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【肺がん 期待の新薬】テセントリク点滴静注

2017/12/17

厚労省の薬食審・医薬品第二部会は2017年11月6日、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品のテセントリク点滴静注1200mg(一般名:アテゾリズマブ(遺伝子組換え))を承認了承したと発表がありました!

2017年11月15日時点では未承認のためご注意ください。

本日は非小細胞肺がんとテセントリクの作用機序についてご紹介します☆



 

非小細胞肺がんについて

肺がんは性質や薬の効き方によって“小細胞肺がん”と“非小細胞肺がん”に分類されています。

早期の場合、手術の適応になりますが、臓器に転移がある場合、化学療法(抗がん剤や分子標的薬)の治療が中心となります。

 

非小細胞肺がんの一次治療に使用できる薬剤としては、イレッサやタルセバ(EGFR遺伝子変異ありの場合)、ザーコリ(ALK遺伝子変異、ROS1変異ありの場合)アレセンサジカディア(ALK遺伝子変異の場合)、アバスチンなどの分子標的薬と、シスプラチン、ゲムシタビン、パクリタキセル、ペメトレキセドなどの抗がん剤があります。

最近では、キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)も一次治療から使用することが可能になりました。

 

ただ、一次治療で効果が得られなくなった場合、二次治療以降で使用できる薬剤は限られていました。

 

今回紹介するテセントリクは「改変型抗PD-L1モノクローナル抗体」です。

非小細胞肺がんにおいては、二次治療以降で使用される見込みです。

 

がんと免疫チェックポイント

通常、がんができると生体内の免疫反応が活性化され、がん細胞を死に導こうとしますが、がん細胞はヒトの免疫機構から逃れる術をいくつか持っています。

その一つに、がん細胞ではヒトの免疫反応を抑制する「PD-L1(“ピーディーエルワン”と読みます)」を大量に発現し、免疫反応(T細胞からの攻撃)から逃れています。

PD-L1はT細胞のPD-1(ピーディーワン)と結合することで、T細胞の活性を抑制させる働きがある、いわば、ブレーキのような働きを担っています。

 

本来、PD-L1やPD-1はT細胞が自己を攻撃しない(自己免疫抑制作用)のために体内に存在していますが、がん細胞はそれを逆手に取っています。

これを“免疫チェックポイント”と呼んでいます。

 

テセントリク(一般名:アテゾリズマブ)の作用機序

テセントリクはがん細胞の「PD-L1」を抑制することで、がん細胞のブレーキを解除させ、ヒト本来の免疫反応を活性化させます。

その結果、T細胞が、がん細胞を攻撃することでがん細胞を死に導く、といった作用機序を有しています☆

 

T細胞が活性化され、ヒト本来の免疫力によってがん細胞を攻撃しますので、従来の抗がん剤と比較して副作用が比較的少ないと言われています。

 

ただし、免疫活性化に伴い、自己免疫疾患(例:甲状腺機能異常、腸炎)等の発現を認められていますので注意が必要となります。

 

テセントリク(一般名:アテゾリズマブ)の類薬とあとがき

近年、世界中で免疫チェックポイントに関連する薬剤の研究・治験が進められています。

 

抗PD-L1抗体薬は既に「根治切除不能なメルケル細胞がん」を適応としたバベンチオ点滴静注が承認されていますが、非小細胞肺がんに対する抗PD-L1抗体薬はテセントリクが国内初です♪

 

非小細胞肺がんでは、既に抗PD-1抗体薬のオプジーボキイトルーダが承認・販売されていますので、今後はこれらの薬剤との使い分けについて検討されると興味深いと感じます☆

 

以上、本日は非小細胞肺がんで初の抗PD-L1抗体薬のテセントリクをご紹介しました^^


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