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アドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン)の作用機序【リンパ腫】

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2019年11月25日の厚労省の薬食審・第二部会にてアドセトリス点滴静注用50mg(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)の適応に「末梢性T細胞リンパ腫」を追加することが承認了承されました!

 

現在の効能・効果は以下の通りですが、未分化大細胞リンパ腫は末梢性T細胞リンパ腫に含まれることから「再発又は難治性の未分化大細胞リンパ腫」は削除され、より広い適応となる見込みです。

  • CD30陽性のホジキンリンパ腫
  • CD30陽性の再発又は難治性の未分化大細胞リンパ腫

 

今回はホジキンリンパ腫とアドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン)の作用機序についてご紹介します。

 

ホジキンリンパ腫とは

ホジキンリンパ腫とは、悪性リンパ腫の種類の1つで、血液腫瘍に分類されています。

血液の血球成分の中でも「リンパ球」が腫瘍化する疾患で、予後は不良とされています。

この腫瘍化したリンパ球のことを「白血病細胞」と呼んでおり、白血病細胞の表面には「CD30」と呼ばれるタンパク質が発現していることが知られています。

最もよくみられる初発症状は、痛みのないリンパ節の腫れやしこりで、頸部や鎖骨上窩のリンパ節腫脹で発見されることが多い疾患です。

また、全身の症状としては、発熱、体重減少、大量の寝汗がみられることがあります。

 

ホジキンリンパ腫は、病理検査によって数種類に分類され、「古典的ホジキンリンパ腫」と「結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫」の2つに大別されます。

 

進行期のホジキンリンパ腫の一次治療は抗がん剤の多剤併用療法による化学療法が原則ですが、化学療法が効かない場合、次の治療は限られていました。

 

今回ご紹介するアドセトリスは化学療法抵抗性の場合にも使用できますが、一次治療として化学療法と併用しても使用が可能です。

 

アドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン)の構造

ベスポンサは「抗体(ブレンツキシマブ)+抗がん剤(モノメチルアウリスタチンE(MMAE))」で成り立っている薬剤です。

ブレンツキシマブは「CD30」を特異的に認識する“モノクローナル抗体”で、これにモノメチルアウリスタチンE(MMAE)と呼ばれる微小管(チューブリン)阻害作用のある“抗がん剤”が結合しています。

 

MMAEは強力な抗腫瘍活性を持つ抗がん剤ですが、そのまま体内に投与されると、正常細胞も傷つけてしまうため、副作用が強く発現してしまいます。

 

そこで、白血病細胞を特異的に認識する抗体であるブレンツキシマブに、抗がん剤のMMAEを結合させることで、抗がん剤が白血病細胞のみに作用するよう工夫した薬剤がアドセトリスです!

 

木元 貴祥
ブレンツキシマブは、いわゆる「薬の運び屋」みたいなイメージですね♪

 

アドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン)の作用機序

まず、アドセトリスは白血病細胞表面にある「CD30」を認識して結合します。

その後、アドセトリスは白血病細胞内に取り込まれ、抗がん剤のMMAEが遊離されます。

 

そしてMMAEは白血病細胞内の微小管(チューブリン)を阻害し、白血病細胞の増殖を抑制するといった作用機序です!

 

 

ホジキンリンパ腫一次治療のエビデンス紹介:ECHELON-1試験

一次治療の根拠となった臨床試験を一つご紹介します。1)

本試験は未治療の進行期古典的ホジキンリンパ腫の患者さんを対象に、これまでの標準治療であるABVD療法(ドキソルビシン+ブレオマイシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)と、アドセトリス+AVD療法(ドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)を直接比較した第Ⅲ相臨床試験です。

 

本試験の主要評価項目は「修正した無増悪生存期間*」とされ、結果は以下の通りでした。

試験群ABVD療法アドセトリス+AVD療法
2年時点の
修正した無増悪生存率
77.2%82.1%
HR=0.77, p=0.04
2年時点の生存率94.2%96.6%
HR=0.73, p=0.20
末梢神経障害43%67%
好中球減少症45%58%

*修正した無増悪生存期間:「がんの増大、死亡、完全奏効が得られない、次の治療としての抗がん剤使用」までの期間とされています。

 

このように今までの標準治療であったABVD療法に対してアドセトリス+AVD療法は、がんの増悪までの期間を有意に延長することが示されています。

 

しかし、特徴的な副作用の末梢神経障害は高く発現しているため、減量・休薬等の対処が必要です。

 

1)ECHELON-1試験:N Engl J Med. 2018 Jan 25;378(4):331-344.

 

あとがき

抗体に抗がん剤を結合したような医薬品を「抗体薬物複合体:Antibody drug conjugate(ADC)」と呼んでいます。

最近では開発が進んでいて、乳がん領域でも新規のADCが登場予定なので非常に期待されています。

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ホジキンリンパ腫の治療選択肢は限られていましたので、選択肢が増えたことは朗報ではないでしょうか。

 

以上、今回はホジキンリンパ腫とアドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン)の作用機序についてご紹介しました。

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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