1.中枢神経系

エムガリティー(ガルカネズマブ)の作用機序【片頭痛の予防】

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2020年1月、「片頭痛発作の発症抑制」を予定効能・効果とするエムガリティー(ガルカネズマブ)の製造販売承認申請が行われました!

現時点では未承認のためご注意ください。

基本情報

製品名エムガリティー?
海外では「Emgality」
一般名ガルカネズマブ
製品名の由来不明
製造販売日本イーライリリー(株)
効能・効果片頭痛発作の発症抑制?
用法・用量1か月毎に皮下注?
収載時の薬価薬価未収載

 

エムガリティーは海外では既に「Emgality」の製品名で承認・販売されている抗CGRP抗体製剤ですね!

CGRP:Calcitonin Gene-related Peptide(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)

 

国内ではCGRPに関連する薬剤の開発がいくつも進行中ですが、エムガリティーが国内初となる見込みです。2020年7月には2製品目となるアジョビ(フレマネズマブ)も申請されました。

アジョビ(フレマネズマブ)の作用機序【片頭痛の予防】

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片頭痛予防はこれまでカルシウム拮抗薬や抗てんかん薬の連日投与が基本でした。

 

木元 貴祥
エムガリティーは1か月に1度の皮下投与で予防効果を発揮すると期待されていますよ。

 

今回は片頭痛とエムガリティー(ガルカネズマブ)の作用機序について紹介していきます。

 

片頭痛とは

片頭痛は日本人の約10%(約1000万人)に認められる疾患です。

年代としては20歳~40歳代、性別は女性に多いとされています(男:女=1:4)。

 

もしかしたら今ご覧の方々でも経験されたことがあるかもしれません。

 

症状としては

  • ズキズキと脈打つような痛み
  • 頭の片側に急に起こる
  • 一度発症すると4~72時間くらい持続する

が特徴的です。

 

木元 貴祥
その他にも吐き気や嘔吐を伴うこともあります。

 

人によっては前兆症状として

  • 目のちらつき(キラキラした感じ)
  • 視野が狭くなる
  • しびれ
  • 言語障害

といった症状が現れることもあります。

 

片頭痛を発症しやすい要因として、

  • ストレス
  • 睡眠不足
  • 高血圧
  • ホルモンバランスの乱れ

などが知られていますね。

 

片頭痛の原因:三叉神経血管説

片頭痛の原因は、明確には解明されていませんが、

  • 血管説(セロトニン説)
  • 神経説
  • 三叉神経血管説

などが提唱されています。1)

 

最近では、最も有力なのは「三叉神経さんさしんけい血管説」と言われています。

 

木元 貴祥
三叉神経は顔面周辺に存在している、脳神経の中でも最も大きい神経です。

 

何らかの原因で三叉神経が刺激されると、「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」などの血管作動性物質が分泌されることが知られています。

 

CGRPは血管拡張作用がある物質で、血管のCGRP受容体に作用すると、血管の過度な拡張によって周囲の神経が圧迫されて痛みを生じます。

その他にもCGRPは炎症反応を増強させたり、痛みを増強させる作用もあるため、これらの作用によって片頭痛が引き起こされます。

片頭痛の発症と三叉神経血管説:CGRPが関与している

 

このように血管の過度な拡張と炎症反応によって片頭痛が生じると考えられています。

 

片頭痛の治療

片頭痛の治療薬には、

  • 急性期治療薬(片頭痛の治療目的)
  • 予防薬(片頭痛の予防目的)

があります。

 

急性期治療薬 (片頭痛の治療目的)

今起こっている片頭痛を速やかに消失させる目的の薬です。

 

重症度に応じて、

  • 軽度~中等度:アセトアミノフェン、NSAIDsなど
  • 中等度~重度:トリプタン製剤

の使用が推奨されています。

 

ただし、軽度~中等度の頭痛でも、アセトアミノフェンやNSAIDsの効果が無い場合、トリプタン製剤に変更することもあります。

【片頭痛】トリプタン製剤の作用機序と薬剤一覧まとめ比較・使い分け

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吐き気や嘔吐を併発している場合、制吐薬(プリンペランやナウゼリン等)を併用します。

 

予防薬 (片頭痛の予防目的)

片頭痛発作が月に2回以上または6日以上ある場合、予防療法が行われることがあります。1)

 

木元 貴祥
片頭痛の症状が無い時に、原則、毎日服用することで発症を予防していきます。

 

主に使用される薬剤は以下です。

  • カルシウム拮抗薬
  • 抗てんかん薬
  • β遮断薬
  • 抗うつ薬
  • 漢方薬

 

今回ご紹介するエムガリティーは1か月毎の皮下注投与で片頭痛の発症予防効果が期待されている薬剤です!新たな治療選択肢として期待できますね。

 

それではエムガリティーの作用機序について解説していきます。

 

エムガリティー(ガルカネズマブ)の作用機序

エムガリティーは片頭痛の発症に関与していると考えられているCGRPを選択的に阻害する抗CGRP抗体製剤です。

CGRP:Calcitonin Gene-related Peptide(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)

エムガリティー(ガルカネズマブ)の作用機序:抗CGRPモノクローナル抗体

 

CGRPの働きが阻害されることで三叉神経付近の過度な血管拡張・炎症が抑制され、片頭痛の発症を予防すると考えられています。

 

エビデンス紹介:EVOLVE-1/2試験、REGAIN試験

根拠となる臨床試験の一部をご紹介します。主には以下の海外で行われた第Ⅲ相試験です。

  • EVOLVE-1試験2):反復性片頭痛患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(北米)
  • EVOLVE-2試験3):反復性片頭痛患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(国際共同)
  • REGAIN試験4):慢性片頭痛患者さんを対象とした第Ⅲ相試験

 

木元 貴祥
代表としてEVOLVE-1試験をご紹介します。

 

EVOLVE-1試験は反復性片頭痛患者さんを対象に、エムガリティー120mg(初回のみ240mg)、エムガリティー240mg、プラセボを比較した第Ⅲ相試験です。

主要評価項目は「治療期間中の1か月当たりの片頭痛日数のベーススラインからの平均変化」とされ、結果は以下の通りでした。

プラセボエムガリティー
120mg
エムガリティー
240mg
1か月当たりの片頭痛日数の
ベーススラインからの平均変化
-2.8日-4.7日-4.6日
プラセボとの差:いずれもp<0.001

 

EVOLVE-2試験でも同様の結果が報告されていますし、慢性片頭痛患者さんを対象としたREGAIN試験でも同様の結果でした。

 

副作用

後日更新予定です。

臨床試験では注射部位反応が主な副作用として報告されていました。

 

木元 貴祥
ただ、頻度は低そうな印象です。皮下注製剤ですのである程度は仕方ないかと・・・。

 

用法・用量

後日更新予定です。

臨床試験では1か月に一度の皮下投与で効果が期待されています。

 

国内2番手となる見込みのアジョビ(フレマネズマブ)は3か月に一度の投与で効果が期待されているので、使い分けのヒントになるかもしれませんね。

アジョビ(フレマネズマブ)の作用機序【片頭痛の予防】

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収載時の薬価

現時点では未承認かつ薬価未収載です。

 

まとめ・あとがき

エムガリティーはこんな薬

  • 片頭痛の発症を予防する
  • CGRPを選択的に阻害する抗CGRP抗体製剤
  • 月に1回の皮下注投与

 

これまで片頭痛の発症予防はカルシウム拮抗薬や抗てんかん薬の連日投与が基本でした。

 

エムガリティーが承認されれば、国内初のCGRP関連治療薬として1か月に1度の投与で発症が予防できますので、患者さんにとってはより治療が行いやすくなると思います。

 

ちなみに、エムガリティーは海外では反復性群発頭痛でも予防効果5)が示されていて適応も取得していますが、日本ではどうなるのか今後の動向も要チェックです!

 

片頭痛の代表的な急性期治療薬であるトリプタン製剤については以下の記事で作用機序や一覧表を作成していますので、併せてご覧くださいませ。

【片頭痛】トリプタン製剤の作用機序と薬剤一覧まとめ比較・使い分け

続きを見る

 

以上、今回は片頭痛とエムガリティー(ガルカネズマブ)の作用機序について紹介しました!

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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