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ディフェリンゲル(アダパレン)の作用機序と副作用【尋常性ざ瘡(ニキビ)】

今回は尋常性ざ瘡の治療薬として用いられるディフェリンゲル(一般名:アダパレン)の作用機序についてご紹介します。

尋常性ざ瘡は、いわゆる「ニキビ」です。

まずは皮膚のターンオーバーについて説明します。

 

皮膚のターンオーバー(分化)

皮膚の細胞は、基底層という一番下の層で作られ、徐々に変化を伴いながら表面へと押し上げられていきます。

具体的には、
基底層⇒有棘層(有棘細胞)⇒顆粒層(顆粒細胞)⇒角質層(角質細胞)の順番に徐々に表面へ押し上げられます

そして最終的には角質細胞が剥がれ落ちます。

このような一連の流れをターンオーバー(分化)と呼んでおり、約28日を1サイクルとして繰り返されています。

また、顆粒細胞から角質細胞への分化は「トランスグルタミナーゼ」と呼ばれるタンパク質によって促進されています。

 

尋常性ざ瘡(ニキビ)とは

尋常性ざ瘡は、様々な原因で毛穴の角質層が厚くなっていて、毛穴に皮脂が詰まり、そこにアクネ菌などの細菌が繁殖することで炎症を引き起こす疾患です。

 

よくできる部位としては顔ですよね。

思春期の男女に多く発症することが知られていますが、30歳前後までみられることもあります。

 

主な原因としては、

  • 食生活(脂が多めの食事の過量摂取)
  • ホルモンバランスの崩れ
  • 便秘
  • ストレスや睡眠不足

などがあります。

 

尋常性ざ瘡(ニキビ)の症状

症状としては、

  • 毛穴に皮脂が詰まる「面皰(めんぽう)」
  • 赤く腫れて痛む「紅色丘疹」
  • 膿が溜まる「膿疱」

などがあります。

 

これらの症状は、見た目にも関わるため、進行してしまうとQOLを著しく低下させてしまいます。

従って、初期の段階からしっかりと治療を行うことが重要です。



尋常性ざ瘡(ニキビ)の治療

面皰・紅色丘疹・膿疱などの症状や程度に応じて、薬剤による治療が行われます。

 

主に用いられる薬剤しては以下があります。

<炎症を抑える薬>

  • ディフェリン(アダパレン外用薬)
  • ステロイド

 

<アクネ菌等を殺菌する薬>

これらの薬剤を単剤もしくは適宜併用して治療を行います。

それではここからディフェリンの作用機序についてご紹介します。

 

ディフェリンゲル(一般名:アダパレン)の作用機序

前述顆粒細胞から角質細胞への分化は「トランスグルタミナーゼ」と呼ばれるタンパク質によって促進されています。

トランスグルタミナーゼの合成は、表皮に存在する「レチノイン酸受容体(RARγ)」によって調節されていることが知られています。

ディフェリンはレチノイン酸受容体(RARγ)に作用する薬剤です。

レチノイン酸受容体(RARγ)に結合し、いくつかの反応を経ることでトランスグルタミナーゼの合成が抑制されます。

 

その結果、顆粒細胞から角質細胞への分化が抑制されますので、角質層が薄くなります。

上記の作用機序によって、毛穴の角質層が薄くなり、毛穴の詰まりが解消されることで、尋常性ざ瘡の炎症が改善されると考えられています。

 

ディフェリンゲル(一般名:アダパレン)の副作用

代表的な副作用には、皮膚乾燥、皮膚不快感、皮膚剥脱、紅斑、痒み、などがあります。

特に治療開始から2週間頃までは皮膚の違和感や皮膚の赤みが強く出てしまいます。

この2週間の間に治療が嫌になって止めてしまう患者さんもいらっしゃいますが、ここを乗り切れば症状が改善してきますので、十分に指導する必要があると思います。



あとがき

ディフェリンは新規の作用機序を有する薬剤として非常に話題になりました。

現在でも尋常性ざ瘡治療の中心的な存在で、配合薬(以下の記事参照)も販売されています。最近では後発品(ジェネリック医薬品)も登場してきています。

 

尋常性ざ瘡を予防するためには、まずは日ごろから保湿や洗顔などのスキンケア、そして生活習慣を大切にしてください。

以上、今回は尋常性ざ瘡(ニキビ)治療薬であるディフェリンゲル(一般名:アダパレン)の作用機序についてご紹介しました。

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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