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ビンマック(タファミジス)の作用機序:ビンダケルとの違い【ATTR-CM】

2021年8月30日、厚労省の薬食審医薬品第一部会にて「トランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)」を対象疾患とするビンマック(タファミジス)の承認が了承されました!

※ATTR-CM:Transthyretin Amyloid Cardiomyopathy

現時点では未承認のためご注意ください。

基本情報

製品名ビンマックカプセル61mg
一般名タファミジス
製品名の由来
製造販売ファイザー(株)
効能・効果トランスサイレチン型心アミロイドーシス(野生型及び変異型)
用法・用量通常、成人にはタファミジスとして1 回61 mg を1 日1 回経口投与する。
収載時の薬価

 

有効成分のタファミジスは、既にビンダケル(一般名:タファミジスメグルミン)として承認・販売されていますね。ビンダケルをATTR-CMに使用する場合、1回4カプセルを服用する必要がありましたが、ビンマックは1回1カプセルで服用可能とのことです!

 

木元 貴祥
改良版、って感じですかね。メグルミンを取り除いただけで新有効成分含有医薬品なんですね・・・(笑)

 

ビンダケルは以下の2つの適応を有していますが、タファミジスはATTR-CMのみです。

  1. トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(TTR-FAP)の末梢神経障害の進行抑制
  2. トランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)

 

TTR-FAPについては別の記事をご参照ください。

オンパットロ(パチシラン)の作用機序・siRNAの特徴【TTR-FAP】

続きを見る

 

今回はATTR-CMとビンマック(タファミジス)の作用機序についてご紹介していきます。

 

トランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)とは

何らかの原因で異常なタンパク質(アミロイド)が全身や臓器に沈着することによって引き起こされる疾患の総称を全身性アミロイドーシスと呼んでいて、難病に指定されています。1)

特に心臓に沈着することによって様々な障害を引き起こす疾患が心アミロイドーシスです。原因となる異常タンパク質によって主に以下の3種類が知られています。2)

  1. 野生型ATTR-CM
  2. 変異型ATTR-CM
  3. ALアミロイドーシス(免疫グロブリン性アミロイドーシス)

 

今回ご紹介するのは①②で、原因となる異常タンパク質は「トランスサイレチン(TTR)」ですね。TTRの発生原因によって野生型と変異型に分けられています。

 

TTRが心臓に沈着するため、進行に伴い様々な心症状が現れます(例:心不全、息苦しさ、胸の痛み、不整脈、動悸など)。また全身に沈着することもあり、手根管に蓄積すると手根管症候群、神経細胞に沈着するとニューロパチー(しびれ)を呈すことも。

 

原因

正常な場合、TTRは肝臓で合成され、安定な四量体として存在しています。その後、血中に放出されますが、血中でも四量体のまま安定化しているため、特に悪さはしません。

 

しかしATTR-CMでは何らかの遺伝子異常や加齢によって、肝臓で異常なTTRが合成されます。異常なTTRは血中に放出されると不安定な状態になり、異常な単量体として存在するようになります。

異常なTTRの単量体が凝集することでアミロイドを形成し、心臓に沈着することでATTR-CMを発症すると考えられています。

ATTR-CMの発症原因:異常なTTRが合成され、アミロイドが心臓に蓄積する

 

治療

心機能の低下や不整脈の状態に応じて、まずは心不全・不整脈に準じた治療を行います。心不全については以下の記事をご参考ください。

エンレスト(サクビトリルバルサルタン)の作用機序・特徴【心不全】

続きを見る

 

その他、ATTR-CMの原因に対する治療法としては、以下があります。2)

  • 肝移植:異常なTTRを合成している肝臓を取り換える。(※野生型ATTR-CMのみ)
  • TTR四量体安定化薬:ビンマックやビンダケルによって進行を抑制させる。

 

ビンダケルは2013年に初のTTR-AFP治療薬として登場し、経口で治療できる薬として使用されていますが、1回に4カプセル服用する必要がありました。

 

木元 貴祥
ビンマックは1回1カプセルの服用で治療可能なため、コンプライアンスの向上が期待できますね!

 

ビンマック(タファミジス)の作用機序:TTR四量体安定化

ビンマックは異常なTTRの四量体に結合し、その構造を安定化させます。その結果、異常な単量体への移行を抑制し、アミロイド化を防ぐと考えられていますね!

ビンマック(タファミジス)の作用機序:TTR四量体安定化

 

木元 貴祥
アミロイドの心臓への蓄積が抑制できるため、症状緩和と進行抑制効果が期待できるのではないでしょうか。

 

用法・用量

通常、成人にはタファミジスとして1 回61mgを1日1回経口投与します。

 

1日1回1カプセルの服用ですね!

 

副作用

正式承認後に更新予定です。

 

木元 貴祥
有効成分はほぼ同じなので、ビンダケルと同じだと思われます。

 

収載時の薬価

現時点では未承認かつ薬価未収載です。

 

ビンダケルとの比較・違い

ビンダケルとの違いについては、ビンマックの正式承認後に更新予定です。現状、把握している情報を一覧表にしてみました。

ビンマックとビンダケルとの比較・違い一覧表

 

まとめ・あとがき

ビンマックはこんな薬

  • TTR四量体に結合して安定化させる
  • ビンダケルの改良版で1日1回1カプセルの服用で治療が可能

 

ビンダケルは2013年に「TTR-FAPの末梢神経障害の進行抑制」を効能・効果として登場し、その後2019年3月26日に国内初のATTR-CM治療薬として適応拡大されました。

 

木元 貴祥
ビンマックはビンダケルの改良版的な薬剤ですね。ジェネリック対策の気もしますが・・・。

 

患者さんの服薬コンプライアンスが向上できれば治療成績の向上も期待できるのではないでしょうか。

 

異常、今回はATTR-CMとビンマック(タファミジス)の作用機序についてご紹介しました!

 

参考資料・文献等

  1. 難病情報センター|全身性アミロイドーシス(指定難病28)
  2. 日本循環器学会|2020年版 心アミロイドーシス診療ガイドライン

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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