12.悪性腫瘍

アフィニトール(エベロリムス)の作用機序と副作用【乳がん】


2014年3月18日に、手術不能または再発乳がん」の適応追加としてアフィニトール錠(一般名:エベロリムス)が承認されました^^

アフィニトール錠はすでに腎細胞がん等に適応を有していた薬剤です。

アフィニトール錠は“mTOR(エムトール)阻害薬”と呼ばれる分子標的治療薬に分類されます。

では、ここでmTORとがんの増殖について簡単に説明したいと思います☆

 

がんとmTOR

正常細胞に増殖因子が作用すると、細胞内では刺激が伝達(“シグナル伝達”と言います)され、途中、「mTOR(“エムトール”と読みます)」を経由して核に伝わります。

刺激が核に伝わると、細胞の増殖が活性化されます。

 

がん細胞では、上記のmTORが常に活性化しているため、がん細胞の増殖が常に活性化されている状態です。

アフィニトール(一般名:エベロリムス)の作用機序

アフィニトールは、がん細胞で活性化しているmTORを選択的に阻害することでがん細胞の増殖を抑える薬です。

 

アフィニトール(一般名:エベロリムス)の副作用

主な副作用は口内炎、発疹、疲労、下痢などですが、まれに重篤な間質性肺炎を引き起こすことがおりますので注意が必要です。

 

あとがき

アフィニトールは経口剤で簡便に服用できますので、乳がん治療の幅が広がったのではないでしょうか。

 

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  • この記事を書いた人

木元 貴祥

株式会社PASS MED(パスメド)代表

【保有資格】薬剤師、FP、他
【経歴】大阪薬科大学卒業後、外資系製薬会社「日本イーライリリー」のMR職、薬剤師国家試験対策予備校「薬学ゼミナール」の講師、保険調剤薬局の薬剤師を経て現在に至る。

今でも現場で働く現役バリバリの薬剤師で、薬のことを「分かりやすく」伝えることを専門にしています。

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