6.腎・泌尿器系

ベタニス(ミラベグロン)の作用機序と副作用【過活動膀胱(OAB)】

世界初のアドレナリンβ3受容体作動薬であるベタニス錠25mg/50mg(一般名:ミラベグロン)が2011年7月に承認されました!

 

今回は過活動膀胱とベタニス(ミラベグロン)の作用機序についてご紹介します。

 

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過活動膀胱とは

過活動膀胱 (overactive bladder:OAB)とは、以下のような症状を呈する疾患です。

  • 急に我慢できないような尿意を催す(尿意切迫感):主症状
  • 頻尿:特に夜間の頻尿
  • トイレまで我慢できずに漏れてしまう(切迫性尿失禁

特に、寒さや、トイレのドアノブに触れた時などをきっかけに尿意切迫感を生じやすいと言われています。

 

このように、自分の意志ではどうすることもできない尿意があるのが特徴です。

想像すると、、、非常にやっかいな疾患ですよね・・・。

患者さんも、いつ急な尿意が来るか不安で気分が落ち着かず、QOLが落ちやすい疾患です。

 

日本においては40歳以上の男女の約12%に過活動膀胱の症状があると言われています(約800万人の患者さんがいると推定)。

また、高齢になればなるほど高頻度に起こります。

 

過活動膀胱の原因

原因としては、以下の2つがあります。

原因概要原因疾患例
①神経因性過活動膀胱神経によって起こるものです。
脳の排尿制御を司る神経が働かなくなり、意図に反した尿意が起こります。
脳血管障害
パーキンソン病
脊髄不全損傷など
②非神経因性過活動膀胱神経以外の原因で起こるものです。
排尿筋の過度な収縮などが該当します。
加齢、
前立腺肥大症(男性)、
骨盤底筋群が弱くなる(女性)など

 

過活動膀胱の治療

過活動膀胱の治療は、原因疾患の治療保存的治療(行動療法、薬物療法)を基本とします。

 

保存的治療は以下があり、適宜組み合わせて行われます。

  • 行動療法:生活指導、理学療法、骨盤底筋体操など
  • 薬物療法:抗コリン薬、β3受容体作動薬

 

ベタニスは上記のβ3受容体作動薬に分類されています。

それではベタニスの関与する膀胱と排尿筋の働きについて説明します。

排尿時の膀胱と排尿筋の働き

膀胱は尿を貯めておく臓器で、膀胱の周囲には排尿筋と呼ばれる平滑筋が存在しています。

排尿時には排尿筋が収縮することで膀胱が圧迫されて排尿が起こります。

 

過活動膀胱では排尿筋の収縮が過度になったり、膀胱容量が小さくなったりして起こっています。

 

ベタニス(ミラベグロン)の作用機序

排尿筋には「アドレナリンβ3受容体」が存在しており、排尿筋の収縮・弛緩に関与しています。

ベタニスはアドレナリンβ3受容体を特異的に刺激(作用)することで排尿筋を弛緩させるといった作用機序を有しています!

 

排尿筋が弛緩される結果、膀胱容量が大きくなりますので、尿意切迫感などの症状改善が期待されます。

 

ベタニス錠の副作用と注意事項

主な副作用として、γ-GTP上昇、便秘、CK(CPK)上昇、ALP上昇、口内乾燥、ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、尿中蛋白陽性、白血球数減少、などが報告されています。

 

また、生殖器系への影響の恐れがあることから「生殖可能な年齢の患者への本剤の投与はできる限り避けること。」と添付文書に記載されています。

 

ベタニス錠と抗コリン薬との併用は「併用は避けることが望ましい」とされていましたが、2018年9月にこれが緩和され、「過活動膀胱の適応を有する抗コリン剤と併用する際は尿閉などの副作用の発現に十分注意すること」と改訂されています。

臨床的には単剤で効果不十分な場合、併用することもありますので限定解除によって治療選択肢の幅が広がりました!(もちろん、併用する際には副作用に十分注意が必要です)

 

ベタニス錠の用法・用量

成人にはミラベグロンとして50mgを1日1回食後に経口投与します。

 

あとがき

世界初のアドレナリンβ3受容体作動薬であり、抗コリン薬が使用し辛い患者さんにとっては選択肢が増えたことは朗報ではないでしょうか。

 

ただし、生殖器への影響等が懸念されることから、そのような患者さんへの投与は気を付ける必要がありそうですね。

 

2018年には新規のアドレナリンβ3受容体作動薬であるベオーバ錠50mg(一般名:ビベグロン)が登場しました!以下の記事に両薬剤の比較や使い分けについて考察しています。

 

以上、今回は過活動膀胱(OAB)とベタニス錠(ミラベグロン)の作用機序についてご紹介しました。

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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