5.内分泌・骨・代謝系 疾患・作用機序まとめ

【骨粗鬆症】PTH製剤一覧:オスタバロ・テリボン・フォルテオ

今回は骨粗鬆症に使用される副甲状腺ホルモン製剤(PTH製剤)についてご紹介します。

 

効能・効果はいずれも「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」で、現在以下の製品が承認・販売されていますね。

  • フォルテオ皮下注キット(テリパラチド)
  • テリボン皮下注用(テリパラチド酢酸塩)
  • テリボン皮下注オートインジェクター(テリパラチド酢酸塩)
  • オスタバロ皮下注カートリッジ(アバロパラチド酢酸塩)

 

オスタバロ皮下注は2021年3月に承認された新規のPTH製剤ですが、28日投与製剤であるため、新薬の「14日処方制限」に引っかかります。そのため、薬価収載や発売は暫く見送るとのこと。

 

木元 貴祥
自己注射の有無や投与間隔、最長投与期間等が少し異なっていますよ。

 

今回は骨粗鬆症とPTH製剤の作用機序、そして各製品の比較・一覧表についてご紹介します。

 

骨の代謝(リモデリング)

骨には大きく以下の2つの役割があります。

  • 体の骨格維持
  • 電解質バランス(特にカルシウム)の維持

 

これらの役割を果たすために、骨は「リモデリング」と呼ばれる代謝を繰り返して、常に丈夫な骨が保たれています。

 

リモデリングに関わる細胞には、骨を壊す「破骨細胞」と骨を作る「骨芽細胞」が知られています。

破骨細胞が古くなった骨を壊し(“骨吸収”と呼びます)、壊された部分に骨芽細胞が新しい骨を作ります(“骨形成”と呼びます)。

破骨細胞と骨芽細胞によるリモデリングのイメージ

 

このようなリモデリングがバランス良く行われることで、約2年で全身の骨が作り替えられと言われています。

 

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症は、加齢やホルモンバランス等により、このリモデリングのバランスが崩れ、破骨細胞による骨吸収が過剰になって引き起こされます。

 

つまり、破骨細胞が活性化され、骨吸収が過剰に引き起こされることで、骨はどんどんと脆くなり、骨折しやすくなります。

 

これが骨粗鬆症です。

 

治療

治療の中心は薬物療法ですが、並行して運動療法や食事療法も行われます。

 

主に使用されている薬剤の分類は以下の通りです。

  • 骨吸収抑制薬:エストロゲン製剤、ビスホスホネート製剤、SERM、デノスマブ、カルシトニン製剤など
  • 骨形成促進薬:活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK2製剤、副甲状腺ホルモン製剤(PTH)など
  • その他:カルシウム製剤

 

主に用いられるのは骨吸収抑制薬でしょうか。

 

また、最近では骨吸収抑制作用骨形成促進作用を併せ持ち、1か月に1度の投与で治療可能なイベニティ皮下注(ロモソズマブ)も登場してきました。

イベニティ皮下注(ロモソズマブ)の作用機序と副作用【骨粗鬆症】

続きを見る

 

木元 貴祥
それではここからPTH製剤の作用機序について解説していきます。

 

副甲状腺ホルモン製剤(PTH製剤)の作用機序

生体内でのPTHの働きは以下の2つがあります。

  1. 骨芽細胞に作用し、骨形成を促進させる
  2. 活性型ビタミンDへの変換促進による腸からのカルシウム吸収促進

副甲状腺ホルモン製剤(PTH製剤)の作用機序:オスタバロ・テリボン・フォルテオ

 

骨粗鬆症では破骨細胞(骨吸収)が優位になっていますが、骨芽細胞を活性化させることで骨吸収を促進させ、リモデリングのバランスを調整するといった作用機序ですね。

 

ただし、長期間投与してしまうと、逆に骨吸収を促進させてしまうため、PTH製剤にはいずれも投与可能期間の上限が設けられています。

 

PTH製剤の一覧表:フォルテオ・テリボン・オスタバロ

2021年2月時点のPTH製剤の一覧表です。

PTH製剤の一覧表:フォルテオ・テリボン・オスタバロ

 

フォルテオは自己投与可能な初のPTH製剤でしたが、1日1回投与する必要がありました。

テリボンは自己投与する場合でも週2回の投与で治療可能なため、煩雑さは解消されている印象です。

 

フォルテオ・テリボンはいずれも投与可能期間の上限が2年間(24か月)ですが、オスタバロについては1年半(18か月)とされました。

 

木元 貴祥
フォルテオについてはバイオ後続品(バイオシミラー)も登場してきていますので、今後の使い分けの検討が色々進むかと思います!

 

まとめ・あとがき

PTH製剤はこんな薬

  • 骨芽細胞を活性化することで骨形成を促進させる
  • 最大投与期間の上限が設定されている(約2年)
  • 在宅自己投与可能な製剤もある

 

骨粗鬆症でよく用いられているのはビスホスホネート製剤かと思います。最近では1年に1回の投与で治療可能なリクラスト(ゾレドロン酸)も登場しました。

リクラスト(ゾレドロン酸)の作用機序と副作用【骨粗鬆症】

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また、PTH製剤は“骨折の危険性の高い”骨粗鬆症によく使用されていましたが、最近では1か月に1度の投与で治療可能なイベニティ皮下注(ロモソズマブ)も登場しましたので、使い分けの検討が必要かもしれません。

イベニティ皮下注(ロモソズマブ)の作用機序と副作用【骨粗鬆症】

続きを見る

 

以上、今回は骨粗鬆症とPTH製剤の作用機序、そして各製品の比較・一覧表についてご紹介しました!ご参考にしていただければ幸いです♪

 

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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