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サーティカン(エベロリムス)の作用機序【移植の拒絶反応】

厚労省は2018年2月23日、「肝移植における拒絶反応の抑制」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品のサーティカン錠0.25mg、同錠0.5mg、同錠0.75mg(一般名:エベロリムス)を承認したと発表がありました。

サーティカンは既に「心移植」と「腎移植」における拒絶反応の抑制を効能・効果として有していましたが、「肝移植」も追加されました。

 

今回は移植時の拒絶反応とサーティカン(エベロリムス)の作用機序についてご紹介します。

 

臓器移植とは

臓器移植とは、様々な疾患によって臓器が障害され、生活が非常に障害されたり、生命危機を及ぼすような際に、他の人から臓器を提供していただいて回復を図る治療です。

現在では、ほとんどの臓器が移植可能ですが、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸の移植が一般的に行われることが多いとされています。

 

移植と拒絶反応

移植を行うと、自己の生体内防衛反応として、他人の臓器を「非自己」と認識し免疫細胞が攻撃を行ってしまいます。

これを「拒絶反応」と呼び、拒絶反応を抑えないと、移植された臓器が攻撃を受け続け、最終的には全く機能しないようになってしまいます。

拒絶反応に関与しているT細胞は、「IL-2」によって増殖・活性化することが知られています。

IL-2がT細胞の細胞膜に結合すると、細胞内で刺激が伝わり(シグナル伝達)、途中、「mTOR(“エムトール”と読みます)」と呼ばれるタンパク質を経由して核内に刺激が届けられます。

核内に届いた刺激によって、T細胞の増殖・活性化が促され、移植時の拒絶反応が引き起こされると考えられています。

拒絶反応の対策

上記の拒絶反応をなるべく抑えるため、移植を受けた全ての患者さんは、移植後に数種類の免疫抑制剤が投与されます。

原則、一生涯、免疫抑制剤を投与する必要があります。

 

多くの場合、副腎皮質ステロイドを併用・非併用下で、シクロスポリンやタクロリムスに代表されるカルシニューリン阻害系(CNI)の免疫抑制剤が用いられます。

ただし、CNIは長期的に投与すると、腎機能悪化による慢性腎不全の発症や、その関連死のリスクが知られています。

そのため、CNIは必要最低限の暴露量で維持することが望ましいとされています。

 

サーティカン(一般名:エベロリムス)の作用機序

サーティカンは前述のT細胞の活性化の際に関与する「mTOR」を阻害するといった作用機序を有する薬剤です。

mTORが阻害されることでT細胞の増殖・活性が抑制され、その結果、移植時の拒絶反応が抑制されます。

サーティカンは減量したCNIと併用しても、十分な免疫抑制効果が得られることが示されているため、CNIの暴露量を減らすことが期待できます。

 

あとがき

有効成分のエベロリムスは、がん領域でも「製品名:アフィニトール」として

  • 腎細胞がん
  • 神経内分泌腫瘍
  • 乳がん

などに適応を有しています。

もちろん、効能・効果、用法・用量等は全く異なりますので違う製品名として販売されています。

 

以上、今回は臓器移植時の拒絶反応とサーティカン(エベロリムス)の作用機序についてご紹介しました。

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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