新薬承認・薬価収載

【新薬:薬価収載】13製品(2018年5月22日)

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2018年5月22日、新薬13製品が薬価収載されました。

 

2017年7月3日に承認された高脂血症治療剤のパルモディア(一般名:ペマフィブラート)は、今回ようやく薬価収載されました。(異例の3度の収載見送りでした)

今回は薬価一覧と、算定根拠も併せてご紹介します。

 

2018年5月22日:薬価収載の13製品

2018年5月22日に薬価収載された薬剤一覧は以下の通りです。

製品名
(一般名)
規格薬価効能・効果
(簡略)
アジレクト錠
(ラサギリン)
0.5mg 1錠
1mg 1錠
512.10円
948.50円
パーキンソン病
パルモディア錠
(ペマフィブラート)
0.1mg 1錠33.90円高脂血症
スージャヌ配合錠
(シタグリプチンリン/イプラグリフロジン)
1錠263.80円2型糖尿病
オルケディア錠
(エボカルセト)
1mg 1錠
2mg 1錠
280.70円
412.10円
二次性副甲状腺機能亢進症
ガラフォルドカプセル
(ミガーラスタット)
123mg 1カプセル142,662.10円ファブリー病
シベクトロ錠
シベクトロ点滴静注用
(テジゾリド)
200mg 1錠
200mg 1瓶
20,801.40円
28,084円
MRSA
プレバイミス錠
プレバイミス点滴静注
(レテルモビル)
240mg 1錠
240mg 12mL 1瓶
14,379.20円
17,897円
サイトメガロウイルス感染症
ネイリンカプセル
(ホスラブコナゾール L-リシンエタノール付加物)
100mg 1カプセル804.60円爪白癬
トレムフィア皮下注シリンジ
(グセルクマブ)
100mg 1mL 1筒319,130円乾癬
ヘルニコア椎間板注用
(コンドリアーゼ)
1.25単位 1瓶81,676円椎間板ヘルニア
ヘムライブラ皮下注
(エミシズマブ)
30mg 1mL 1瓶
60mg 0.4mL 1瓶
90mg 0.6mL 1瓶
105mg 0.7mL 1瓶
150mg 1mL 1瓶
376,006円
692,565円
989,990円
1,134,028円
1,552,824円
血友病A
ラパリムスゲル
(シロリムス)
0.2% 1g3,855.00円結節性硬化症
アイセントレス錠
(ラルテグラビル)
600mg 1錠1,553.60円HIV感染症

 

薬価の算定方法

各薬剤の薬価算定方法は2018年5月16日の中医協総会の資料に記載されているため、抜粋してご紹介します。

 

アジレクト:類似薬効比較方式(トレリーフ)

アジレクトは、同じくパーキンソン病に使用するトレリーフ(一般名:ゾニサミド)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • トレリーフOD錠25mg:948.50円(1日薬価:948.50円)
  • アジレクト0.5mg 1錠:512.10円
    アジレクト1mg 1錠:948.50円(1日薬価:948.50円)

 

ピーク時の予測販売金額は91億円です。

作用機序については下記記事をご参照ください。

 

パルモディア:類似薬効比較方式(リピディルとトライコア)

パルモディアは、同じく高脂血症のフィブラート系薬剤であるリピディル/トライコア(一般名:フェノフィブラート)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅱ)です。

 

  • リピディル錠80mg:33.90円(1日薬価:67.80円)
  • トライコア錠80mg:33.70円(1日薬価:67.40円)
  • パルモディア錠0.1mg:33.90円(1日薬価:67.80円)

 

なお、薬価に対して以下の不服意見が出されており、有用性加算(Ⅱ)の適用を希望されていましたが、残念ながら却下されています。

  1. フェノフィブラートが禁忌である「肝障害のある患者」に対して本剤は使用可能である。
    ⇒回答:ベザフィブラートは「肝障害のある患者」への投与は禁忌となっていない。
  2. 腎障害やスタチンで治療中の患者に対して、安全に使用しやすい画期的新薬として国内外の学会等で評価されている。
    ⇒回答:審査報告書において、臨床試験結果等から本剤は既存のフィブラート系薬剤と同等の臨床的位置付けである。

 

ピーク時の予測販売金額は140億円です。

作用機序については下記記事をご参照ください。

 

スージャヌ:配合剤の特例(ジャヌビア+スーグラ)

スージャヌは、ジャヌビア(一般名:シタグリプチン)スーグラ(一般名:イプラグリフロジン)の合剤です。

算定方式は新医療用配合剤の特例で、「(ジャヌビアの1日薬価+スーグラの1日薬価)×0.8」を1日薬価として算出されています。

 

  • ジャヌビア錠50mg:129.50円(1日薬価:129.50円)
  • スーグラ錠50mg:200.20円(1日薬価:200.20円)
  • スージャヌ配合錠:263.80円(1日薬価:263.80円)

 

ピーク時の予測販売金額は221億円です。

作用機序については下記記事をご参照ください。

 

オルケディア:類似薬効比較方式(レグパラ)

オルケディアは、同様の作用機序を有するレグパラ(一般名:シナカルセト)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • レグパラ錠25mg:549.50円(1日薬価:1,648.50円)
  • オルケディア錠1mg:280.70円
    オルケディア錠2mg:412.10円(1日薬価:1,648.40円)

 

なお、薬価に対して以下の不服意見が出されており、有用性加算(Ⅱ)の適用を希望されていましたが、残念ながら却下されています。

  1. レグパラと比較して本剤では上部消化管障害の発現が低い。
    ⇒回答:上部消化管障害の発現は第Ⅲ相試験の検証目的として設定されていない。また、本剤でも一定の割合で上部消化管障害が発現している。
  2. レグパラと比較して高用量投与が可能である。
    ⇒回答:第Ⅲ相試験であくまで非劣性が証明されたのみであり、臨床的位置づけはレグパラと同様である。

 

ピーク時の予測販売金額は84億円です。

作用機序については下記記事をご参照ください。

 

ガラフォルド:原価計算方式【加算あり】

ガラフォルドは類薬がないため、原価計算方式で算定されています。

 

新規作用機序のため有用性加算(Ⅱ)が5%、希少疾病用医薬品のため市場性加算(Ⅰ)が10%加算されています。

しかし、製造総原価の開示度が低いために加算係数0.2を乗じて、最終的には、(5%+10%)×0.2=3%の加算とされています。

 

有用性加算となった根拠は以下の通りです。

  • 新規作用機序:リソソームへα-Gal Aの適切な輸送を促進する(薬理学的シャペロン)
  • 既存薬は注射剤であるのに対し、本剤は経口投与が可能

 

加算前の薬価は138,506.90円でしたが、3%上乗せ(×1.03)した142,662.10円とされています。

 

ピーク時の予測販売金額は34億円です。

作用機序については下記記事をご参照ください。

 

シベクトロ:類似薬効比較方式(ザイボックス)

シベクトロは、同じオキサゾリジノン系抗菌剤のザイボックス(一般名:リネゾリド)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • ザイボックス錠600mg:10,400.70円(1日薬価:20,801.40円)
  • シベクトロ錠200mg:20,801.40円(1日薬価:20,801.40円)

 

  • ザイボックス注射液600mg:14,042円(1日薬価:28,084円)
  • シベクトロ点滴静注用200mg:28,084円(1日薬価:28,084円)

 

ピーク時の予測販売金額は錠剤が2.3億円、点滴静注用が3.5億円です。

作用機序については下記記事をご参照ください。

 

プレバイミス:原価計算方式【加算あり】

プレバイミスは類薬がないため、原価計算方式で算定されています。

 

新規作用機序のため画期性加算が75%、希少疾病用医薬品のため市場性加算(Ⅰ)が10%加算されています。

しかし、製造総原価の開示度が低いために加算係数0.2を乗じて、最終的には、(75%+10%)×0.2=17%の加算とされています。

 

画期性加算となった根拠は以下の通りです。

  • 新規作用機序:ウイルスターミナーゼ選択的阻害
  • 臨床試験にて全死亡率を低下させた
  • 造血幹細胞移植後の生着に影響を与えない
  • 骨髄抑制(好中球減少等)も認められていない

 

加算前の薬価と加算後の薬価はそれぞれ以下の通りです。

  • プレバイミス錠240mg 1錠:12,289.90円 ⇒加算後:14,379.20円
  • プレバイミス点滴静注240mg 12mL 1瓶:15,297円 ⇒加算後:17,897円

 

ピーク時の予測販売金額は錠剤が27億円、点滴静注用が11億円です。

作用機序については下記記事をご参照ください。

 

ネイリン:類似薬効比較方式(クレナフィン)【加算あり】

ネイリンは、同様の作用機序のクレナフィン(一般名:エフィナコナゾール)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • クレナフィン爪外用液10%:1,604.50円(1日薬価:1,850.70円)

クレナフィンは外用薬のため、ラミシール外用液1%と同錠125mgの剤形間比である「0.41407」を適応し、ネイリンの1日薬価は1,850.70円×0.41407≒766.30円とされました。

その後、有用性加算(Ⅱ)として5%加算され、766.30円×1.05=804.60円とされました。

 

ピーク時の予測販売金額は35億円です。

作用機序については下記記事をご参照ください。

 

トレムフィア:類似薬効比較方式(ステラーラ)

トレムフィアは、同様の作用機序のステラーラ(一般名:ウステキヌマブ)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • ステラーラ皮下注45mgシリンジ:437,038円(1日薬価:5,203円)
  • トレムフィア皮下注100mgシリンジ:319,130円(1日薬価:5,699円)

キット部分の加算と、外国平均価格調整による上乗せが行われています。

 

ピーク時の予測販売金額は97億円です。

作用機序については下記記事をご参照ください。

 

ヘルニコア:原価計算方式【加算あり】

ヘルニコアは類薬がないため、原価計算方式で算定されています。

 

新規作用機序のため有用性加算(Ⅰ)が40%加算されています。

また、製造総原価の開示度が高く加算係数は1.0とされているため、そのまま40%の加算とされています。

 

有用性加算となった根拠は以下の通りです。

  • 新規作用機序:グリコサミノグリカンの分解
  • 手術療法と比較して、患者さんへの侵襲が少ない
  • 保存療法で十分な効果が得られない椎間板ヘルニア患者さんに対して、新たな治療の選択肢になる

 

加算前の薬価は58,340円でしたが、40%上乗せ(×1.4)した81,676円とされています。

 

ピーク時の予測販売金額は4.2億円です。

作用機序については下記記事をご参照ください。

 

ヘムライブラ:類似薬効比較方式(イロクテイト)【加算あり】

ヘムライブラ は、同じく血友病Aに使用されるイロクテイト(一般名:エフラロクトコグ アルファ)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

また、新規作用機序のため有用性加算(Ⅰ)が50%、希少疾病用医薬品のため市場性加算(Ⅰ)が10%加算されています。

 

有用性加算となった根拠は以下の通りです。

  • 新規作用機序:二重特異性抗体
  • インヒビター保有患者さんに対して効果が認められた
  • 皮下投与製剤のため、利便性がよい
  • ヒト又は動物由来の原材料が使用されておらず、原材料由来の感染症伝播リスクが低減されている

 

ヘムライブラ皮下注90mgの加算前の薬価は618,744円でしたが、60%加算(×1.6)されて989,990円とされています(1日薬価:117,856円)。

 

ピーク時の予測販売金額は50億円です。

作用機序については下記記事をご参照ください。

 

ラパリムスゲル:類似薬効比較方式(ラパリムス錠)【加算あり】

ラパリムスゲルは、同有効成分のラパリムス錠の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • ラパリムス錠1mg:1,285.00円(1日薬価:2,570.00円)

ラパリムスゲルの1日最大塗布量を0.8gとし、加算前の1日薬価は3,212.5円(ラパリムス錠の1日薬価2,570.00円÷0.8)とされました。

 

また、新規作用機序のため有用性加算(Ⅱ)が10%先駆け審査指定制度加算が10%加算されています。

有用性加算となった根拠は以下の通りです。

  • 「結節性硬化症に伴う皮膚病変」の効能・効果を有する初めての医薬品である
  • 既存治療の外科的切除等に比べ侵襲性が低い
  • 外用薬のため、血中への移行が少ない

 

加算前の1日薬価3,212.5円に20%加算(×1.2)され、3,855.00円とされています。

 

ピーク時の予測販売金額は30億円です。

作用機序については下記記事をご参照ください。

 

アイセントレス:類似薬効比較方式(400mg錠)

アイセントレス錠600mgは、既存の400mg錠と1日薬価を合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • アイセントレス錠400mg:1,553.60円(1日薬価:3,107.20円)
  • アイセントレス錠600mg:1,553.60円(1日薬価:3,107.20円)

 

ピーク時の予測販売金額は35億円です。

作用機序については下記記事をご参照ください。

 

あとがき

以下の薬剤は承認から少し時間がかかっての薬価収載ですね。

 

その他の新薬は主に2018年3月23日に承認された薬剤でしたが、糖尿病に使用するオゼンピック皮下注(一般名:セマグルチド)は今回の収載が見送られています。

 

以上、今回は2018年5月22日に薬価収載された新薬とその算定根拠をまとめてご紹介しました。

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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