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マヴィレット(ピブレンタスビル/グレカプレビル)の作用機序【C型肝炎】

   

厚労省は2017年9月27日、「C型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果とする新有効成分医薬品のマヴィレット配合錠(一般名:ピブレンタスビル/グレカプレビル)を承認したと発表がありました!

 

マヴィレット配合錠は、NS5A阻害薬のピブレンタスビルと、NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬のグレカプレビルを組み合わせた合剤です。

本日はC型肝炎ウイルスの増殖機構と、マヴィレット(ピブレンタスビル、グレカプレビル)の作用機序についてご紹介します☆

 

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C型肝炎とは

C型肝炎は「C型肝炎ウイルス(HCV)」に感染することで引き起こされます。

一度HCVに感染すると約70%の方はが持続感染者となり、そのまま自覚症状のないまま病気が進行していきます。

放っておくと、
慢性肝炎→肝硬変→肝がん、
と進行してしまうため、HCVに感染した場合、症状が無い状態から治療を開始することが望ましいです。

 

現在では国内に約100万人のHCV感染者の方がいると推定されています。

 

C型肝炎の症状

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、ちょっとやそっとの病気では症状が現れません。

HCV感染でも慢性肝炎の状態ではなかなか症状が現れにくく、肝硬変になってだんだんと症状が現れます。

 

肝硬変の主な症状は以下があります。

  • 手掌紅斑:手のひらが赤くなる
  • 黄疸
  • 浮腫(腹水貯留)
  • 出血傾向(鼻血など)

 

C型肝炎ウイルスの増殖

C型肝炎ウイルスは自分自身の力で増殖することはできません

そこで、ウイルスは宿主(ヒトの細胞)の力を借りて、増殖を行います。

 

ヒトの細胞にC型肝炎ウイルスが侵入(感染)すると、ウイルス由来の遺伝子(RNA)を放出します。

その後、ウイルス由来RNAは、ヒト細胞内のタンパク質や因子等を勝手に使用してRNAの複製を行います。

この複製過程では、「HCV複製複合体」と呼ばれるものを経由してRNAの複製が行われます。

 

 

その後、ウイルスRNAの情報を元に、ウイルスに必要なタンパク質が合成されます。(この過程を“翻訳”といいます)

ウイルスのタンパク質は、最終的に「プロテアーゼ」と呼ばれるヒトのタンパク質によって適切な大きさへと切断され、C型肝炎ウイルスを形作るタンパク質が合成されます。

そうしてヒトの細胞内でC型肝炎ウイルスがどんどんと増殖してしまいます。

 

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C型肝炎ウイルスの治療

C型肝炎ウイルスは変異が起こりやすいく、多くの遺伝子変異が確認されています。

そのため、C型肝炎ウイルスは遺伝子型(ジェノタイプ)によって細かく分けられます。

 

その中でも、日本人では

  • ジェノタイプ1b型(約70%)
  • ジェノタイプ2a型(約20%)
  • ジェノタイプ2b型(約10%)
    の3種類が多いとされておりますが、その他にも極めて稀なジェノタイプ3~6型も存在しています。

昔はインターフェロンを用いた治療が基本でしたが、最近ではインターフェロンを用いない治療法によって治癒が見込める時代となってきました。

 

ジェノタイプ1型では、

 

ジェノタイプ2型では、

その他のジェノタイプ(3型~6型)では、ソバルディ錠とリバビリンの24週投与が行われていました。

 

今回ご紹介するマヴィレット配合錠(ピブレンタスビル/グレカプレビル)は全てのジェノタイプ型に使用できる薬剤です!!

 

マヴィレット配合錠の作用機序

マヴィレット配合錠は、

  • NS5A複製複合体を阻害する「ピブレンタスビル」
  • NS3/4Aプロテアーゼを阻害する「グレカプレビル」

を配合した薬剤です。

それぞれの有効成分の作用機序についてご説明します。

 

ピブレンタスビルの作用機序

ピブレンタスビルは、ウイルスRNAの複製過程における「HCV複製複合体」の中でも、「NS5A複製複合体」を阻害する薬剤です。

HCV複製複合体を阻害することでウイルスRNAの複製が抑制され、結果的にウイルスの増殖を抑えることができます!

 

グレカプレビルの作用機序

グレカプレビルは、ウイルスのタンパク質合成に関わる「プロテアーゼ」の中でも、「NS3/4Aプロテアーゼ」を阻害する薬剤です。

ウイルスタンパク質の合成を阻害することができるため、ウイルスの増殖を抑えることができます!

 

 

マヴィレット配合錠は、

  • ピブレンタスビルによるRNAの複製阻害
  • グレカプレビルによるタンパク質合成阻害

によって、C型肝炎ウイルスを駆除できる新規の薬剤です!

 

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エビデンス紹介(CERTAIN-1試験のサブ試験1)

マヴィレット配合錠は全てのジェノタイプ型(1~6)に使用できる薬剤です!

 

根拠となった臨床試験は多数ありますが、今回はジェノタイプ1型に有効性が示された国内第Ⅲ相試験(CERTAIN-1試験のサブ試験1)をご紹介します。1)

本試験はジェノタイプ1型の未治療慢性肝炎の患者さんを対象に、マヴィレットの8週間投与とヴィキラックス(一般名:オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル)12週間投与を直接比較した試験です。

 

主要評価項目はNS5AのY93H変異未検出の患者集団における「SVR12率*」です。当該集団における結果は以下の通りでした。

試験群 マヴィレット
8週間投与
ヴィキラックス
12週間投与
SVR12率* 99.1% 100%
群間差:-0.9, 非劣性が証明
何らかの有害事象 57% 67%
重篤な有害事象 0% 6%

*SVR12率:投与終了後12週時点での持続性ウイルス学的著効

 

このように、
マヴィレットの8週間投与は、これまで標準治療であったヴィキラックスの12週間投与と同じ有効性が示されています。

 

1)CERTAIN-1試験:J Gastroenterol. 2018 Apr;53(4):557-565.

 

マヴィレットの副作用

主な副作用として、掻痒、頭痛、倦怠感、血中ビリルビン増加などが報告されています。

 

マヴィレットの特徴

マヴィレットは全ジェノタイプ型に使用できる薬剤です。

また、これまでジェノタイプ1型と2型については、最短でも12週間の投与が必要でした。

 

マヴィレットは、ジェノタイプ1型と2型のC型慢性肝炎に対しては8週間の投与と、従来より短い治療期間で治療が可能です。

ジェノタイ1型と2型のC型代償性肝硬変、ジェノタイプ1型と2型以外のC型慢性肝炎、C型代償性肝硬変は12週間の投与です。

 

薬価とあとがき

2017年11月22日時点の薬価は1錠 2万4210.40円(1日薬価:7万2631.20円)です。

 

マヴィレットの登場によって、全てのジェノタイプの治療が短期間で可能になりました!

これによって、C型肝炎治療薬の開発は終焉したのではないか、とも言われています。

 

以上、本日は長くなってしまいましたが、C型肝炎とマヴィレット配合錠についてご紹介しました☆

 
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