4.消化器系 7.炎症・免疫・アレルギー 10.皮膚・骨格筋

オラデオ(ベロトラルスタット)の作用機序【遺伝性血管性浮腫(HAE)】

2020年10月30日、厚労省の薬食審医薬品第二部会にて「遺伝性血管性浮腫」を対象疾患とするオラデオ(ベロトラルスタット)の承認が了承されました!

現時点では未承認のためご注意ください。

基本情報

製品名オラデオカプセル150mg
一般名ベロトラルスタット塩酸塩
製品名の由来
製薬会社製造販売:(株)オーファンパシフィック
販売:鳥居薬品(株)
効能・効果遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制
用法・用量通常、成人及び12 歳以上の小児には、
ベロトラルスタットとして150 mg(1カプセル)を1 日1 回経口投与する。
収載時の薬価薬価未収載

 

遺伝性血管性浮腫(HAE)は稀な疾患でこれまで治療選択肢が限られていました。

 

2018年には新たな治療薬として、自己注射可能なフィラジル(イカチバント)が承認されましたが、まだまだ治療薬が少ないのが現状です。

フィラジル(イカチバント)の作用機序と副作用【遺伝性血管性浮腫(HAE)】

続きを見る

 

木元 貴祥
オラデオはHAEの急性発作を予防する初の薬剤として期待されています!

 

先駆け審査指定品目でもありますね。

 

また、HAEでは初の経口投与製剤です!疾患解説や作用機序について紹介していきます。

 

遺伝性血管性浮腫(HAE)とは

遺伝性血管性浮腫(Hereditary angioedema: HAE)は全身の皮下や粘膜に「浮腫(むくみ)」が起こる疾患で、遺伝的要素が多いとされています。

※HAEの読み方ですが、「ハエ」や「エイチエーイー」と呼ばれます

 

浮腫が起こる部位によって症状が異なりますが、多い部位としては手足や消化管、咽頭と言われています。

  • 手足の皮膚:手や足がむくんでしまう
  • 消化管:激しい腹痛と共に悪心・嘔吐・下痢が起こる
  • 咽頭:呼吸困難

 

原因

生体内には「ブラジキニン」と呼ばれる炎症性物質が存在していますが、通常は「C1-インヒビター(別名:C1-インアクチベーター)」と呼ばれる物質によってその産生が抑制(制御)されています。

遺伝性血管性浮腫(HAE)の原因:C1-インヒビターの関与が重要

※上記イラストはカリクレインを例にしていますが、それ以外の経路もC1-インヒビターによって抑えられていると考えられています。

 

しかしHAEでは遺伝的要因等によってC1-インヒビターが欠損もしくは活性が低下してしまっている状態です。1)

 

木元 貴祥
この結果、ブラジキニンが過剰に産生されてしまい、HAEの発症・急性発作が発症すると考えられています。

HAEの発症はC1-インヒビター欠損による

 

治療

HAEの症状が起こった場合(急性発作時)、C1-インヒビター製剤の補充療法やフィラジル(イカチバント)の投与しか治療選択肢がありませんでした。1)

ベリナート(ヒトC1-インアクチベーター)の作用機序【遺伝性血管性浮腫(HAE)】

続きを見る

 

ベリナートは静注製剤のため、自己注射はできず、病院等で投与する必要がありましたが、フィラジルは自己注射も可能といった特徴があります。

 

なお、オラデオは急性発作の発症抑制のために使用できる初の薬剤となります。予防として使用していく感じですね。

 

その他、侵襲を伴う処置(例:歯科治療、出産、小手術)を行うと、HAEの発作が引き起こされることがあり、その発症抑制としてはC1-インヒビター製剤(ベリナート)が用いられます。

フィラジルに発症抑制の効能・効果はありませんのでご注意ください。

 

オラデオ(ベロトラルスタット)の作用機序

オラデオはブラジキニンの産生に関与しているカリクレインを選択的に阻害する薬剤です。

オラデオ(ベロトラルスタット)の作用機序:カリクレイン阻害薬

 

ブラジキニンの産生が抑制される結果、HAEの急性発作予防につながると考えられます。

 

木元 貴祥
作用機序的には生体内のC1-インヒビターと似ていますね。

 

エビデンス:国内第Ⅲ相試験

国内でプラセボを対照とした第Ⅲ相試験が行われていますが、結果は未公表のため、後日更新します。

 

副作用

後日更新予定です。

 

用法・用量

通常、成人及び12歳以上の小児には、ベロトラルスタットとして150mg(1カプセル)を1日1回経口投与します。

 

薬価

現時点では未承認・薬価未収載です。

 

まとめ・あとがき

オラデオはこんな薬

  • HAEで初の経口治療薬
  • カリクレインを阻害することでブラジキニンの産生を抑制する
  • 1日1回経口投与

 

HAEは稀な疾患ですが、これまで急性発作予防に使用できる薬剤はありませんでした。

 

木元 貴祥
オラデオは初の経口投与可能な薬剤のため、より簡便な治療選択肢として期待できるのではないでしょうか。

 

以上、今回は遺伝性血管性浮腫(HAE)とオラデオ(ベロトラルスタット)の作用機序についてご紹介しました☆

 

副業をしていない薬剤師は損?

薬剤師の副業 本当に稼げるおススメ3選と注意事項を解説!

続きを見る

失敗しない薬剤師の転職とは?

数多く存在する薬剤師専門の転職エージェントサイト

どこに登録したらいいのか悩むことも少なくありません。そんな転職をご検討の薬剤師さんに是非見ていただきたい記事を公開しました。

  • 新薬情報オンラインの薬剤師2名が実際に利用・取材!
  • 各サイトの特徴等を一覧表で分かりやすく掲載!
  • 絶対にハズレのない厳選の4サイトを解説!

上手に活用してあなたの希望・条件に沿った【失敗しない転職】を実現していただけると嬉しいです!

薬剤師の転職サイト4選|評判・求人特徴とエージェントの質を比較

続きを見る

コロナ渦で改定しました。



薬剤師の勉強・情報収集に役に立つサイト・ブログ8選【無料】
  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

プロフィール・運営者詳細
お問い合わせ・仕事の依頼
私の勉強法紹介

TwitterとFacebookでも配信中!インスタはくるみぱん氏とコラボ配信!

-4.消化器系, 7.炎症・免疫・アレルギー, 10.皮膚・骨格筋
-,

Copyright© 新薬情報オンライン , 2020 All Rights Reserved.