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ゾレア(オマリズマブ)の作用機序【慢性蕁麻疹】

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厚生労働省は2017年3月30日、「特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者に限る)」を効能・効果に追加するゾレア皮下注用(一般名:オマリズマブ(遺伝子組換え)を承認したと発表がありました!

ゾレアは既に「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」の適応を有していましたが、上記効能・効果が追加されました。

 

本日は、慢性蕁麻疹とゾレア(オマリズマブ)の作用機序についてご紹介いたします♪

 

蕁麻疹とアレルギー

皮膚が赤くなって痒みを伴うような軽い蕁麻疹はご経験された方、多くいらっしゃると思います。私も子供の頃に腕や足に汗をかいて痒くなった経験があります・・。

ヒトの皮膚の表面には角層(表皮の最外層)があり、外部の刺激物などの侵入からからだを守る役目をしています。

角層の下に表皮と真皮がありますが、真皮には蕁麻疹の原因となるヒスタミンなどを蓄えている肥満細胞(マスト細胞とも呼ばれます)が存在します。

 

この肥満細胞は、B細胞の産生するIgE抗体とよく結合して存在しています。

何らかのアレルギー物質(アレルゲン)が体内に入ると、アレルゲンは肥満細胞のIgE抗体と結合します。そうすると肥満細胞が活性化され、ヒスタミンなどのアレルギー性物質が放出されます。

このヒスタミンが皮膚の毛細血管に作用すると、血液成分が血管外へ漏れ出して皮膚にミミズ腫れ、ブツブツ(膨疹)や赤み(紅斑)が生じ、また、皮膚に存在する神経に作用してかゆみを生じます。

いわゆる、アレルギー反応が引き起こさ、これが蕁麻疹の原因となります。

 

特発性の蕁麻疹

このような蕁麻疹を引き起こしやすい刺激として、汗、薬物、物理的刺激(こすれ、圧迫、冷感、温熱)、食品、等が挙げられます。

食物アレルギーによる腫れや痒みも蕁麻疹の一種です。

上記のように原因が特定できればよいのですが、蕁麻疹患者さんの70%以上は原因が特定できないと言われています。これを「特発性の蕁麻疹」と呼んでいます。

このタイプの蕁麻疹は毎日のように症状があらわれます。

発症して1ヵ月以内のものを急性蕁麻疹、1ヵ月以上持続するものを慢性蕁麻疹といいます。

 

治療法

薬物治療としては、痒み等の原因物質であるヒスタミンを抑制するため、ヒスタミンH1受容体拮抗薬が使用されますが、効果不十分な場合は、適応外使用としてヒスタミンH2受容体拮抗薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬が併用されるほか、重症例にはステロイド経口薬の短期的使用や免疫抑制剤も使用されることがあります。

ヒスタミンH1受容体拮抗薬については、以下の記事をご参照ください。

 

ゾレア(一般名:オマリズマブ)の作用機序

今回ご紹介するゾレアは、B細胞の産生するIgE抗体に結合してその働きを阻害する薬剤です☆

ゾレアによってIgE抗体を阻害すると、肥満細胞とIgEが結合できなくなります。

そうすることによって、アレルゲンが肥満細胞のIgEと結合できなくなるため、肥満細胞の活性を抑制でき、ヒスタミンの放出を抑制するといった作用機序を有しています。

その結果、そう痒・膨疹といった症状を抑制すると考えられています。

 

あとがき

これまで、ヒスタミンH1受容体拮抗薬が効かなかった場合の薬剤は限られていましたが、ゾレアでその選択肢が広がることは朗報ではないでしょうか♪

以上、今回は蕁麻疹とゾレア(一般名:オマリズマブ)の作用機序についてご紹介いたしました☆

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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