1.中枢神経系

ベルソムラ(スボレキサント)の作用機序と副作用【不眠症】

2014年9月26日、厚労省は「不眠症」を効能・効果とするベルソムラ錠(一般名:スボレキサント)を承認しました。

製薬会社

  • 製造販売元:MSD(株)

 

ベルソムラは「オレキシン受容体拮抗薬」という新たな作用機序を有する薬剤です。

 

今回は不眠症とベルソムラ(スボレキサント)の作用機序についてご紹介します。

 

不眠症とは

皆様もストレスや不安、緊張で夜眠れなくなった経験があるのではないでしょうか?

不眠症は多くの方が経験するもので、3人に1人は不眠症だと言われています。

近年、ストレス社会ともいわれ、不眠症の患者さんは年々増加傾向にあります。

 

不眠の症状は以下の4つに分類されています。

  • 入眠障害:なかなか寝付けない
  • 中途覚醒:夜中に目が覚めてしまう
  • 早期覚醒:朝早くに目が覚めてしまう
  • 熟眠障害:睡眠が浅く、よく寝た気がしない

私も不眠を経験したことがありますが、持続的な不眠は日中の眠気やだるさ、ストレス増大、と心身共に悪影響を及ぼしてしまいます。

 

不眠症と脳の興奮系・抑制系バランス

不眠は、以下のような様々な原因によって引き起こされます。

  • ストレス(仕事、人間関係、家庭など)
  • アルコール摂取
  • 薬の服用
  • 精神疾患(うつ病など)
  • 生活習慣病

 

脳内には、「興奮系」と「抑制系」の神経が存在しています。

通常はバランスよく存在していますが、上記のような原因によって、興奮系が優位となることで不眠症を発症すると考えられています。

興奮系には「オレキシン」と呼ばれる物質が関与しており、抑制系には「GABA(γ-アミノ酪酸)」が関与しています。

 

脳内の神経から分泌されるオレキシンが「オレキシン受容体」を刺激することで脳が興奮・覚醒すると考えられています。

 

不眠症の治療

不眠症の治療には、

  • 非薬物療法:生活改善、お酒を控える
  • 薬物療法

があります。

 

まずは、非薬物療法として日常生活の見直しや生活改善(お酒を控える、ストレスを減らす)、入眠環境を整える、 などの改善を心がけます。

 

非薬物療法を行っても改善しない場合、症状や程度に合わせて以下のような薬物療法が行われます。

  • GABA受容体作動薬(ベンゾジアゼピン受容体作動薬)
  • メラトニン受容体作動薬
  • オレキシン受容体拮抗薬

今回ご紹介するベルソムラは「オレキシン受容体拮抗薬」に分類されている薬剤です!

 

ベルソムラ(スボレキサント)の作用機序

ベルソムラは前述オレキシン受容体を遮断する薬剤です。

オレキシンがオレキシン受容体に結合することを阻害し、脳の興奮・覚醒を抑制する結果、睡眠作用を促すといった作用機序を有しています。

 

類薬(ベンゾジアゼピン受容体作動薬)との違い

ベンゾジアゼピン受容体作動薬による睡眠導入は、抑制系のGABAの働きを高める薬剤です。

抑制系を亢進させることで、覚醒を無理やり抑えるといった作用機序で睡眠を促していました。

 

それに対し、ベルソムラは興奮系の働きを直接抑制することができるので、より自然な睡眠を促すことが可能と考えられています。

 

臨床試験の結果からは、これまでのベンゾジアゼピン系で見られるような耐性や依存性(リバウンドや半跳性不眠)が認められないという特徴もあります。

 

副作用

主な副作用として傾眠、頭痛、疲労などが報告されています。

 

あとがき・類薬

ベルソムラは日本において世界初の「オレキシン受容体拮抗薬」として承認されました。

今後は今までの睡眠薬との使い分け等が検討されればより治療選択の幅が広がるのでは、と期待しています!☆

 

2020年には2製品目のオレキシン受容体拮抗薬となるデエビゴ(レンボレキサント)が承認されましたので、両薬剤の比較表等について以下の記事で解説しています。

デエビゴ(レンボレキサント)の作用機序:ベルソムラとの違い・比較【不眠症】

続きを見る

 

以上、今回は不眠症ベルソムラ(スボレキサント)の作用機序についてご紹介しました。

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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