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バベンチオ(アベルマブ)の作用機序【メルケル細胞がん】

2018/02/21

厚労省は2017年9月27日、「根治切除不能なメルケル細胞がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品のバベンチオ点滴静注200mg(一般名:アベルマブ(遺伝子組換え))を承認したと発表がありました!

 

今回紹介するバベンチオは「ヒト型抗ヒトPD-L1(ピーディーエルワン)モノクローナル抗体薬」で、これを標的とする薬剤は国内初です!

 

作用機序としては既に発売されている抗PD-1(ピーディーワン)抗体薬のオプジーボ(一般名:ニボルマブ)キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)と同様で、「免疫チェックポイント阻害薬」に分類されます^^

本日はがんの免疫チェックポイントとバベンチオ(アベルマブ)の作用機序についてご紹介します♪

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がんの免疫チェックポイント

通常、がんができると生体内の免疫反応が活性化され、がん細胞を死に導こうとしますが、がん細胞はヒトの免疫機構から逃れる術をいくつか持っています。

その一つに、がん細胞ではヒトの免疫反応を抑制する「PD-L1」を大量に発現することで、免疫反応(T細胞からの攻撃)から逃れています

PD-L1はT細胞のPD-1と結合することで、T細胞の活性を抑制させる働きがある、いわば、ブレーキのような働きを担っています。

本来、PD-L1やPD-1はT細胞が自己を攻撃しない(自己免疫抑制作用)のために体内に存在していますが、がん細胞はそれを逆手に取っています。

これを“免疫チェックポイント”と呼んでいます。

 

バベンチオ(般名:アベルマブ)の作用機序

バベンチオは、がん細胞の「PD-L1」に結合して、その働きを抑制することで、がん細胞からのブレーキを解除させ、ヒト本来の免疫反応を活性化させます。

 

その結果、T細胞が、がん細胞を攻撃することでがん細胞を死に導く、といった作用機序を有しています☆

 

T細胞が活性化され、ヒト本来の免疫力によってがん細胞を攻撃しますので、従来の抗がん剤と比較して副作用が比較的少ないと言われています。

 

ただし、免疫活性化に伴い、自己免疫疾患(例:甲状腺機能異常、腸炎、1型糖尿病)等の発現が認めらることがありますので、注意が必要となります。

 

今回の適応となるメルケル細胞がんは、悪性度の高い皮膚がんの一種で、国内患者数は75人と推定される希少疾病です。

これまでメルケル細胞がんに対して効能・効果を有する薬剤は国内にありませんでしたので、バベンチオが国内初です!!

 

バベンチオ(般名:アベルマブ)の薬価

収載時(2017年11月22日時点)の薬価は以下の通りです。

  • 200mg 10mL1瓶:218,955円(1日薬価:39,099円)

 

あとがき

近年、世界中で免疫チェックポイントに関連する薬剤の研究・治験が進められています。

今後はこれまでの抗がん剤や分子標的薬との併用療法や、免疫チェックポイント薬同士の併用療法など、様々検討されていくことが予想されます。

 

以上、本日は新規の免疫チェックポイント阻害薬であるバベンチオをご紹介しました^^

 
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