新薬承認・薬価収載

【新薬:薬価収載】13製品+再生医療等製品(2021年5月19日)

2021年5月19日、新薬13製品が薬価収載されました!また、再生医療等製品のブレヤンジ(リソカブタゲン マラルユーセル)も薬価収載されます。

 

前回(2021年4月21日)には見送りとなっていたヌーイック静注用(シモクトコグ アルファ)が今回薬価収載されていますね。

 

ソグルーヤ皮下注(ソマプシタン)とオスタバロ皮下注カートリッジ(アバロパラチド酢酸塩)は前回に引き続き、見送りされています。

【骨粗鬆症】PTH製剤一覧:オスタバロ・テリボン・フォルテオ

続きを見る

 

今回は薬価収載された新薬一覧とその算定根拠についてご紹介します。また、費用対効果評価による薬価引き下げや市場拡大再算定による薬価引き下げの対象品目もあるため、併せてご確認ください!

 

2021年5月19日:薬価収載の13製品

2021年5月19日に薬価収載された新薬一覧は以下の通りです。

製品名
(一般名)
規格 薬価 効能・効果
(簡略)
イスツリサ錠
(オシロドロスタット)
1mg1錠
5mg1錠
3,335.90円
13,249.00円
クッシング症候群
ヴァイトラックビカプセル
(ラロトレクチニブ)
25mg1カプセル
100mg1カプセル
2%1mL
4,042.50円
14,542.90円
2,908.60円
NTRK陽性の固形がん
ペマジール錠
(ペミガチニブ)
4.5mg1錠 25,631.20円 FGFR2陽性の胆管がん
ケシンプタ皮下注
(オファツムマブ)
20mg0.4mL1キット 230,860円 多発性硬化症
イズカーゴ点滴静注用
(パビナフスプ)
10mg1瓶 251,030円 ムコ多糖症II型
ジョイクル関節注
(ジクロフェナクエタル
ヒアルロン酸ナトリウム )
30mg3mL1筒 4,394円 変形性関節症
ポライビー点滴静注用
(ポラツズマブベドチン)
30mg1瓶
140mg1瓶
298,825円
1,364,330円
B細胞リンパ腫
レミトロ点滴静注用
(デニロイキンジフチトクス)
300µg1瓶 85,610円 T細胞リンパ腫
ダラキューロ配合皮下注
(ダラツムマブ/ボルヒアルロニダーゼ )
15mL1瓶 434,209円 多発性骨髄腫
ヌーイック静注用
(シモクトコグ)
250国際単位
500国際単位
1,000国際単位
2,000国際単位
2,500国際単位
3,000国際単位
4,000国際単位
22,543円
41,865円
77,750円
144,395円
176,239円
207,405円
268,164円
血友病A
ユプリズナ点滴静注
(イネビリズマブ)
100mg10mL1瓶 3,495,304円 視神経脊髄炎スペクトラム
ジクトルテープ
(ジクロフェナク)
75mg1枚 156.50円 各種がんにおける鎮痛
アリケイス吸入液
(アミカシン)
590mg8.4mL1瓶 42,408.40円 肺非結核性抗酸菌症

 

薬価の算定方法

各薬剤の薬価算定方法は2021年5月12日の中医協総会の資料に記載されているため、抜粋してご紹介します。

 

イスツリサ:原価計算方式

イスツリサと類似の効能・効果、薬理作用、投与形態等を有する既収載品としては、メチラポンが存在しますが、メチラポンは昭和40年に収載されているため、類似薬には原則として該当しないと判断されています。従って、原価計算方式で算定されました。

 

特に加算はなく、以下の薬価に決定しています。

  • イスツリサ錠1mg:3,335.90円
  • イスツリサ錠5mg:13,249.00円

 

ピーク時の予測販売金額は12億円です。

 

作用機序については以下の記事で解説しています☆

イスツリサ(オシロドロスタット)の作用機序【クッシング症候群】

続きを見る

 

ヴァイトラックビ:類似薬効比較方式(Ⅰ) (ロズリートレク)【加算あり】

ヴァイトラックビは同様の効能・効果と作用機序を有するロズリートレク(エヌトレクチニブ)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

小児加算(A=5%)が行われ、さらにロズリートレクカプセル200mgと100mgの規格間比を参考にして以下の薬価に決定しています。

  • ロズリートレクカプセル200mg:10,073.00円(1日薬価:30,219.00円)
  • ヴァイトラックビカプセル25mg:4,042.50円
  • ヴァイトラックビカプセル100mg:14,542.90円(1日薬価:29,085.80円)
  • ヴァイトラックビ内用液20mg/mL:2,908.60円

 

木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下の通りです。小児で使用しやすい内用液があることが大きそうですね!

 

加算の根拠

  • 小児加算:本剤は国内で小児効能に係る臨床試験を実施していること、小児にも使用できる製剤(内用液)が存在すること、効能・効果や用法用量に小児に係るものが明示的に含まれていること、比較薬のエヌトレクチニブが小児加算の適用を受けていないことから、小児加算の要件に該当する。

 

ピーク時の予測販売金額は20億円です。

 

作用機序については以下の記事で解説しています。

ヴァイトラックビ(ラロトレクチニブ)の作用機序【NTRK陽性の固形がん】

続きを見る

 

ペマジール:原価計算方式【加算あり】

ペマジールは同様の効能・効果、薬理作用、組成及び化学構造当を有する既収載品はないと判断され、原価計算方式で算定されています。

 

加算としては、

  • 有用性加算(Ⅰ)(A=35%)
  • 市場性加算(Ⅰ)(A=10%)

がありますが、製造総原価の開示度が50%未満と低かったためか、加算係数0.2を乗じて45%×0.2=9%の加算とされています。

 

決定した薬価は以下の通りです。

  • ペマジール錠4.5mg:25,631.20円

 

ちなみに、当初の算定薬価から不服意見が提出されていました。具体的には「国内臨床試験の費用について、グローバル本社と交渉し、その内訳を根拠資料含め新たに提出できることとなったため、当該費用の計上を希望」とのことで、最終的には当該要望は通っています。

 

木元 貴祥
不服意見が通るのは久々に見ました!(笑)

 

なお、加算の根拠は以下の通りです。新規の作用機序かつ標準治療の位置づけのためですね!

 

加算の根拠

  • 有用性加算(Ⅰ):本剤はFGFR融合遺伝子の阻害作用を有する新規作用機序医薬品である。また、米国NCCNガイドラインで推奨されていることを踏まえ、標準的治療に位置づけられると考えられる。以上より、有用性加算(Ⅰ)(A=35%)を適用することが適当と判断した。
  • 市場性加算(Ⅰ):本剤は希少疾病用医薬品に指定されていることから、加算の要件を満たす。

 

ピーク時の予測販売金額は7億円です。

 

作用機序や特徴については以下の記事で解説しています。

ペマジール(ペミガチニブ)の作用機序【胆道がん】

続きを見る

 

ケシンプタ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(タイサブリ)

ケシンプタは同じく多発性硬化症に使用されるタイサブリ(ナタリズマブ)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ)です。

 

特に加算はなく、最終的な薬価は以下の通りです。

  • ケシンプタ皮下注20mgペン:230,860円

 

ピーク時の予測販売金額は99億円です。

 

イズカーゴ:類似薬効比較方式(Ⅰ) (エラプレース)【加算あり】

イズカーゴは同じくムコ多糖症Ⅱ型に使用するエラプレース(イデュルスルファーゼ)の1日薬価に合わせて算出されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ) です。

 

加算としては

  • 有用性加算(Ⅰ)(A=40%)
  • 先駆け審査指定制度加算(A=10%)

が適用され、50%の加算とされていますね!すごい!

 

加算前は10mg1瓶で167,353円でしたが、×1.5され、以下の薬価に決定しています。

  • エラプレース点滴静注液6mg:401,647円(1日薬価:95,630円)
  • イズカーゴ点滴静注用10mg:251,030円(1日薬価:143,445円)

 

ピーク時の予測販売金額は85億円です。

 

ジョイクル:原価計算方式

ジョイクルの類似薬としては、精製ヒアルロン酸ナトリウム(アルツ関節注、アルツディスポ関節注、スベニールディスポ関節注)がありますが、これらはG1/G2品目であり、新薬算定上の最類似薬に選定できないと判断され、原価計算方式で算定されています。

 

特に加算はなく、以下の薬価に決定しました。

  • ジョイクル関節注30mg:4,394円

 

ピーク時の予測販売金額は69億円です。

 

作用機序については以下の記事で解説しています♪

ジョイクル関節注(ジクロフェナク結合ヒアルロン酸)の作用機序【変形性関節症】

続きを見る

 

ポライビー:類似薬効比較方式(Ⅰ)(アドセトリス)【加算あり】

ポライビーは同じくベドチンを結合させたADCCであるアドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ) です。

 

有用性加算(Ⅱ)(A=5%)が加算され、リツキサン点滴静注100mgと500mgの規格間比を参考に以下の薬価に決定しました。

  • アドセトリス点滴静注用50mg:474,325円(40,656円)
  • ポライビー点滴静注用30mg:298,825円(1日薬価:42,689円)
  • ポライビー点滴静注用140mg:1,364,330円

 

木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下の通りです。海外では標準治療の位置づけのためですね!

 

加算の根拠

  • 有用性加算(Ⅱ):NCCNガイドラインでは、自家造血幹細胞移植の適応とならない再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫においてCategory2Aとして最も推奨されるレジメンに位置づけられている。以上から、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。

 

ピーク時の予測販売金額は120億円です。

 

作用機序と疾患については以下の記事で解説しています。

ポライビー(ポラツズマブ ベドチン)の作用機序・特徴【DLBCL】

続きを見る

 

レミトロ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(ポテリジオ)

レミトロ同じく末梢性T細胞リンパ腫や皮膚T細胞性リンパ腫に使用されるポテリジオ(モガムリズマブ)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ) です。

 

特に加算はなく、以下の薬価に決定しています。

  • ポテリジオ点滴静注20mg:171,219円 (1日薬価:30,575円)
  • レミトロ点滴静注用300µg:85,610円(1日薬価:30,575円)

 

ピーク時の予測販売金額は18億円です。

 

ダラキューロ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(ダラザレックス)【加算あり】

ダラキューロは同じ有効成分含有医薬品のダラザレックス(ダラツムマブ)の1日薬価に合わせてに算出されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ) です。

 

有用性加算(Ⅱ)(A=5%) が加算され、以下の薬価に決定しています。

  • ダラザレックス点滴静注400mg:187,970円(1日薬価:14,769円)
  • ダラキューロ配合皮下注 :434,209円(1日薬価:15,507円)

 

木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下の通りです。既存のダラザレックスと比較して投与時間が大幅に削減された点ですね!

 

加算の根拠

  • 有用性加算(Ⅱ):比較薬であるダラザレックス点滴静注は、3~7時間の長時間の投与が必要であるが、本剤は皮下投与製剤であり、投与時間は約3~5分であるため、比較薬に比べて使用に際しての利便性が高い。以上から、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが適当と判断した。

 

ピーク時の予測販売金額は370億円です。

 

作用機序や特徴、ダラザレックスとの違いについては以下の記事で解説しています。

ダラキューロ/ダラザレックス(ダラツムマブ)の作用機序【多発性骨髄腫】

続きを見る

 

ヌーイック:類似薬効比較方式(Ⅱ)

ヌーイックは新規性に乏しいことから、過去6年間の薬理作用類似薬の最低1日薬価67,041円に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅱ) です。

 

特に加算もなく、以下の薬価に決定しています。

  • ヌーイック静注用250:22,543円
  • ヌーイック静注用500:41,865円
  • ヌーイック静注用1000:77,750円
  • ヌーイック静注用2000:144,395円
  • ヌーイック静注用2500:176,239円
  • ヌーイック静注用3000:207,405円
  • ヌーイック静注用4000:268,164円

 

ピーク時の予測販売金額は25億円です。

 

ヌーイックは血友病Aの補充療法薬ですが、最近では新規作用機序を有する二重特異性抗体のヘムライブラ(エミシズマブ)も登場してきました。

ヘムライブラ(エミシズマブ)の作用機序と二重特異性抗体【血友病A】

続きを見る

 

ユプリズナ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(エンスプリング)【加算あり】

ユプリズナは同じく「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」に使用するエンスプリング(サトラリズマブ)の1日薬価に合わせて算定されました。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ) です。

 

有用性加算(Ⅱ)(A=5%)が加算され、最終的な薬価は以下の通りです。

  • エンスプリング皮下注120mgシリンジ:1,532,660円(1日薬価:54,721円)
  • ユプリズナ点滴静注100mg:3,495,304円(1日薬価:57,457円)

 

木元 貴祥
なお、加算の根拠は以下の通りです。ユプリズナは維持期には半年に1回の投与のため、エンスプリング(維持期は1か月に1回投与)より利便性が良い点が評価されていますね。

 

加算の根拠

  • 有用性加算(Ⅱ):本剤は、サトラリズマブ製剤に比べて投与間隔が5か月延長されており、患者にとって維持期の注射回数が1/6に減少するメリットがあることから、既存の治療方法に比べて効果の持続が著しく長いに該当し、有用性加算(Ⅱ)(A=5%)を適用することが妥当と判断した。

 

ピーク時の予測販売金額は59億円です。

 

作用機序や疾患、エビデンスについては以下の記事で解説しています。

ユプリズナ(イネビリズマブ)の作用機序【NMOSD】

続きを見る

 

ジクトル:原価計算方式

ジクトルと同様の効能、薬理作用を有する薬剤として、フルルビプロフェン、ケトプロフェンが存在していますが、これらは注射剤であり、本剤と同様の投与形態を有する既収載品はないことから、新薬算定最類似薬はないと判断されています。

算定方式は原価計算方式です。

 

特に加算はなく、以下の薬価に決定しました。

  • ジクトルテープ75mg:156.50円

 

ピーク時の予測販売金額は34億円です。

 

アリケイス:原価計算方式【加算あり】

アリケイスと同様の有効成分含有医薬品としては、アミカシン硫酸塩注射液200mg「日医工」等がありますが、同様の効能・効果や剤形を有する既収載品はないこと等から新薬算定最類似はないと判断されています。

算定方式は原価計算方式です。

 

木元 貴祥
アリケイスはアミカシン初の吸入薬ですからね!

有用性加算(Ⅱ)(A=10%)が加算されたものの、製造総原価の開示度が50%未満と低かったためか、加算係数0.2を乗じて10%×0.2=2%の加算とされています。

  • アリケイス吸入液590mg:42,408.40円

 

なお、加算の根拠は以下の通りです。海外では標準治療として位置づけられているためですね!

 

加算の根拠

  • 有用性加算(Ⅱ):治療抵抗性の肺MAC症患者に対して本剤を併用した多剤併用療法の有効性が示されている。欧米のガイドラインでは、治療抵抗性の肺MAC症に対して本剤の併用レジメンが最も強く推奨されており、標準的治療法であると言える。以上から、有用性加算(Ⅱ)(A=10%)を適用することが適当と判断した。

 

ピーク時の予測販売金額は177億円です。

 

作用機序と特徴については以下の記事で解説しています♪

アリケイス(アミカシン リポソーム製剤)の作用機序【肺MAC症】

続きを見る

 

再生医療等製品のブレヤンジ:類似薬効比較方式(Ⅰ)(キムリア)

ブレヤンジは同じくCAR-T細胞療法のキムリアの1日薬価を参考に算出されています。

算定方式は類似薬効比較方式(Ⅰ) です。

 

算定された薬価はキムリアと同じく、以下の薬価なのですが・・・・

  • ブレヤンジ静注(1患者当たり):34,113,655円

 

前回の中医協において、費用対効果評価でキムリアの薬価が引き下げられる(34,113,655円 ⇒ 32,647,761円)ことが決定していますので、ブレヤンジはキムリア類似品目に該当するため、収載と同時に価格調整を受けることになります・・・。ちなみにキムリアは2021年7月1日から適用です。

 

木元 貴祥
なんか気の毒ですね・・・。前回のイエスカルタも同じ扱いです。

 

従って、2021年5月19日の収載時に本薬価調整が適用され、以下になりました。

  • ブレヤンジ静注(1患者当たり):32,647,761円

 

作用機序などはこちら♪

ブレヤンジ(リソカブタゲン マラルユーセル)の作用機序【DLBCL】

続きを見る

 

費用対効果評価による薬価引き下げ(ユルトミリス):2021年8月1日より

2016年度より試行的に医薬品などの費用対効果評価が行われており、ユルトミリスはその対象とされていました。

 

その結果、2021年8月1日より、現在販売されているユルトミリスの薬価は以下に減額されます。

  • ユルトミリス300mg30mL1 瓶:730,894 円 ⇒ 699,570 円(約4.3%減)
ユルトミリス(ラブリズマブ)の作用機序:ソリリスとの違い【PNH】

続きを見る

 

免疫チェックポイント阻害薬の市場拡大再算定(テセントリクと類似品3製品):2021年8月1日より

市場拡大再算定とは、

2年度目以降の予想販売額が一定額(原価計算方式で算定された品目では100億円以上、それ以外では15億円以上)を超える医薬品について、一定規模以上の市場拡大のあった場合、新薬収載の機会(年4回)を活用して、薬価を見直す制度

とされています。

 

今回、テセントリクが「年間販売額が350億円超かつ、基準年間販売額の2倍超という要件に該当する」と判断され、市場拡大再算定の対象となったようです。

テセントリク(アテゾリズマブ)の作用機序【肺がん/乳がん/肝がん】

続きを見る

 

元々、テセントリクは肺がんの二次治療として承認されましたが、その後、一次治療や他癌腫(乳がん、肝細胞がん)にも適応拡大が行われました。それを受けての市場拡大再算定でしょうね・・・。

 

また、類似品として、免疫チェックポイント阻害薬の3製品(オプジーボキイトルーダイミフィンジ)も同率で薬価が引き下げられます(11.5%の引き下げ)。また、トランスサイレチン型心アミロイドーシスの適応が拡大されたビンダケル(タファミジスメグルミン)も対象とされています(11.0%の引き下げ)。

適用はいずれも2021年8月1日です。

製品名 現行薬価 改定薬価
テセントリク点滴静注 1200mg 637,152 円 563,917 円
オプジーボ点滴静注 20mg
オプジーボ点滴静注 100mg
オプジーボ点滴静注 120mg
オプジーボ点滴静注 240mg
36,063 円
175,211 円
209,570 円
413,990 円
31,918 円
155,072 円
185,482 円
366,405 円
キイトルーダ点滴静注 100mg 242,355 円 214,498 円
イミフィンジ点滴静注 120mg
イミフィンジ点滴静注 500mg
115,029 円
467,245 円
101,807 円
413,539 円
ビンダケルカプセル 20mg 43,672.80 円 38,866.00 円

 

木元 貴祥
免疫チェックポイント阻害薬は医療への貢献度も高いため、度重なる市場拡大再算定で開発意欲が削がれなければいいのですが・・・。

 

あとがき

木元 貴祥
今回は加算品目が約半数と多かったですね。

 

特に、今まで治療選択肢があまり無かった胆道がんのペマジールや、肺MAC症に使用するアリケイスなどは期待大です♪

アリケイス(アミカシン リポソーム製剤)の作用機序【肺MAC症】

続きを見る

 

以上、今回は2021年5月19日に薬価収載された新薬13製品と再生医療等製品についてご紹介しました!

 

 

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木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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