疾患・作用機序まとめ 新薬承認・薬価収載

2017年に承認された新薬一覧のまとめとアクセスランキング

本記事では、2017年の

  • 新薬情報オンライン、新薬アクセス数ランキング
  • 2017年中に承認された新薬の一覧

を紹介して参ります。

 

※2019年以降の薬剤師国家試験のヤマ・新薬対策にもお役立て頂けると思います。

薬剤師国家試験対策:ランキングから考える新薬のヤマ!

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新薬のアクセスランキング:2017年1月1日~12月31日

2017年1月1日から12月31日のアクセスランキングです。(新薬もしくは新配合薬のみ)

ランキング 医薬品名
(一般名)
承認年月 効能・効果(略) 作用機序
1位 ルパフィン
(ルパタジン)
2017年9月 アレルギー性鼻炎 H1受容体拮抗
2位 ケブザラ
(サリルマブ)
2017年9月 関節リウマチ IL-6受容体阻害
3位 カナリア
(テネリグリプチン/カナグリフロジン)
2017年7月 2型糖尿病 SGLT2阻害薬と
DPP-4阻害薬の配合剤
4位 マヴィレット
(ピブレンタスビル/グレカプレビル)
2017年9月 C型肝炎 NS5A阻害薬と
NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬の配合剤
5位 パルモディア
(ペマフィブラート)
2017年7月 高脂血症 PPARαの活性化
6位 アトーゼット
(エゼチミブ/アトルバスタチン)
2017年9月 高脂血症 LDLコレステロール吸収阻害と
LDLコレステロール合成阻害
7位 インチュニブ
(グアンファシン)
2017年3月 ADHD α2Aアドレナリン受容体刺激
8位 スインプロイク
(ナルデメジン)
2017年3月 オピオイド誘発性
便秘症
消化管のμ受容体阻害
9位 イブランス
(パルボシクリブ)
2017年9月 乳がん CDK4/6阻害
10位 スピンラザ
(ヌシネルセン)
2017年7月 脊髄性筋委縮症 アンチセンス核酸医薬品

 

上記表の画像は以下をクリックすると別ウィンドウで開きます。

 

上記の中で薬剤師国家試験に出題されたのは以下ですね。(漏れがあったらすみません)

  • スインプロイク(ナルデメジン)

 

  • ナルデメジンは、中枢神経でオピオイドμ受容体を遮断して、モルヒネが引き起こす呼吸抑制を改善する。(106回 問29改)

解答・解説

>>誤。ナルデメジンは、消化管でオピオイドμ受容体を遮断し、オピオイドにより誘発される便秘を改善します。

スインプロイク(ナルデメジン)の作用機序【オピオイド誘発性便秘症】

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上記のランキング外ですが、2017年に承認されたアメナリーフ錠200mg(一般名:アメナメビル)は第107回薬剤師国家試験に出題されています。

  • アメナメビルは、帯状疱疹ウイルスのヘリガーゼ•プライマーゼ複合体のDNA依存性ATPase活性を阻害して、mRNAの合成を阻害する。(107回 問166)

解答・解説

>>誤。アメナメビルは、ヘルペスウイルス(帯状疱疹ウイルス)のヘリガーゼ•プライマーゼ活性を阻害することで、ヘルペスウイルスのDNA合成を初期段階で阻害する。

アメナリーフ(アメナメビル)の作用機序【帯状疱疹・単純疱疹】

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2017年3月30日承認の新薬:8製品

●ニンラーロカプセル2.3mg、同3mg、同4mg(一般名:イキサゾミブクエン酸エステル)
:「再発又は難治性の多発性骨髄腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●インチュニブ錠1mg、同3mg(一般名:グアンファシン塩酸塩)
:「小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●スインプロイク錠0.2mg(一般名:ナルデメジントシル酸塩)
:「オピオイド誘発性便秘症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●ナルラピド錠1mg、同錠2mg、同錠4mg
●ナルサス錠2mg、同錠6mg、同錠12mg、同錠24mg(一般名:ヒドロモルフォン塩酸塩)
:「中等度から高度の疼痛を伴う各種がんにおける鎮痛」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●ザルトラップ点滴静注100mg、同点滴静注200mg(一般名:アフリベルセプト ベータ(遺伝子組換え))
:「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●ムンデシンカプセル100mg(一般名:フォロデシン塩酸塩)
:「再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●ケイセントラ静注用500、同1000(一般名:乾燥濃縮人プロトロンビン複合体)
:「ビタミンK拮抗薬投与中の患者における、急性重篤出血時又は重大な出血が予想される緊急を要する手術・処置の施行時の出血傾向の抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

2017年7月3日承認の新薬:7製品

パルモディア錠0.1mg(一般名:ペマフィブラート)
:「高脂血症(家族性を含む)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

オルミエント錠2mg、同4mg(一般名:バリシチニブ)
:「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●アメナリーフ錠200mg(一般名:アメナメビル)
:「帯状疱疹」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

カナリア配合錠(一般名:テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物/カナグリフロジン水和物)
:「2型糖尿病(ただし、テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物及びカナグリフロジン水和物の併用による治療が適切と判断される場合に限る)」を効能・効果とする新医療用配合剤。

 

ジフォルタ注射液20mg(一般名:プララトレキサート)
:「再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

イストダックス点滴静注用10mg(一般名:ロミデプシン)
:「再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

スピンラザ髄注12mg(一般名:ヌシネルセンナトリウム)
:「乳児型脊髄性筋委縮症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

2017年9月27日承認の新薬:12製品

●アトーゼット配合錠LD、同HD(一般名:エゼチミブ/アトルバスタチン)
:「高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症」を効能・効果とする新医療用配合剤。

 

●ベンリスタ点滴静注用120mg、同400mg、同皮下注200mgオートインジェクター、同皮下注200mgシリンジ(一般名:ベリムマブ(遺伝子組換え))
:「既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●ケブザラ皮下注150mgシリンジ、同皮下注200mgシリンジ、同皮下注150mgオートインジェクター、同皮下注200mgオートインジェクター(一般名:サリルマブ(遺伝子組換え))
:「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●イブランスカプセル25mg、同カプセル125mg(一般名:パルボシクリブ)
:「手術不能または再発乳がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●ダラザレックス点滴静注100mg、同400mg(一般名:ダラツムマブ(遺伝子組換え))
:「再発又は難治性の多発性骨髄腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●バベンチオ点滴静注200mg(一般名:アベルマブ(遺伝子組換え))
:「根治切除不能なメルケル細胞がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●ビザミル静注(一般名:フルテメタモル(18F))
:「アルツハイマー型認知症が疑われる認知機能障害を有する患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●シダキュアスギ花粉舌下錠2000JAU、同5000JAU
:「スギ花粉症(減感作療法)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●ルパフィン錠10mg(一般名:ルパタジンフマル酸塩)
:「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●マヴィレット配合錠(一般名:グレカプレビル水和物/ピブレンタスビル)
:「C型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果とする新有効成分医薬品、新医療用配合剤。

 

●エイフスチラ静注用250、同500、同1000、同1500、同2000、同2500、同3000(一般名:ロノクトコグアルファ(遺伝子組換え))
:「血液凝固第8因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

●ジーンプラバ点滴静注625mg(一般名:ベズロトクスマブ(遺伝子組換え))
:「クロストリジウム・ディフィシル感染症の再発抑制」を効能・効果とする新有効性含有医薬品。

承認待ちの期待の新薬:13製品

以前より、期待の新薬としてご紹介していた薬剤(2017年11月6日2017年11月24日2017年12月4日)は、本来であれば2017年12月に承認予定でしたが、2018年度は薬価改定があるため、年末年始の承認関連作業は薬価改定がない年と比較して約1カ月程度遅れるようです。

 

おそらく、2018年1月頃に承認予定です。正式に承認されましたら追ってご紹介します。

⇒2018年1月19日に承認されました。

 

あとがき

2017年は高脂血症治療薬や血液腫瘍(特に、多発性骨髄腫)の薬剤が多く登場した印象です。

 

個人的に印象深い薬剤は、

 


 

 


 

などでしょうか。

 

がん領域では、新規の作用機序を有するダラザレックス点滴静注(多発性骨髄腫)イブランスカプセル(乳がん)が印象的でした♪

 

 

以上、2017年に新規承認された新薬を一覧としてまとめてご紹介しました^^

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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