5.内分泌・骨・代謝系

ジャディアンス(エンパグリフロジン)の作用機序【糖尿病】

厚労省は2014年12月26日、「2型糖尿病」を効能・効果とするジャディアンス錠(一般名:エンパグリフロジン)を承認したと発表がありました^^

本剤はSGLT2阻害薬で6成分7製品目の薬剤となります。

ここで簡単にSGLT2阻害剤の作用機序を示したいと思います☆

 

糖尿病とは

平成26年の厚労省調査によると、糖尿病の総患者数は316万6,000人であり、前回の調査よりも46万人以上増加しているようです。

糖尿病はその名の通り、血中ブドウ糖濃度が高い状態が慢性的に継続している病態です。

 

健康診断等で

  • 空腹時血糖値が126mg/dL以上
  • HbA1cが6.5%以上

の場合に疑われ、数回の検査を経て確定診断されます。

 

糖尿病には、
遺伝的要因が関与する「1型糖尿病」と、生活習慣などが関与する「2型糖尿病」に分類されています。

日本人では90%以上が「2型糖尿病」に分類されており、食生活・運動不足・肥満等が原因で、以下の理由で引き起こされると考えられています。

  • インスリンの分泌低下:インスリン量が減っている
  • インスリンの抵抗性増大:インスリンの効きが悪くなっている

糖尿病の治療

糖尿病治療は

  • 食事療法
  • 運動療法
  • 薬物療法

を基本としますが、最も大切なのは食事療法運動療法です。

食事/運動療法を2~3カ月続けても血糖値が下がらない場合、薬物療法が開始されます。

 

糖尿病治療薬

糖尿病治療薬にはいくつかの種類があり、年齢や肥満の程度、合併症、肝・腎機能等によって使い分けられます。

まずは経口血糖降下薬の少量から開始されることが多いです。

 

経口血糖降下薬には以下の種類があり、糖尿病の原因(インスリン分泌低下、抵抗性増大)によって使い分けられます。

 

<インスリン分泌低下を改善>

  • スルホニル尿素(SU)薬:インスリン分泌促進
  • グリニド薬:より速やかなインスリン分泌促進
  • DPP-4阻害薬:インクレチン分解抑制によるインスリン分泌促進とグルカゴン分泌抑制

 

<インスリン抵抗性を改善>

  • ビグアナイド薬:糖新生の抑制
  • チアゾリジン薬:インスリンの感受性を向上

 

加えて、ブドウ糖の吸収を抑制する「α-グルコシダーゼ阻害薬」や、ブドウ糖の排泄を促進する「SGLT2阻害薬」等も使用されます。

 

これらの経口血糖降下薬で効果が不十分であった場合、用量の増量や、併用療法などが検討されます。

SGLT2阻害薬にもいくつか配合剤がありますが、配合剤は、上記経口血糖降下薬で効果が不十分であった場合にのみ使用できます。

それでは、SGLT2阻害薬であるジャディアンスの作用機序についてご紹介します。

 

ジャディアンス(一般名:エンパグリフロジン):SGLT2阻害薬の作用機序

通常、血中のブドウ糖は尿中に排泄されません。

その理由として、腎臓の糸球体でろ過された原尿には、血漿と同じ濃度のブドウ糖が含まれていますが、近位尿細管で実に99%以上のブドウ糖が再吸収されます。

 

ようするに、一旦はブドウ糖は糸球体で原尿へ濾過されるももの、そのほとんどが再吸収されて体内(血中)に戻ってきてしまいます。

この原尿中のブドウ糖再吸収を行うトランスポーターは「SGLT2(Sodium-Glucose Transporter 2)」と呼ばれています。

 

SGLT2阻害薬はブドウ糖再吸収に関与するトランスポーターのSGLT2を阻害することで、ブドウ糖の再吸収を抑制する薬剤です。

つまり、SGLT2阻害剤は糖の再吸収を抑える(=糖の排泄を促進する)ことで血糖を低下させるといった作用機序を有しています。

このようにSGLT2阻害薬はインスリン作用を介さないため、低血糖や体重増加・肥満といった副作用が発現しにくいといわれています。

 

あとがき

服用方法は1日1回の服用です。

SGLT2阻害薬は種類が色々ありますので、今後はこれらの薬剤の使い分け等も明示されてこれば興味深いと思います^^

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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