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イグザレルト(リバーロキサバン)の作用機序と副作用【静脈血栓塞栓症】

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厚生労働省は2015年9月24日、イグザレルト錠10mg、同15mg(一般名:リバーロキサバン)に「深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制」の効能・効果を追加することを承認しました。

 

既に「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」の効能・効果を有していましたが、上記が追加されました。

今回は静脈血栓塞栓症とイグザレルト(リバーロキサバン)の作用機序についてご紹介します。

 

静脈血栓塞栓症(エコノミー症候群)とは

飛行機など、長時間同じ姿勢で座ったりしていると、下肢が圧迫されて血液がうまく循環せず同じ場所に滞留したままになり、うっ血状態になります。

このうっ血状態が続くと、足の血液が凝固して血栓が生じ、これを“深部静脈血栓症”と呼んでいます。

 

この状態で急に席を立つと、足に生じた血栓が血流に乗って肺に詰まってしまうことがあります。

血栓が肺に詰まってしまうことを“肺塞栓症”と呼んでおり、これら2つを合わせて「旅行者血栓症(エコノミークラス症候群)」と言います。

 

旅行者血栓症は、従来「エコノミークラス症候群」とも呼ばれていましたので「飛行機でのみ起こる症状」だと思われるかも知りません。

しかし、旅行者血栓症は、飛行機だけではなく、電車・車旅行など、長時間座席に座って移動する時や、会社でのデスクワーク、映画館などでも起こると考えられます。

 

肺塞栓症の主な症状としては、

  • 呼吸困難
  • 胸痛
  • 動悸
  • 失神

などがあり、重度な場合は死に至ることもある危険な疾患です。

 

それではここから、止血と血栓形成のメカニズムについてご説明します。

 

止血と血栓形成のメカニズム

我々が怪我などをした際に出血すると、体内では血を止めようとする機構(止血機構)が働きます。

止血には、血小板が関わる一次止血と、凝固因子が関わる二次止血があります。

出血が起こると、まずは血中に存在する血小板が活性化し、損傷部位に集まってきて血栓(一次血栓)を形成します。

これを一次止血と呼びますが、これだけでは簡単に剥がれてしまいます。

 

次いで、一次止血を補強する目的で二次止血が行われます。

二次止血では一次血栓の周囲を「フィブリン」と呼ばれるタンパク質で覆い、強固な止血血栓(二次血栓)を完成させます。

 

二次血栓に関与するフィブリンは様々な「凝固因子」が血液凝固反応(カスケード)を引き起すことで生成されます。

 

二次止血時の血液凝固反応(カスケード)とは

血液凝固反応では、全部で14種類の凝固因子が活性化することで引き起こされます。

一般的に凝固因子はローマ数字(例:Ⅴ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ)で表され、活性化した凝固因子はローマ数字の後ろに“a”を付けて(例:Ⅴa、Ⅶa、Ⅸa、Ⅹa)表されます。

体内の血液凝固反応は、反応の引き金となる因子の違いから「外因系」と「内因系」に分けられていますが、今回は内因系をメインにご紹介します。

 

内因系の血液凝固反応は第Ⅶ因子が活性化(Ⅶa)されることで開始されます。

Ⅶaはいくつかの反応を経て、第Ⅸ因子を活性化(Ⅸa)します。

また、第Ⅷ因子が活性化したⅧaと、Ⅸaによって第Ⅹ因子が活性化(Ⅹa)されます。

Ⅹaはプロトロンビンをトロンビンに変換し、トロンビンはフィブリノゲンをフィブリンに変換します。

 

このようにして完成したフィブリンが二次止血を行い、強固な血栓(二次血栓)を形成します。

 

静脈血栓塞栓症は、血液が凝固して二次血栓を生じることで発症するため、血液凝固を阻害すれば治療、再発抑制が可能となります。

 

イグザレルト(一般名:リバーロキサバン)の作用機序

イグザレルトは、血液凝固に関与する活性型血液凝固第Xa因子を選択的に阻害する「Xa因子阻害薬」に分類されています。

Xaを直接阻害することでプロトロンビンからトロンビンの生成が阻害され、最終的にはフィブリンの生成が阻害されます。

フィブリン合成が阻害されることで二次血栓の発生を抑制する結果、静脈血栓塞栓症の治療・再発抑制が可能となります。

 

イグザレルト(一般名:リバーロキサバン)の副作用

主な副作用として、皮下出血、鼻出血、血便排泄などが報告されています。

血栓形成を抑制するため、上記のような出血傾向の副作用がありますので注意が必要です。

 

類薬

同じ作用機序(Xa因子阻害薬)かつ投与経路で、この適応症を持つ薬剤として以下があります。

 

あとがき

選択肢が増えたことは朗報ですが、今後は各薬剤の使い分け等について検討されると興味深いと感じました。

以上、今回は静脈血栓塞栓症に対するイグザレルト(リバーロキサバン)の作用機序について紹介しました☆

 

心原性脳塞栓症(非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症)や、その他の抗凝固薬については以下の記事にまとめていますので是非ご覧ください。

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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