新薬承認・薬価収載

【第一部会:期待の新薬】8製品+2製品(2020年5月29日)

2020年5月29日、厚労省の薬食審・医薬品第一部会は新薬として8製品を審議し、全て承認を了承しました!

その他、報告のみで承認了承された2製品もあります。

 

木元 貴祥
注目は初の経口GLP-1アナログのリベルサス(セマグルチド)でしょうか。

 

今回は一覧としてご紹介します!

 

審議品目:8製品

●オンジェンティス錠25mg(一般名:オピカポン)
:「レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)の改善」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

オンジェンティス(オピカポン)の作用機序:コムタンとの違い【パーキンソン病】

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新規COMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)阻害ですね。

 

木元 貴祥
類薬のコムタンでは1日に数回の投与が必要でしたが、オンジェンティスは1日1回の投与で治療可能といった特徴があります!

 

●オノアクト点滴静注用50mg、同点滴静注用150mg(一般名:ランジオロール塩酸塩)
:「敗血症に伴う▽心房細動▽心房粗動▽洞性頻脈――の頻脈性不整脈」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。

 

●サムスカ錠7.5mg、同錠15mg、同錠30mg、同OD錠7.5mg、同OD錠15mg、同OD錠30mg、同細粒1%(一般名:トルバプタン)
:「抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)における低ナトリウム血症の改善」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。

サムスカ(トルバプタン)の作用機序と副作用【心不全】

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●バフセオ錠150mg、同錠300mg(一般名:バダデュスタット)
:「腎性貧血」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

バフセオ(バダデュスタット)の作用機序・特徴【腎性貧血】

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新規の低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害薬ですね。

類薬には既に承認されているエベレンゾ(ロキサデュスタット)があります。

 

●ダーブロック錠1mg、同錠2mg、同錠4mg、同錠6mg(一般名:ダプロデュスタット)
:「腎性貧血」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

ダーブロック(ダプロデュスタット)の作用機序・特徴【腎性貧血】

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バフセオと同じく、エベレンゾに次ぐHIF-PH阻害薬です。

 

木元 貴祥
バフセオとダーブロックは共に保存期にも使用可能のため、今後の使い分け等の検討が興味深いですね!エベレンゾは現状、透析期にしか使用できません。

 

●リベルサス錠3mg、同錠7mg、同錠14mg(一般名:セマグルチド(遺伝子組換え))
:「2型糖尿病」を効能・効果とする新投与経路医薬品。

リベルサス(経口のセマグルチド)の作用機序と特徴【糖尿病】

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初の経口GLP-1アナログ製剤ですね!

有効成分のセマグルチドは既に注射剤がオゼンピックとして承認されています。

オゼンピック(セマグルチド)の作用機序と副作用【糖尿病】

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●ゼオマイン筋注用50単位、同筋注用100単位、同筋注用200単位(一般名:インコボツリヌストキシンA)
:「上肢痙縮」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 

従来のA型ボツリヌス毒素から菌由来の複合タンパク質を取り除き、有効成分のみを抽出したものです。

 

●エンスプリング皮下注120mgシリンジ(一般名:サトラリズマブ(遺伝子組換え))
:「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

エンスプリング(サトラリズマブ)の作用機序・リサイクリング抗体の特徴【NMOSD】

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木元 貴祥
作用機序としてはアクテムラ(トシリズマブ)と同じく抗IL-6受容体抗体ですが、抗原と何度も結合可能で再利用可能といった特徴があります!

 

これによって作用時間の延長が期待されていますね。

 

報告品目:2製品

●キンダリー透析剤AF5号、同AF5P号、同5E
:「慢性腎不全における透析型人工腎臓の灌流液として用いる」を効能・効果とする類似処方医療用配合剤。

 

●フェントステープ0.5mg、同テープ1mg、同テープ2mg、同テープ4mg、同テープ6mg、同テープ8mg(一般名:フェンタニルクエン酸塩)
:「がん性疼痛」の適応について、オピオイド鎮痛薬未使用の患者さんにも使用可能となります。

 

あとがき

今回の注目は初の経口GLP-1アナログ製剤のリベルサスですね!

リベルサス(経口のセマグルチド)の作用機序と特徴【糖尿病】

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経口薬と従来の注射薬がどのように使い分けられて使用されるのか、興味深いです。

 

木元 貴祥
ただし、服用後の飲食制限等がありますし、毎日経口投与のためアドヒアランスの問題もありそうですね。

 

その他にはエベレンゾに次ぐHIH-PH阻害薬が2製品承認了承されていますので、こちらも注目です!

 

エベレンゾは現状、透析期にしか使用できませんが、上記2製品は透析期に加えて保存期にも使用可能となる見込みです。

 

ちなみに、エベレンゾの保存期は申請中です。

エベレンゾ(ロキサデュスタット)の作用機序:類薬との比較・違い【腎性貧血】

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以上、今回は2020年5月29日、厚労省の薬食審・医薬品第一部会にて承認了承された新薬をご紹介しました!

 

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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