4.消化器系

ネキシウム(エソメプラゾール)の作用機序と副作用【胃潰瘍・十二指腸潰瘍】

ネキシウムカプセル10mg、同カプセル20mg、同懸濁用顆粒分包10mg、同懸濁用顆粒分包20mg(一般名:エソメプラゾールマグネシウム水和物)の「胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症、Zollinger-Ellison症候群」の効能・効果に小児用量を追加することが2018年1月19日に承認されました!

同時に「懸濁用顆粒分包」の剤形が新たに追加されています。

 

ネキシウムはプロトンポンプ阻害薬(PPI)に分類されていますが、小児適応を持つ初のPPIです!

ただし、適応が成人と小児で若干異なりますので注意が必要です。(例:ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助は成人にしか適応がありません)

 

今回は胃潰瘍・十二指腸潰瘍を中心に、ネキシウム(エソメプラゾール)の作用機序についてご紹介します。

 

胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは

胃や十二指腸は通常、粘膜に覆われて保護されています。

この粘膜が何らかの原因によって損傷し、深い部位まで組織が欠損した状態を「潰瘍」と呼んでいます。

胃潰瘍は40~60歳代に多く、十二指腸潰瘍は20~40歳代の比較的若い方に多いとされています。

 

症状としては、

  • 心窩部痛
  • 胸焼け
  • 食欲不振
  • 吐血
  • 下血(タール便)
  • 貧血
  • 悪心・嘔吐

などがあります。

特に心窩部痛は胃・十二指腸潰瘍の典型的な症状です。

 

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因

通常、胃や十二指腸は胃酸や消化酵素のような「攻撃因子」から粘膜を保護するための様々な「防御因子」が働いています。

これをバランス説と呼んでおり、健康な状態では両者がバランス良く働いています。

 

胃・十二指腸潰瘍では攻撃因子と防御因子のバランスが崩れ、攻撃因子が優勢となって発症します。

特にこのバランスを崩す二大要因は攻撃因子の「ヘリコバクターピロリ(H.ピロリ)感染」と「NSAIDs」であると言われています。

 

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療

H.ピロリ感染やNSAIDsの服用によって発症している場合、H.ピロリ除菌やNSAIDsの服用中止が第一選択です。

上記が原因ではない場合(例:ストレスや胃酸分泌過多)、以下の薬剤が使用されます。

  • プロトンポンプ阻害薬(PPI)
  • H2受容体拮抗薬
  • ムスカリン受容体拮抗薬
  • 胃粘膜保護薬 など

 

それではここから、PPIが関与する胃酸の分泌メカニズムについて説明します。

 

胃酸の分泌メカニズムとプロトンポンプ

胃酸(HCl)は、胃に存在している「壁細胞」と呼ばれる細胞から分泌されます。

壁細胞には、

  • M3受容体
  • H2受容体
  • ガストリン(G)受容体

が存在しており、アセチルコリン、ヒスタミン、ガストリンがそれぞれの受容体に結合することで活性化されます。

活性化されると、壁細胞の「プロトンポンプ」に刺激が伝わり、カリウムイオン(K+)を細胞内に取り込むと同時に水素イオン(H+)を細胞外に放出します。

H+は細胞外で塩素イオン(Cl-)と結合して胃酸(HCl)になります。

 

ネキシウム(一般名:エソメプラゾール):PPIの作用機序

ネキシウムはプロトンポンプ阻害薬(PPI)に分類されている薬剤です。

ネキシウムを投与すると、胃の酸性条件下で活性化体に変換されます。

この活性化体がプロトンポンプを阻害し、胃酸分泌を抑制すると考えられています。

 

このような作用機序によって、胃酸分泌過多による様々な疾患(胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎など)に使用されているのがネキシウムです。

 

ネキシウム(一般名:エソメプラゾール)の副作用

主な副作用には下痢、腹痛、肝機能異常、光線過敏性反応、などが報告されています。

 

PPIの類薬

同様の作用機序(PPI)を有する薬剤には、以下があります。

タケキャブのみ、これまでのPPIとは異なり「カリウムイオン競合型アシッドブロッカー」のPPIに分類されています。

 

なお、上記薬剤はいずれも小児の適応はありません。

 

あとがき

小児の胃・十二指腸潰瘍や逆流性食道炎に使用できる薬剤はH2受容体拮抗薬のアルタット(一般名:ロキサチジン)しかなく、PPIに小児の適応はありませんでした。

今回、ネキシウムに小児の適応が追加され、初めて小児でPPIが使用できるようになりました。

もちろん、成人に使用する場合とは用法・用量が異なりますので注意が必要です。

 

以上、今回は胃・十二指腸潰瘍とネキシウム(エソメプラゾール)の作用機序についてご紹介しました。

 

逆流性食道炎とPPIについては以下の記事をご参照ください。

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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