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【肺癌 新薬】キイトルーダ点滴静注

2017/12/13


厚労省は2016年12月19日、「PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に対するキイトルーダ点滴静注20mg、同100mg(ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))を承認したと発表がありました!



 

肺がんは組織学的に“小細胞肺がん”と“非小細胞肺がん”に分類されています。

非小細胞肺がんは、遺伝子変異によって様々な分子標的治療薬が使用できる疾患です。

例えば、EGFR遺伝子変異があれば、イレッサやタルセバが使用できますし、

ALK遺伝子変異があればザーコリやアレセンサが使用できます。

ただし、EGFRやALK遺伝子に変異の無い患者さんも半数は存在し、そのような患者さんに対しては抗がん剤(白金製剤を含む2剤併用療法)が基本的に使用されます。

このような本来、抗がん剤が適応となる患者さんの中には“PD-L1”と呼ばれる、がん免疫に関与する受容体が高発現している場合があります。(詳しくは後述)

今回紹介するキイトルーダは、「ヒト型抗ヒトPD-1(ピーディーワン)モノクローナル抗体薬」と呼ばれる、がん免疫療法薬です。

これまで、非小細胞肺がんで遺伝子変異のない患者さんは抗がん剤しか選択肢がありませんでしたが、今回紹介するキイトルーダはPD-L1が高発言している患者さんに対して初回から使用可能ながん免疫療法薬です!

通常、がんができると生体内の免疫反応が活性化され、がん細胞を死に導こうとしますが、がん細胞はヒトの免疫機構から逃れる術をいくつか持っています。

その一つに、がん細胞ではヒトの免疫反応を抑制する「PD-L1」を大量に発現し、免疫反応(T細胞からの攻撃)から逃れています。

PD-L1はT細胞のPD-1と結合することで、T細胞の活性を抑制させる働きがある、いわば、ブレーキのような働きを担っています。

本来、PD-L1やPD-1はT細胞が自己を攻撃しない(自己免疫抑制作用)のために体内に存在していますが、がん細胞はそれを逆手に取っています。

これを“免疫チェックポイント”と呼んでいます。

キイトルーダはこのT細胞の「PD-1」を抑制することで、がん細胞からのブレーキを解除させ、ヒト本来の免疫反応を活性化させます。

その結果、T細胞が、がん細胞を攻撃することでがん細胞を死に導く、といった作用機序を有しています☆

T細胞が活性化され、ヒト本来の免疫力によってがん細胞を攻撃しますので、従来の抗がん剤と比較して副作用が比較的少ないと言われています。

ただし、免疫活性化に伴い、自己免疫疾患(例:甲状腺機能異常、腸炎)等の発現が認められていますので注意が必要となります。

肺がんに対しては既にオプジーボ(一般名:ニボルマブ)が承認されていましたが、初回からは使用できず、抗がん剤等に抵抗となった患者さんにしか使用できませんでした。

今回紹介したキイトルーダは初回治療から使用可能となる見込みのため、大いに期待されている薬剤です☆

以上、本日は肺がんに対するキイトルーダをご紹介しました^^

 
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