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デムサー(メチロシン)の作用機序と副作用【褐色細胞腫】

更新日:

厚労省の薬食審医薬品第一部会は2018年12月3日、「褐色細胞腫のカテコールアミン分泌過剰状態の改善」を効能・効果とするデムサーカプセル250mg(一般名:メチロシン)の承認を了承しました!

現時点では未承認のためご注意ください。

製薬会社

製造販売(仮):小野薬品工業(株)

 

本剤は厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」からの開発要請品目でした。

今回は褐色細胞腫とデムサー(メチロシン)の作用機序についてご紹介します。

 

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副腎とステロイドホルモン・カテコールアミンの生合成

まずは褐色細胞腫に関与する副腎の働きとステロイドホルモン、カテコールアミンの生合成について説明します。

 

副腎は腎臓の上側に存在している小さな三角形の臓器で、主な働きはホルモン等の生合成です。

表面に近い部分を皮質、内側を髄質と呼んでおり、それぞれ生合成するホルモンが異なります。

 

副腎皮質では、

  • アルドステロン
  • コルチゾール
  • アンドロゲン

といったステロイドホルモンが合成されています。

 

一方、副腎髄質では、

  • ノルアドレナリン
  • アドレナリン

といったカテコールアミンが合成されています。

 

カテコールアミンの合成経路としては、まずチロシン水酸化酵素によってチロシンからL-ドパが合成され、順にドパミン⇒ノルアドレナリン⇒アドレナリンの順に合成されていきます。

 

褐色細胞腫とは

副腎髄質や副腎外傍神経節に発生する神経内分泌腫瘍です。

良性と悪性がありますが、どちらも治療の基本は手術です。

 

約90%は良性腫瘍ですので手術によって取り除けば基本的に治癒します。

しかし約10%は悪性腫瘍で、手術で取り除いたとしても再発したり、他臓器に転移したりします。

 

褐色細胞腫の症状

褐色細胞腫は副腎髄質やその周囲に発生するため、カテコールアミンが過剰に分泌されるといった特徴があります。

従って、アドレナリンやノルアドレナリンに関連した様々な症状を呈します。

 

代表的な症状は「高血圧」ですが、その他にも

  • 頭痛
  • 動悸・頻脈
  • 発汗過多

などの様々な症状が発現します。

 

症状に対する対症療法として、交感神経遮断薬(αブロッカーやβブロッカー等)が使用されていますが、これらによって十分にコントロールできない場合、治療選択肢が限られていました。

また、カテコールアミンの過剰な分泌状態が維持されると高血圧クリーゼや心不全、致死性不整脈といった死に直結するような合併症の危険性もあります。

 

今回ご紹介するデムサーはカテコールアミンの生合成を阻害して、分泌過剰状態による症状の緩和効果が期待されています。

 

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デムサー(メチロシン)の作用機序

デムサーはカテコールアミン生合成の初期段階に関わるチロシン水酸化酵素を阻害する薬剤です。

 

チロシンからL-ドパへの変換が阻害されるため、その後の反応がストップしてノルアドレナリン・アドレナリンの合成が抑制されます。

 

その結果、カテコールアミン過剰分泌による症状の緩和が得られると考えられます。

 

エビデンス紹介

後日更新予定です。

国内で行われた第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(ONO-5371-02)が根拠となっています。

 

デムサーカプセルの副作用

後日更新予定です。

海外では既に使用されており、下痢の他、中枢神経系の副作用として鎮静、倦怠感、不眠、錐体外路症状などが報告されています。

 

デムサーカプセルの用法・用量

通常、成人及び12歳以上の小児にはメチロシンとして1日500mgから経口投与を開始します。

 

効果不十分な場合は、経過を十分に観察しながら3日問以上の間隔をおいて1日250mg又は500mgずつ漸増することができますが、以下の用量制限があります。

  • 1日最高用量:4,000mg
  • 1回最高用量:1,000mg
  • 投与間隔:4時間以上

 

なお、1日の投与回数(分割)は以下の通りです。

  • 1日500mgの場合:1日2回
  • 1日750mgの場合:1日3回
  • 1日1,000mg以上の場合:1日4回

 

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デムサーカプセルの薬価

現時点では未承認かつ薬価未収載です。

 

まとめ・あとがき

デムサーはこんな薬

  • チロシン水酸化酵素を阻害し、カテコールアミンの生合成を抑制する
  • カテコールアミン過剰分泌による症状を改善する

 

褐色細胞腫によるカテコールアミン分泌過剰には交感神経遮断薬が使用されていましたが、症状がコントロールできない場合、治療選択肢が限られていました。

デムサーはカテコールアミンの生合成を阻害するといった新規作用機序を有していますので、治療選択肢の幅が広がるのではないでしょうか。

 

以上、今回は褐色細胞腫とデムサー(メチロシン)の作用機序についてご紹介しました!

参考になったらシェアいただけると嬉しいです!
   

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

大阪薬科大学 卒。外資系製薬メーカー(MR)、薬剤師国家試験予備校講師、調剤薬局薬剤師を経て現在に至る。今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師です。薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。FP資格あり。

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