11.血液・造血器系 12.悪性腫瘍

ポリビー(ポラツズマブ ベドチン)の作用機序・特徴【DLBCL】

おススメ記事|薬剤師の稼げる副業3選

2020年6月30日、「B細胞リンパ腫」を対象疾患とするポリビー(ポラツズマブ ベドチン)の製造販売承認申請が行われました!

中外製薬|ニュースリリース

現時点では未承認のためご注意ください。

基本情報

製品名ポリビー?海外では「POLIVY」
一般名ポラツズマブ ベドチン
製品名の由来不明
製造販売中外製薬(株)
効能・効果再発又は難治性のCD19陽性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫?
用法・用量不明
収載時の薬価薬価未収載

 

ポリビーはCD79bと選択的に結合するポラツズマブに抗がん剤を結合させた構造を有しています。

 

木元 貴祥
いわゆる、ADC(Antibody Drug Conjugate:抗体薬物複合体)と呼ばれている薬剤分類ですね。

 

結合している抗がん剤(MMAE)としてはアドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン)と同じです。

血液
アドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン)の作用機序【リンパ腫】

続きを見る

 

今回は悪性リンパ腫の中でも「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)」とポリビー(ポラツズマブ ベドチン)の作用機序・エビデンス等について解説していきます。

 

悪性リンパ腫とは

造血機腫瘍の中でも、リンパ系の血球成分(例:B細胞、T細胞、NK細胞など)から発生するものを「悪性リンパ腫」と呼んでいます。

 

細かい分類は非常に多いのですが、大きく分類すると以下の2種類です。1)

  • ホジキンリンパ腫(HL:Hodgkin lymphoma)
  • 非ホジキンリンパ腫(NHL:Non Hodgkin lymphoma)

 

木元 貴祥
国内ではほとんどがNHLと言われていますね。

 

今回ご紹介するびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL:diffuse large B-cell lymphoma)もNHLの一種に分類されています。

 

また、悪性リンパ腫では、疾患の悪性度や予後の臨床分類としてアグレッシブ分類(低悪性度、中悪性度、高悪性度)が行われますが、DLBCLは「中悪性度」のアグレッシブ分類とされています。

 

そしてDLBCLの原因となるリンパ腫細胞は「B細胞」に由来していることがほとんどで、細胞膜表面には「CD79b」を発現していることが知られています。

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)とCD79b

 

DLBCLと治療

DLBCLは発見時の進行度(限局期もしくは進行期)によって治療が若干異なりますが、基本は薬物療法です。2)

 

限局期であっても進行期であっても「R-CHOPアールチョップ療法*」を3~8回行い、場合によっては放射線と併用することもあります。

*R-CHOP療法:リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロンの併用療法

 

しかし、上記の治療を行って治療効果が得られたとしても、多くの場合、再発してしまうことがあり、その後の治療選択肢は限られていました。

また初回のR-CHOP療法で抵抗性を示した場合にも、その後の治療選択肢は限られています。

 

木元 貴祥
再発・難治性の場合、ガイドラインでは以下の治療法が選択肢として掲載されています。2)
  • DHAP療法:デキサメタゾン、シスプラチン、シタラビン
  • ESHAP療法:メチルプレドニゾロン、エトポシド、シタラビン、シスプラチン
  • ICE療法:イホスファミド、カルボプラチン、エトポシド
  • CHASE療法:シクロホスファミド、シタラビン、デキサメタゾン、エトポシド
  • Dose adjusted-EPOCH療法:エトポシド、プレドニゾロン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン
  • MINE療法:ミトキサントロン、イホスファミド、メスナ、エトポシド
  • GDP療法:ゲムシタビン、デキサメタゾン、シスプラチン

いずれもリツキシマブと併用する場合あり

 

ポリビーはCD79bが陽性の再発・難治性の場合、ベンダムスチンリツキシマブ(BR)療法と併用することで治療効果が期待されています。

 

ちなみに、CD19が陽性の場合、同様の治療選択肢としては、以下のCAR-T細胞療法もありますね。

キムリア(チサゲンレクルユーセル)の作用機序・特徴と副作用【急性リンパ性白血病】

続きを見る

 

ポリビー(ポラツズマブ ベドチン)の構造・作用機序

ポリビーはB細胞由来白血病細胞のCD79bを特異的に認識する抗体のポラツズマブに、抗がん剤のモノメチルアウリスタチンE(MMAE)を結合させた構造を有しています。

ポリビー(ポラツズマブ ベドチン)の構造

 

MMAEは微小管(チューブリン)阻害作用を有していて、強力な抗腫瘍活性を持つ抗がん剤ですが、そのまま体内に投与されると、正常細胞も傷つけてしまうため、副作用が強く発現してしまいます。

 

そこで、白血病細胞を特異的に認識する抗体であるポラツズマブに、抗がん剤のMMAEを結合させることで、抗がん剤が白血病細胞のみに作用するよう工夫した薬剤がポリビーです!

 

木元 貴祥
ポラツズマブは、いわゆる「薬の運び屋」みたいなイメージですね♪

 

このように抗体医薬品と抗がん剤を結合させた医薬品を「ADC(Antibody Drug Conjugate:抗体薬物複合体)」と呼んでいて、以下の薬剤が既に承認・販売されています。

エンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)の作用機序・特徴【乳がん・胃がん】

続きを見る

 

ポリビーは白血病細胞にある「CD79b」を認識して結合します。その後、ポリビーは白血病細胞内に取り込まれ、抗がん剤のMMAEが遊離されます。

そしてMMAEは白血病細胞内の微小管(チューブリン)を阻害し、白血病細胞の増殖を抑制するといった作用機序です!

ポリビー(ポラツズマブ ベドチン)の作用機序:MMAEによる微小管阻害

 

エビデンス紹介

根拠となった臨床試験には以下がありますが、現時点では論文等が未公表のため、後日更新予定です。

  • GO29365試験:ポリビー+BR療法とBR療法単独を比較した第Ⅰb/Ⅱ相試験(国際共同)
  • JO40762/P-DRIVE試験:ポリビー+BR療法の有効性・安全性を検討した第Ⅱ相試験(日本人)

 

いずれもBR療法との併用で治療効果が確認されていますね。

 

副作用

後日更新予定です。

 

収載時の薬価

現時点では未承認・薬価未収載です。

 

まとめ・あとがき

ポリビーはこんな薬

  • ADC(Antibody Drug Conjugate:抗体薬物複合体)
  • CD79bを選択的に認識するポラツズマブに抗がん剤のMMAEを結合
  • BR療法と併用して使用する

 

再発・難治性のDLBCLの場合、治療選択肢が限られているため、新たな治療が求められていました。

 

近年では、CAR-T細胞療法やポリビー等、新規薬剤の開発も盛んですので、治療選択肢が広がることは朗報ではないでしょうか。

 

以上、今回は悪性リンパ腫の中でも「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)」とポリビー(ポラツズマブ ベドチン)の作用機序等について解説しました!

 

引用文献・資料等

  1. がん情報サービス|びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
  2. 日本血液学会|造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版

副業をしていない薬剤師は損?

薬剤師の副業 本当に稼げるおススメ3選と注意事項を解説!

続きを見る

失敗しない薬剤師の転職とは?

数多く存在する薬剤師専門の転職エージェントサイト

どこに登録したらいいのか悩むことも少なくありません。そんな転職をご検討の薬剤師さんに是非見ていただきたい記事を公開しました。

  • 新薬情報オンラインの薬剤師2名が実際に利用・取材!
  • 各サイトの特徴等を一覧表で分かりやすく掲載!
  • 絶対にハズレのない厳選の3サイトを解説!

上手に活用してあなたの希望・条件に沿った【失敗しない転職】を実現していただけると嬉しいです!

薬剤師の転職サイト3選|評判・求人特徴とエージェントの質を比較

続きを見る



薬剤師の勉強・情報収集に役に立つサイト・ブログ8選【無料】
  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

プロフィール・運営者詳細
お問い合わせ・仕事の依頼
私の勉強法紹介

TwitterとFacebookでも配信中!インスタはくるみぱん氏とコラボ配信!

-11.血液・造血器系, 12.悪性腫瘍
-,

Copyright© 新薬情報オンライン , 2020 All Rights Reserved.