5.内分泌・骨・代謝系

ビルトラルセンの作用機序【筋ジストロフィー】

投稿日:

2019年9月、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象疾患とするビルトラルセンの製造販売承認申請が行われました!

国立精神・神経医療研究センター|ニュースリリース

現時点では未承認のためご注意ください。

基本情報

製品名不明
一般名ビルトラルセン
製品名の由来不明
製造販売日本新薬(株)
効能・効果デュシェンヌ型筋ジストロフィー?
用法・用量不明
収載時の薬価薬価未収載

 

ビルトラルセンはアンチセンス核酸医薬品に分類されていますね!

同様の作用機序を有する類薬には脊髄性筋委縮症に使用するスピンラザ(ヌシネルセン)があります。

スピンラザ(ヌシネルセン)の作用機序【脊髄性筋委縮症】

続きを見る

 

木元 貴祥
標的のmRNA配列に結合してその発現を抑制させるのがアンチセンス核酸医薬品です!

 

また、ビルトラルセンは先駆け審査指定制度の対象品目でもありますので、早ければ2020年初め頃までに承認が期待されています。

 

今回はデュシェンヌ型筋ジストロフィーとビルトラルセンの作用機序について解説します。

 

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)とは

骨格筋の壊死・機能異常を主病変とする遺伝性筋疾患を総称して「筋ジストロフィー」と呼んでいます。

 

その中でもいくつかの型に分類されていますが、最も代表的な型がデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD:Duchenne Muscular Dystrophy)です。1)

DMDでは、筋細胞内に存在するジストロフィンと呼ばれるタンパク質の遺伝子異常・変異によって、全身の筋力低下(歩行障害等)が現れます。

 

根本的な治療法はなく、ステロイド投与による治療が一般的です。2)

その他、リハビリテーション、対症療法等が行われていますが、新たな治療選択肢が望まれていました。

 

DMDの原因:ジストロフィンの欠乏

DMDでは遺伝子異常・変異(主にはエクソンの欠失)によってジストロフィンが欠乏しています。

 

ジストロフィンをコードする遺伝子配列には79個のエクソンが存在していますが、ここではビルトラルセンの関与するエクソン53の欠失とDMDについて解説します。

 

ジストロフィン遺伝子が正常な場合、DNA配列から転写⇒スプライシング⇒翻訳の過程を経て正常なジストロフィンが合成されます。

しかし、例としてエクソン52が欠損している場合、異常なmRNAが合成されてしまい、翻訳時に途中でストップしてしまいます。そのためジストロフィンが合成されず、DMDを発症すると考えられています。

デュシェンヌ型筋ジストロフィーとジストロフィン遺伝子

 

用語解説

  • 転写:DNAからmRNA前駆体を合成する過程
  • エクソン:タンパク質情報がコードされている配列
  • イントロン:タンパク質情報がコードされていない配列
  • スプライシング:イントロンが取り除かれ、エキソンのみのmRNA配列にする過程
  • 翻訳:mRNAからタンパク質を合成する過程

 

ビルトラルセンの作用機序

ビルトラルセンは21個の塩基配列を有するアンチセンス核酸医薬品です。

標的とするmRNA前駆体のエクソン53に結合することで、スプライシングがスキップ(回避)されます。(エクソン・スキッピング)

ビルトラルセンの作用機序:エクソン・スキッピング

 

木元 貴祥
その結果、mRNAはエクソン53を飛ばしたものが作られ、その情報を元にタンパク質(ジストロフィン)が合成されていくといったメカニズムですね!

 

エクソン53をスキップしているため、正常なジストロフィンよりは少し短く(小さく)なっていますが、機能としてはしっかりと果たすことができます。

 

ただし、エクソン53のスキップが有効なのはDMD患者さんの約8%とされています3)ので、全てのDMD患者さんには適用できないことにご注意ください。

 

エビデンス紹介

後日更新予定です。

国内の第Ⅰ/Ⅱ相試験では、ビルトラルセンの24週間の静脈内投与で16人中14人でジストロフィンタンパク質の増加が見られたと報告されています。4)

 

副作用

後日更新予定です。

 

用法・用量

後日更新予定です。

臨床試験4)では週1回40mg/kgあるいは80mg/kgで静脈内投与されていました。

 

収載時の薬価

現時点では未承認かつ薬価未収載です。

 

まとめ・あとがき

ビルトラルセンはこんな薬

  • デュシェンヌ型筋ジストロフィー初のアンチセンス核酸医薬品
  • エクソン53に結合してスプライシングを回避する(エクソン・スキッピング)

 

これまでDMDにはステロイド投与以外の有望な治療選択肢がありませんでしたが、ビルトラルセンによって治療選択肢が増えることを期待したいと思います。

 

近年では、核酸医薬品が相次いで登場してきています。

オンパットロ(パチシラン)の作用機序・siRNAの特徴【TTR-FAP】

続きを見る

 

木元 貴祥
現在でも核酸医薬品は様々開発されていますので、他の疾患等への応用も期待大!要チェックですね。

 

以上、今回はデュシェンヌ型筋ジストロフィーと、アンチセンス核酸医薬品のビルトラルセンの作用機序についてご紹介しました!

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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