新薬承認・薬価収載

【新薬:薬価収載】12製品(2018年11月20日)と市場拡大再算定

更新日:

2018年11月20日、新薬12製品が薬価収載されました!

その他、2019年2月1日より、マヴィレット配合錠(一般名:ピブレンタスビル/グレカプレビル)の薬価改定が行われます(市場拡大再算定の特例品目)。

 

また、これまで収載が見送られていたオゼンピックですが、薬価収載希望の取り下げが判明しました。

 

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2018年11月20日:薬価収載の12製品

2018年11月20日に薬価収載された新薬一覧は以下の通りです。(スマホでは横スクロールができます)

製品名
(一般名)
規格薬価効能・効果
(簡略)
モビコール配合内用剤
(マクロゴール4000/NaCl/NaHCO3/KCl)
6.8523g:1包83.90円慢性便秘症
ベオーバ錠
(ビベグロン)
50mg:1錠185.70円過活動膀胱(OAB)
トラディアンス配合錠
(エンパグリフロジン/リナグリプチン)
AP:1錠
BP:1錠
283.30円
395.60円
2型糖尿病
メトアナ配合錠
(アナグリプチン/メトホルミン)
LD:1錠
HD:1錠
62.20円
62.20円
2型糖尿病
ゾスパタ錠
(ギルテリチニブ)
40mg:1錠19,409.10円FLT3陽性のAML
ベージニオ錠
(アベマシクリブ)
50mg:1錠
100mg:1錠
150mg:1錠
3,258.70円
5,949.20円
8,460.10円
ホルモン陽性・
HER2陰性の乳がん
ローブレナ錠
(ロルラチニブ)
25mg:1錠
100mg:1錠
7,216.40円
25,961.00円
ALK陽性の
非小細胞肺がん
ロラピタ静注
(ロラゼパム)
2mg/1mL:1瓶2,225円てんかん重積状態
ビーリンサイト点滴静注用
(ブリナツモマブ)
35μg:1瓶281,345円B細胞性ALL
フィラジル皮下注
(イカチバント)
30mg/3mL:1筒301,704円遺伝性血管性浮腫
ジビイ静注用
(ダモクトコグ アルファ ペゴル)
500国際単位:1瓶
1,000国際単位:1瓶
2,000国際単位:1瓶
3,000国際単位:1瓶
75,376円
139,307円
257,462円
368,761円
血友病A
エイベリス点眼液
(オミデネパグ イソプロピル)
0.002%:1mL945.30円緑内障・高眼圧症

 

薬価の算定方法

各薬剤の薬価算定方法は2018年11月14日の中医協の資料に記載されているため、抜粋してご紹介します。

 

モビコール:類似薬効比較方式(グーフィス)【加算あり】

モビコールは、同じく慢性便秘症に使用されるグーフィス錠(一般名:エロビキシバット)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • グーフィス錠5mg:105.80円(1日薬価:215.20円*
    *国内長期投与試験での平均投与量を基に算出

また、ネキシウム(カプセル剤と顆粒剤)を参考に剤形間比を1.1519とし、更に小児加算(5%)が行われ、最終的な薬価は以下の通りです。

 

  • モビコール配合内用剤(1包):83.90円(1日薬価:260.30円)

 

ピーク時の予測販売金額は15億円です。

作用機序や類薬との使い分け・一覧表については下記記事をご参照ください。

 

ベオーバ:類似薬効比較方式(ベタニス)

ベオーバは、同じく過活動膀胱(OAB)に使用されるアドレナリンβ3受容体作動薬のベタニス錠(一般名:ミラベグロン)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • ベタニス錠50mg:185.70円(1日薬価:185.70円)
  • ベオーバ錠50mg:185.70円(1日薬価:185.70円)

 

ピーク時の予測販売金額は185億円です。

 

ベオーバはベタニスよりも使いやすい印象を受けましたが、薬価は同じとなっています。両薬剤共にプラセボ対照試験しかなく、直接比較試験がない以上、有意性を訴えるのは難しいのでしょうね。

 

作用機序やエビデンス、ベオーバとベタニスの違い・一覧表については下記記事をご参照ください。

 

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トラディアンス:新医療用配合剤の特例

トラディアンスはトラゼンタ錠とジャディアンス錠の配合剤で、全て日本ベーリンガーインゲルハイム社の製品です。

よって、新医療用配合剤の特例「自社品の薬価の合計の0.8倍」により算定されています。

 

  1. ジャディアンス錠10mg:198.70円(1日薬価:198.70円)
  2. トラゼンタ錠5mg:155.40円(1日薬価:155.40円)

上記を足し算(198.70+155.40)して0.8倍すると、283.28≒283.30円となります。

 

トラディアンスのAP錠(低用量)とBP錠(高用量)については、ジャディアンス錠10mgと25mgの規格間比:0.5830を用いて算出されています。

 

  • トラディアンスAP錠:283.30円(1日薬価:283.30円)
  • トラディアンスBP錠:395.60円

 

ピーク時の予測販売金額は142億円です。

作用機序やエビデンスについては下記記事をご参照ください。

 

メトアナ:新医療用配合剤の特例

メトアナはスイニー錠とメトホルミンの配合剤です。

 

三和化学研究所はスイニー錠およびメトホルミンのGE品を取り扱っているため、新医療用配合剤の特例
(「自社品の薬価」+「自社の後発品の薬価」)の0.8倍により算定されました。

しかし、上記の計算ではスイニー錠100mgの薬価を下回ったため、本剤の薬価はスイニー錠100mgの薬価と同額とされています。

 

  • スイニー錠100mg:62.20円(1日薬価:124.40円)
  • メトアナ配合錠LD錠:62.20円
  • メトアナ配合錠HD錠:62.20円(1日薬価:124.40円)

 

メトホルミンが低用量のLD錠と高用量のHD錠で薬価は同じに設定されています。

 

ピーク時の予測販売金額は59億円です。

作用機序については下記記事をご参照ください。

 

ゾスパタ:類似薬効比較方式(エボルトラ)【加算あり】

ゾスパタは、再発・難治性のALLに使用されるエボルトラ点滴静注(一般名:クロファラビン)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • エボルトラ点滴静注20mg:144,255円(1日薬価:200,927円)

 

そこからエンドキサン錠50mgと注射用エンドキサン500mgの剤形間比を0.251994とし、有用性加算(Ⅱ)が5%先駆け審査指定制度加算が10%加算されています。

加算前の40mg製剤の薬価は16,877.40円でしたが、15%上乗せ(×1.15)した19,409.10円とされています。

  • ゾスパタ錠40mg:19,409.10円(1日薬価:58,227.30円)

 

有用性加算の根拠

  • 本剤はFLT3等のチロシンキナーゼ阻害作用を有する新規作用機序医薬品である。
  • 再発又は難治性のFLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病患者を対象とした臨床試験において、一定の寛解率が認められており、臨床的意義があると評価されている。

 

ピーク時の予測販売金額は71億円です。

作用機序やエビデンスについては下記記事をご参照ください。

 

ベージニオ:類似薬効比較方式(イブランス)

ベージニオは、同じく乳がんに使用するCDK4/6阻害薬のイブランス(一般名:パルボシクリブ)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • イブランスカプセル125mg:22,560.30円(1日薬価:16,920.20円)
  • ベージニオ50mg:3,258.70円
  • ベージニオ100mg:5,949.20円
  • ベージニオ150mg:8,460.10円(1日薬価:16,920.20円)

 

ピーク時の予測販売金額は254億円です。

作用機序やエビデンス、ベージニオとイブランスの比較については下記記事をご参照ください。

 

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ローブレナ:類似薬効比較方式(ザーコリ)【加算あり】

ローブレナは同じくALK阻害薬で肺がんに使用されるザーコリ(一般名:クリゾチニブ)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • ザーコリカプセル250mg:12,362.40円(1日薬価:24,724.80円)

 

そこから有用性加算(Ⅱ)が5%加算されています。

加算前の100mg錠の薬価は24,724.80円でしたが、5%上乗せ(×1.05)した25,961.00円とされています。

なお、100mg錠と25mg錠の規格間比はザーコリ(250mgと200mg)を参考に0.923498とされています。

 

  • ローブレナ錠25mg:7,216.40円
  • ローブレナ錠100mg:25,961.00円(1日薬価:25,961.00円)

 

有用性加算の根拠

  • 本剤は、既存のALK阻害薬の耐性となる変異として報告されているG1202R変異等を有する患者に対して奏効が認められたことから、治療方法の改善が示されていると考えられる。
  • ただし、奏効率の結果を基に、本薬の延命効果に関する評価を行うことは困難であることから、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)とすることが妥当と判断した。

奏効率の結果は報告されていますが、やはり延命効果についてデータが欲しいところですよね。

今後のフォローアップ解析には注目です!

 

ピーク時の予測販売金額は75億円です。

作用機序やエビデンスについては下記記事をご参照ください。

 

ロラピタ:類似薬効比較方式(ノーベルバール)【加算あり】

ロラピタは同じくてんかん重積状態に適応のあるノーベルバール(一般名:フェノバルビタール)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • ノーベルバール静注用250mg:2,119円(1日薬価:8,476円)

 

また、小児加算(5%)が行われ、最終的な薬価は以下の通りです。

  • ロラピタ静注2mg:2,225円(1日薬価:8,900円)

 

ピーク時の予測販売金額は1.4億円です。

作用機序については下記記事をご参照ください。

 

ビーリンサイト:類似薬効比較方式(ベスポンサ)【加算あり】

ビーリンサイトは同じく再発・難治性のALLに使用するベスポンサ点滴静注用(一般名:イノツズマブ オゾガマイシン)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • ベスポンサ点滴静注用1mg:1,307,092円(1日薬価:126,041円)

 

また、有用性加算(Ⅱ)が10%小児加算が5%加算され、外国平均価格調整の結果、以下の薬価です。

  • ビーリンサイト点滴静注用35μg:281,345円(1日薬価:150,051円)

 

有用性加算の根拠

  • 本剤は、腫瘍用薬として初めての二重特異性抗体であり、T細胞とB細胞性腫瘍細胞を架橋することにより、T細胞が活性化し、腫瘍細胞を傷害する新規作用機序医薬品である。
  • 本剤の臨床試験では、主要評価項目である全生存期間について、既存化学療法群に対する本薬群の優越性が検証されているものの、比較薬とは直接の比較試験が実施されていないことを踏まえ、有用性加算(Ⅱ)(10%)とすることが妥当と判断した。

 

ピーク時の予測販売金額は23億円です。

作用機序やエビデンスについては下記記事をご参照ください。

 

フィラジル:類似薬効比較方式(ベリナート)【加算あり】

フィラジルは同じく遺伝性血管性浮腫に使用するベリナートP静注用500(一般名:乾燥濃縮ヒトC1-インアクチベーター)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • ベリナートP静注用500:99,483円(1日薬価:298,449円)

 

また、有用性加算(Ⅱ)が5%市場性加算(Ⅰ)が10%加算され、外国平均価格調整の結果、以下の薬価です。

  • フィラジル皮下注30mgシリンジ:301,704円(1日薬価:301,704円)

 

有用性加算の根拠

  • 本剤は、遺伝性血管浮腫に用いられる皮下投与製剤である。
  • 遺伝性血管浮腫の発作時にはできるだけ早く治療することが必要であるところ、本剤は従来の静脈内投与製剤と比較して早期に治療を開始することができ、治療上の利便性が高い

 

また、発売時より自己投与も可能です!

 

ピーク時の予測販売金額は9.8億円です。

作用機序やエビデンスについては下記記事をご参照ください。

 

ジビイ:類似薬効比較方式(ノボエイト)

ジビイは同じく血友病Aに使用するノボエイト静注用(一般名:ツロクトコグ アルファ)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅱ)です。

 

  • ノボエイト静注用3000:204,017円(1日薬価:70,240円)
  • ジビイ静注用500:75,376円
  • ジビイ静注用1000:139,307円
  • ジビイ静注用2000:257,462円
  • ジビイ静注用3000:368,761(1日薬価:70,240円)

 

ピーク時の予測販売金額は67億円です。

作用機序やエビデンスについては下記記事をご参照ください。

 

エイベリス:類似薬効比較方式(タプロス)

エイベリスは同じく緑内障等に使用するタプロス点眼液(一般名:タフルプロスト)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

  • タプロス点眼液0.0015%:945.30円(1日薬価:47.30円)
  • エイベリス点眼液0.002%:945.30円(1日薬価:47.30円)

 

ピーク時の予測販売金額は89億円です。

作用機序やエビデンス、プロスタグランジン製剤との比較や使い分けについては下記記事をご参照ください。

 

マヴィレット配合錠の市場拡大再算定

市場拡大再算定とは、

2年度目以降の予想販売額が一定額(原価計算方式で算定された品目では100億円以上、それ以外では15億円以上)を超える医薬品について、一定規模以上の市場拡大のあった場合、新薬収載の機会(年4回)を活用して、薬価を見直す制度

とされています。

 

今回マヴィレット配合錠は
年間販売額が1,000億円超かつ、基準年間販売額の1.5倍超という要件に該当する」と判断され、市場拡大再算定の対象となったようです。

 

その結果、2019年2月1日より、現在販売されているマヴィレット配合錠の薬価は以下に減額されます。

  • 1錠:24,180.20円 ⇒ 1錠:18,135.20円

 

マヴィレット配合錠の作用機序やエビデンスについては以下の記事をご覧ください。

 

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あとがき

今回は慢性便秘症のモビコールの薬価が気になっていましたが、グーフィスとほぼ同じということでやや高い印象を受けますね。

類薬がある薬剤(ベージニオエイベリスベオーバなど)ではほぼほぼ類薬と同じ薬価のため、使いやすいのでは、と感じました♪

 

 

<2018.11.15追記>

ミクス社のニュースより、オゼンピックの薬価収載希望の取り下げが判明しました。以下の記事に詳細を記載しています。

 

以上、今回は2018年11月20日に薬価収載された新薬を一覧としてご紹介しました!

参考になったらシェアいただけると嬉しいです!
   

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

大阪薬科大学 卒。外資系製薬メーカー(MR)、薬剤師国家試験予備校講師、調剤薬局薬剤師を経て現在に至る。今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師です。薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。FP資格あり。

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