1.中枢神経系

ハルロピテープ(ロピニロール)の作用機序:ニュープロパッチとの違い【パーキンソン病】

更新日:

ハルロピテープ(ロピニロール)とは、パーキンソン病を対象疾患とする新規の全身性経皮吸収型製剤で、2019年8月1日の厚労省薬食審・医薬品第一部会にて承認が了承されました!

現時点では未承認のためご注意ください。

久光製薬|ニュースリリース

基本情報

製品名ハルロピテープ8mg/16mg/24mg/32mg/40mg
一般名ロピニロール塩酸塩
製品名の由来不明。貼る(ハル)、「ロピ」ニロール???(←私の妄想)
製薬会社製造販売:久光製薬(株)
販売:協和キリン(株)?
効能・効果パーキンソン病
用法・用量記事内参照
収載時の薬価薬価未収載

 

有効成分のロピニロールは既にレキップ錠として販売されており、後発医薬品(ジェネリック医薬品)も登場しています。

 

木元 貴祥
しかしながら、錠剤では服薬し辛い場合があったり、一定の血中濃度を保つことがしばしば困難であったため、貼付剤の開発が望まれていました。

 

パーキンソン病に使用できる貼付剤としては2013年に登場したニュープロパッチに次いで2製品目となる見込みです!

 

今回はパーキンソン病とハルロピテープの作用機序、そしてニュープロパッチとの違い・比較について考察したいと思います。

 


パーキンソン病とは

パーキンソン病は、脳内の「黒質」という部分のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変成疾患で、難病に指定されています。1)

 

特徴的な症状としては、

  • 安静時の振戦(手足が震える)
  • 筋固縮(筋肉が固くなる)
  • 無動(動きが遅くなる)
  • 姿勢反射障害(体のバランスが悪くなる)

などがあります。

 

発症年齢は50~65歳に多いとされており、高齢になるほど発病率が増加する疾患です。

 

パーキンソン病の原因

現時点では原因不明とされていますが、何らかの遺伝子異常や環境因子が影響していると言われています。

 

パーキンソン病の各症状は、脳内の神経細胞から分泌されるドパミン量が減少することで発現します。

パーキンソン病とドパミン量

 

パーキンソン病の治療

治療の基本は薬による薬物治療です。2)

 

薬物治療にはいくつかの種類がありますが、最も基本となるのが

  • L-ドパの補充
  • ドパミンアゴニスト

です。

 

ドパミンは、チロシン→L-ドパを経由して脳の神経細胞内で合成されます。

直接ドパミンを補充したとしても、ドパミンは血液脳関門を通過できないため脳内に入ることが出来ません

 

そのため、ドパミンの前駆物質であるL-ドパ(血液脳関門を通過できる)を補充することでドパミンの合成を促します。

 

また、ドパミンはドパミン受容体を刺激することで生理活性を示すことから、ドパミンアゴニスト(ドパミン受容体刺激薬)もパーキンソン病の治療薬として用いられます。

 

L-ドパと併用して使用することもありますね。

パーキンソン病の治療:L-ドパの補充

 

木元 貴祥
今回ご紹介するハルロピもドパミンアゴニスト(ドパミン受容体刺激薬)に分類されています。

 

その他にもドパミンを分解するMAO-B(読み方は“マオビー”)を阻害する薬剤(例:アジレクト)が用いられることもあります。

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ハルロピテープ(ロピニロール)の作用機序

ハルロピテープはTDDS(Transdermal Drug Delivery System:経皮薬物送達システム)技術を用いて開発された全身性の経皮吸収型製剤です!

 

有効成分のロピニロールの血中濃度が一定に保たれ、ドパミン受容体を刺激することでパーキンソン病の症状を改善すると考えられています。

ハルロピテープ(ロピニロール)の作用機序:ドパミン受容体刺激作用

 

エビデンス紹介:国内第Ⅲ相試験

後日試験結果が公表され次第更新予定です。

 

参考までに、根拠となった臨床試験はL-dopa(レボドパ)を併用するパーキンソン病患者さんを対象として、経口剤に対する貼付剤(ハルロピテープ)の非劣性、プラセボに対するハルロピテープの優越性を検証した国内第Ⅲ相試験です。

 

結果の概要はメーカーのニュースリリースに掲載されており、いずれも主要評価項目を達成したとのことです。

 

その結果、有効性に関して主要評価項目でプラセボ投与群との間に統計学的に有意な改善を認め、実薬(経口剤)対照群との間においても非劣性が認められました。なお、安全性に関して開発上の問題となる副作用は認められませんでした。

【引用】久光製薬|ニュースリリースより

 

木元 貴祥
詳細なことについては試験結果が公表され次第、追記していきたいと思います。

 

副作用

後日更新予定です。

 

用法・用量

通常、成人にはロピニロール塩酸塩として1日1回8mgから始め、以後経過を観察しながら、必要に応じて1週間以上の間隔で、1日量として8mgずつ増量します。

いずれの投与量の場合も1日1回、胸部、腹部、腹側部、大腿部又は上腕部のいずれかの皮膚に貼付し、24時間毎に張り替えます。

1日量64mgは超えないこと。

 

薬価

現時点では未承認かつ薬価未収載です。

 

ニュープロパッチ(ロチゴチン)との違い

現時点での情報のみですが、一覧表を作成してみました。

 

情報が不足していますので何とも言えませんが、いずれも1日1回の貼付で治療効果が期待できそうですね。

 

木元 貴祥
正式承認後に再度考察してみたいと思います。

 

まとめ・あとがき

ハルロピテープはこんな薬

  • 全身性の経皮吸収型製剤
  • 有効成分のロピニロールがドパミン受容体を刺激することで効果を発揮する
  • パーキンソン病に対する貼付剤としては2製品目

 

木元 貴祥
パーキンソン病は未だ根治治療がなく、症状をいかにコントロールできるかが大切です。

 

貼付剤としては2製品目の登場ですが、患者さんにとっては選択肢が増えることは朗報ではないでしょうか。今後は両剤の使い分け等について検討が進めば興味深いと感じますね。

 

以上、今回はパーキンソン病とハルロピテープ(ロピニロール)の作用機序についてご紹介しました。

 

引用文献・資料等

  1. 難病情報センター | パーキンソン病(指定難病6)
  2. 日本神経学会|パーキンソン病診療ガイドライン2018

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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