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イクスタンジ(エンザルタミド)の作用機序と副作用【前立腺がん】

イクスタンジ錠40mg/同80mg(一般名:エンザルタミド)が2018年3月1日に承認されました(剤形と規格追加の承認)。

製薬会社

  • 製造販売:アステラス製薬(株)

 

イクスタンジは2014年3月24日、「去勢抵抗性前立腺がん」を適応としてカプセル製剤40mgとして承認・販売されていましたが、カプセル製剤は終売となる予定です!(経過措置期間2020年まで)

 

カプセル製剤は大きくて服用し辛かったのですが、錠剤は小型化され、さらに規格が追加されているので服用回数の軽減も期待できると思います。

 

今回は前立腺がんとイクスタンジ(エンザルタミド)の作用機序についてご紹介します。

 

前立腺がんとは

前立腺は男性のみにある臓器で、膀胱から続く尿道の周りを取り囲むように存在しています。

この前立腺が腫瘍化(がん化)したものが前立腺がんです。

基本的には進行が緩やかながんで、早期に発見できれば治癒も期待できます。

自覚症状としては、尿が出づらい、頻尿、などがありますが、早期にはほとんど症状が出ません。進行すると、血尿や腰痛等が発現することがあります。

 

前立腺がんの発生・増殖メカニズム

前立腺がんの発生や成長には男性ホルモンが大きく関与することが知られています。

男性ホルモンにはいくつかの種類がありますが、総称して「アンドロゲン」と呼ばれており、約95%が精巣で分泌されています。その他にも副腎前立腺がんからも分泌されます。

 

前立腺がんはアンドロゲンが結合する「アンドロゲン受容体」を持ち、ここにアンドロゲンが結合することでがん細胞の増殖が促進されます。

それではアンドロゲン受容体とがんの増殖機構についてもう少し詳しく解説します。

 

アンドロゲン受容体とがんの増殖機構

アンドロゲン受容体は、がん細胞の細胞質内に存在しています。

アンドロゲン受容体にアンドロゲンが結合して活性化すると、核内に移動していきます。

核内のDNAと活性化したアンドロゲン受容体が結合することで、がん細胞の増殖が促進・活性化されると考えられています。

前立腺がんの治療

早期の前立腺がん(限局性、局所進行)の場合、

  • 手術
  • 放射線療法
  • ホルモン療法

などを単独もしくは適宜組み合わせた治療が行われます。

 

一方、発見時に遠隔転移を有する前立腺がんの場合、ホルモン療法が基本となります。

前立腺がんはアンドロゲンによって増殖するため、アンドロゲンを除去する治療(androgen deprivation therapy:ADT)を行います。

 

昔はADTとして精巣を物理的に摘出する「外科的去勢術」が行われていました。

しかし、患者さんによっては精巣がなくなることへの抵抗感が強いため、現在のADTは薬による内科的去勢術」としてホルモン療法が行われます。

 

現在、初回のホルモン療法としては、

などを適宜併用した治療が行われます。

 

これらの初回ホルモン療法を行っても、がんの増殖が抑えられない場合、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC:castration resistant prostate cancer)と診断されます。

今回ご紹介するイクスタンジはCRPCに使用できる薬剤として承認されました。

 

イクスタンジ(一般名:エンザルタミド)の作用機序

イクスタンジは、前述のがん増殖機構のうち、以下を阻害する薬剤です。

  1. アンドロゲン受容体への結合を阻害
  2. アンドロゲン受容体の核内への移動を阻害
  3. アンドロゲン受容体のDNAへの結合を阻害

 

上記の作用機序により、アンドロゲンによるがん増殖のシグナル伝達が阻害される結果、がん細胞の増殖抑制効果が発揮されると考えられています。

 

イクスタンジ(一般名:エンザルタミド)の副作用

主な副作用として、高血圧、便秘、疲労、食欲減少、体重減少、心電図QT延長、ほてり、などが報告されています。

 

イクスタンジ(一般名:エンザルタミド)の用法用量

通常、成人にはエンザルタミドとして160mgを1日1回経口投与します。

 

あとがき

CRPCに使用できる薬剤には、ザイティガ(一般名:アビラテロン)もあり、近年治療選択肢が増えてきています。

今後は各薬剤の使い分け等が検討されれば興味深いと感じます。

 

以上、今回は前立腺がんとイクスタンジ(エンザルタミド)の作用機序についてご紹介しました。

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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