 

当然、閉経前卵巣からエストロゲンが大量に分泌されていますので、アロマターゼ阻害薬を投与しても何ら効果は得られませんので注意が必要です。

 

アロマターゼ阻害薬の一覧

2018.3.1までに販売されているアロマターゼ阻害薬は以下の通りです。

製品名一般名分類用法・用量
アリミデックス錠アナストロゾール非ステロイド型1日1回1錠
フェマーラ錠レトロゾール非ステロイド型1日1回1錠
アロマシン錠エキセメスタンステロイド型1日1回
食後に1錠

いずれの薬剤も治療効果には差が無いと言われていますが、副作用の種類や頻度に若干の差があります。

用法・用量はいずれも1日1回ですが、アロマシンのみ「食後」の投与で、他の2剤は特に食事前後の制限はありません。

 

アロマターゼ阻害薬の副作用

ホルモン療法薬の副作用は抗がん剤ほど強くありません。

しかし、以下のような特徴的な副作用が認められることもあるため、注意が必要です。

  • ほてり
  • 多汗
  • 関節痛
  • 骨粗鬆症
  • 脂質代謝異常

 

あとがき

乳がんに使用するアロマターゼ阻害薬は既に全種類、後発医薬品(ジェネリック医薬品)も登場してきています。

最近では、アロマターゼ阻害薬と併用して用いる新薬「イブランス(一般名:パルボシクリブ)」や「ベージニオ(一般名:アベマシクリブ)」も登場してきていますので、今後も乳がん治療では中心的な薬剤かと思います。

 

以上、今回は乳がんとアロマターゼ阻害薬の作用機序、そして薬剤一覧についてご紹介しました。

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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