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2020年9月、「片頭痛発作の発症抑制」を予定効能・効果とするエイモビグ(エレヌマブ)の製造販売承認申請が行われました!
アムジェン|申請のニュースリリース
現時点では未承認のためご注意ください。
基本情報
製品名 | エイモビグ?海外ではAimovig |
一般名 | エレヌマブ |
製品名の由来 | |
製造販売 | アムジェン(株) |
効能・効果 | 片頭痛発作の発症抑制? |
用法・用量 | 1か月毎に皮下注? |
収載時の薬価 | 薬価未収載 |
エイモビグは海外では既に「Aimovig」の製品名で承認・販売されている抗CGRP受容体抗体製剤ですね!
CGRP:Calcitonin Gene-related Peptide(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)
国内ではCGRPに関連する薬剤の開発がいくつも進行中!今後期待されている新たな治療選択肢です。
- エムガルティ(ガルカネズマブ):抗CGRP抗体製剤(2021年1月承認)
- アジョビ(フレマネズマブ):抗CGRP抗体製剤(2020年7月に申請)
上記2製剤はCGRPに対する抗体薬ですが、エイモビグはCGRP受容体に対する抗体薬のため、若干作用点が異なります。
エイモビグは3製品目のCGRP関連薬となる見込みですね!
片頭痛予防はこれまでカルシウム拮抗薬や抗てんかん薬の連日投与が基本でした。
今回は片頭痛とエイモビグ(エレヌマブ)の作用機序について紹介していきます。
目次(クリック可)
片頭痛とは
片頭痛は日本人の約10%(約1000万人)に認められる疾患です。
年代としては20歳~40歳代、性別は女性に多いとされています(男:女=1:4)。
もしかしたら今ご覧の方々でも経験されたことがあるかもしれません。
症状としては
- ズキズキと脈打つような痛み
- 頭の片側に急に起こる
- 一度発症すると4~72時間くらい持続する
が特徴的です。
人によっては前兆症状として
- 目のちらつき(キラキラした感じ)
- 視野が狭くなる
- しびれ
- 言語障害
といった症状が現れることもあります。
片頭痛を発症しやすい要因として、
- ストレス
- 睡眠不足
- 高血圧
- ホルモンバランスの乱れ
などが知られていますね。
片頭痛の原因:三叉神経血管説
片頭痛の原因は、明確には解明されていませんが、
- 血管説(セロトニン説)
- 神経説
- 三叉神経血管説
などが提唱されています。1)
最近では、最も有力なのは「三叉神経血管説」と言われています。
何らかの原因で三叉神経が刺激されると、「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」などの血管作動性物質が分泌されることが知られています。
CGRPは血管拡張作用がある物質で、血管のCGRP受容体に作用すると、血管の過度な拡張によって周囲の神経が圧迫されて痛みを生じます。
その他にもCGRPは炎症反応を増強させたり、痛みを増強させる作用もあるため、これらの作用によって片頭痛が引き起こされます。
このように血管の過度な拡張と炎症反応によって片頭痛が生じると考えられています。
片頭痛の治療
片頭痛の治療薬には、
- 急性期治療薬(片頭痛の治療目的)
- 予防薬(片頭痛の予防目的)
があります。
急性期治療薬 (片頭痛の治療目的)
今起こっている片頭痛を速やかに消失させる目的の薬です。
重症度に応じて、
- 軽度~中等度:アセトアミノフェン、NSAIDsなど
- 中等度~重度:トリプタン製剤
の使用が推奨されています。
ただし、軽度~中等度の頭痛でも、アセトアミノフェンやNSAIDsの効果が無い場合、トリプタン製剤に変更することもあります。
-
【片頭痛】トリプタン製剤の作用機序と薬剤一覧まとめ比較・使い分け
続きを見る
吐き気や嘔吐を併発している場合、制吐薬(プリンペランやナウゼリン等)を併用します。
予防薬 (片頭痛の予防目的)
片頭痛発作が月に2回以上または6日以上ある場合、予防療法が行われることがあります。1)
主に使用される薬剤は以下です。
- カルシウム拮抗薬
- 抗てんかん薬
- β遮断薬
- 抗うつ薬
- 漢方薬
今回ご紹介するエイモビグは1か月毎の皮下注投与で片頭痛の発症予防効果が期待されている薬剤です!新たな治療選択肢として期待できますね。
それではエイモビグの作用機序について解説していきます。
エイモビグ(エレヌマブ)の作用機序
エイモビグは片頭痛の発症に関与していると考えられているCGRPの受容体を選択的に阻害する抗CGRP受容体抗体製剤です。
CGRP:Calcitonin Gene-related Peptide(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)
CGRPの働きが阻害されることで三叉神経付近の過度な血管拡張・炎症が抑制され、片頭痛の発症を予防すると考えられています。
エビデンス紹介:20120309試験、20170609試験
根拠となったのは以下の日本人を対象とした臨床試験です。
- 20120309試験2):反復性片頭痛患者さんを対象とした第Ⅱ相試験
- 20170609試験:反復性および慢性片頭痛患者さんを対象とした第Ⅲ相試験
第Ⅱ相試験では平均月間片頭痛日数(MMD)のベースラインからの変化において、プラセボ群と比較してエイモビグ群で有意に減少していましたよ。2)
副作用
後日更新予定です。
用法・用量
後日更新予定です。
臨床試験では1か月(4週間)に一度の皮下投与で効果が期待されています。
国内2番手となる見込みのアジョビ(フレマネズマブ)は3か月に一度の投与で効果が期待されているので、使い分けのヒントになるかもしれませんね。
-
アジョビ(フレマネズマブ)の作用機序【片頭痛の予防】
続きを見る
収載時の薬価
現時点では未承認かつ薬価未収載です。
まとめ・あとがき
エイモビグはこんな薬
- 片頭痛の発症を予防する
- CGRP受容体を選択的に阻害する抗CGRP受容体抗体製剤
- 月に1回の皮下注投与
これまで片頭痛の発症予防はカルシウム拮抗薬や抗てんかん薬の連日投与が基本でした。
近年ではCGRP関連薬の開発が進行していますので、新たな治療選択肢として期待されています!
-
エムガルティ(ガルカネズマブ)の作用機序・副作用【片頭痛の予防】
続きを見る
片頭痛の代表的な急性期治療薬であるトリプタン製剤については以下の記事で作用機序や一覧表を作成していますので、併せてご覧くださいませ。
-
【片頭痛】トリプタン製剤の作用機序と薬剤一覧まとめ比較・使い分け
続きを見る
以上、今回は片頭痛とエイモビグ(エレヌマブ)の作用機序について紹介しました!
参考資料・論文等
- 日本頭痛学会|慢性頭痛の診療ガイドライン2013
- 20120309試験:Headache. 2019 Nov;59(10):1731-1742.
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