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タリージェ(ミロガバリン)の作用機序:リリカ・サインバルタとの違い【神経障害性疼痛】

更新日:

厚労省の薬食審医薬品第一部会は2018年12月3日、「末梢性神経障害性疼痛」を効能・効果とするタリージェ錠2.5mg、同錠5mg、同錠10mg、同錠15mg(一般名:ミロガバリンベシル酸塩)の承認を了承しました!

現時点では未承認のためご注意ください。

製薬会社

製造販売元(仮):第一三共(株)

 

タリージェはα2δ(アルファ2デルタ)に結合することで効果を発揮しますので、リリカ(一般名:プレガバリン)と同じ作用機序ですね。

 

今回は神経障害性疼痛とタリージェ(ミロガバリン)の作用機序、そしてリリカやサインバルタとの違いについて考察したいと思います。

 

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神経障害性疼痛とは

何らかの原因によって神経が障害されることで痛み(疼痛)を感じてしまうもの総称して神経障害性疼痛と呼んでいます。

 

その原因は多岐に渡り、

  • 外傷性(手術や怪我で神経が障害)
  • 感染性(感染によって神経が障害)
  • 栄養代謝性(アルコールや栄養障害、糖尿病等による)
  • 中毒性(化学療法やヒ素、水銀中毒による)
  • 腫瘍性(がんが神経を圧迫)
  • 圧迫/絞扼性(三叉神経痛やヘルニア等による)

など様々な原因が挙げられます。1)

 

また障害を受ける神経が中枢(脳や脊髄)末梢(手足などの末端)かによっても分類されます。

末梢性神経障害性疼痛の代表例としては以下があります。

  • 糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP)
  • 帯状疱疹後神経痛(PHN)
  • 椎間板ヘルニアによる慢性疼痛

 

今回ご紹介するタリージェはDPNPとPHNに使用可能となる見込みです。

 

1)神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン 改訂第2版

 

神経障害性疼痛の症状(DPNPとPHN)

神経障害性疼痛は障害を受けた神経の箇所によって症状が様々です。

 

糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP)は糖尿病の3大合併症の一つです。

初期に足にぴりぴりとした痛みを感じ、進行すると手にもしびれや痛みを感じるようになります。

さらに進行すると激しい痛みや灼熱感、感覚鈍麻も起こります。

 

帯状疱疹後神経痛(PHN)は帯状疱疹が治癒した後にも痛みが残ることを言います。

  • 針で刺すような痛み
  • 灼熱感
  • 電撃痛
  • 触れるだけで痛みが生じる

などが代表的な症状です。

 

神経障害性疼痛の治療

神経障害性疼痛の治療目標は痛みの緩和のため、薬物療法が基本です。

加えてリハビリなどの機能訓練が行われることもあります。

 

ガイドライン1)で第一選択薬として推奨されているのは以下の薬剤です。

  • リリカ(一般名:プレガバリン):推奨度・エビデンスレベル⇒1A
  • サインバルタ(一般名:デュロキセチン):推奨度・エビデンスレベル⇒1A
  • 三環系抗うつ薬のトリプタノール(一般名:アミトリプチリン)など:推奨度・エビデンスレベル⇒1B

 

サインバルタはSNRIに分類されており、うつ病に対しても使用可能です。

 

それではここからタリージェの作用機序に関連する疼痛のメカニズムと神経伝達物質について詳しく説明します。

 

1)神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン 改訂第2版

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タリージェ(ミロガバリン)の作用機序:Caチャネルと神経伝達物質

神経障害による疼痛は、以下の神経伝達物質が過剰に放出されることで引き起こされると考えられています。

  • サブスタンスP
  • グルタミン酸
  • カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)

神経前シナプスの電位依存性カルシウムイオン(Ca2+)チャネルから流入したCa2+により神経が興奮して上記の神経伝達物質が放出されます。

 

またCa2+チャネルはいくつかのサブユニットから構成されていますが、タリージェはその中でもα2δサブユニットに結合する薬剤です!

α2δサブユニットに結合することでCa2+チャネルの働きが抑制され、Ca2+の流入が低下します。

 

その結果、神経伝達物質の放出が抑制されて疼痛緩和効果が得られると考えられます。

 

エビデンス紹介

後日更新予定です。

 

タリージェ錠の副作用

後日更新予定です。

海外のDPNPを対象とした第Ⅱ相試験(プラセボ vs. リリカ vs. タリージェ)2)では、めまい、傾眠、頭痛などが報告されています。

 

2)Diabetes Care. 2014 Dec;37(12):3253-61.

 

タリージェ錠の用法・用量

初期用量として1回5mgを1日2回経口投与します。

その後1回用量として5mgずつ1週間以上の間隔をあけて漸増し、維持用量として1回15mgを1日2回経口投与します。

 

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タリージェとサインバルタ・リリカの違い

神経障害性疼痛の第一選択薬として使用できる薬剤にはリリカやサインバルタがあります。

 

作用機序や効能・効果、禁忌等が異なりますので、以下に一覧表としてまとめてみました(2018.11.21時点)。

製品名タリージェ錠リリカ
カプセル
サインバルタ
カプセル
一般名ミロガバリンプレガバリンデュロキセチン
作用機序α2δリガンドα2δリガンドSNRI
疼痛に関する
効能・効果
末梢性神経障害性疼痛〇神経障害性疼痛
〇線維筋痛症に伴う疼痛
下記疾患に伴う疼痛
糖尿病性神経障害
〇線維筋痛症
〇慢性腰痛症
〇変形性関節症
用法・用量*初期量:10mg/日
維持量:30mg/日
最大量:?
1日2回
初期量:150mg/日
維持量:300mg/日
最大量:600mg/日
1日2回
初期量:20mg/日
維持量:40mg/日
最大量:60mg/日
1日1回朝食後
禁忌未定・過敏症の既往歴・過敏症の既往歴
MAO阻害剤投与中
・高度肝/腎障害
・コントロール不良の
閉塞隅角緑内障

*神経障害性疼痛に関する用法・用量

 

タリージェの正式承認後に情報を追加してより詳しく考察する予定です。

 

タリージェ錠の薬価

現時点では未承認かつ薬価未収載です。

 

まとめ・あとがき

タリージェはこんな薬

  • α2δサブユニットに結合し、神経伝達物質の放出を抑制する
  • 同様の作用機序を有する類薬はリリカ(プレガバリン)

 

神経障害性疼痛はQOLが低下しやすいため、出来る限りの疼痛コントロールが重要です。

治療選択肢が増えることは患者さんにとっては朗報ではないでしょうか。

 

今後はリリカやサインバルタとの使い分けや効果・安全性の検討等が行われれば興味深いですね。

 

以上、今回は神経障害性疼痛とタリージェ(ミロガバリン)の作用機序についてご紹介しました!

参考になったらシェアいただけると嬉しいです!
   

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

大阪薬科大学 卒。外資系製薬メーカー(MR)、薬剤師国家試験予備校講師、調剤薬局薬剤師を経て現在に至る。今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師です。薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。FP資格あり。

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